75代年間方針『成長』

 

62代夏合宿 Katun River隊 2011/8/8-31

ボート

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この夏のボート隊の合宿の舞台はロシア・アルタイ共和国Katun川。
「ロシアのホワイトウォーターでツーリングを行い、大会に出場する」という早稲田ワンゲルにとっての未知の挑戦だ!
メンバーはL大門とSL渡部(3年生)、2年生は内山、竹内、橋下の3人、そしてこの6月からラフティングを始め、わずか2か月の経験でロシア遠征に臨む新人福永。あとは大家監督と、横塚アシスタントコーチにも同行していただきました!
おおまかな構成は1Rがツーリングでアルタイの自然そしてKatun川を満喫し、2Rに大会の練習、そして3Rでロシアカップ(正式名:Ak-Talay-Margaan 2011)に出場するというものだ。
以下、その記録です。ボートの専門用語は一番下に解説を加えてあるのでご参照ください。

 
8/8~8/20 1R
成田空港=モスクワ空港=バルナウル空港=ウスチ・コークサ村―チュングル村―《Akkem rapids》―チューヤ川合流地点―《Ilgumensky rapids》―《Kadrin Pipe》―《Shabash》―クユース村

1Rはツーリング(※1)だ。ウスチ・コークサ村の近くからクユース村というところまで、大体200km以上9日間をかけてのリバーツーリング。初めはクリスタルグリーンだけど下って行くうちに数々の支流が流れ込み段々と白濁色に変わっていく水の色や、周囲を取り囲む壮大な山やボロボロの家が立ち並ぶ集落。アルタイの言葉で母を指すKatun川での時には穏やかに、時には激しい川旅だった。構成はレスキュー艇(現地リバーガイド付き、大家監督、横塚AC)、BIG BEAR艇、カヤッカーの3艇で下ることにした。途中クラス2(※2)と言われた瀬でフリップしそうになったり、ガイドに”no rapid”と言われた日にもグレード3くらいの瀬がたくさんあったりという感じで海外の川の大きさに感動する。この区間には3つのグレード4(Akkem rapids, Ilgumensky rapids, Shabashという名前です)があり、それぞれ迫力満点だった。前半はガイドがつきながらのツーリングだったが、私達のパドリングを見たガイドが必要ないと判断し、後半は自分達だけでのコントロールになった。この方が絶対楽しいよ!ちなみにフリップ(ボートがひっくり返ること)は1回だけ、グレード3の瀬が連続する場所でしてしまった。荷物を積みながらのフリップは初体験!無事リカバリーすることが出来、事なきを終えたが少しビビった新人もいたようだ。アルタイの雄大な自然の中のツーリングや、ロシアのウォッカに大満足な9日間!

 
8/21~8/25 2R
競技練習:Katun川中流域
2Rは競技の練習を行った。大会会場となるクル・ケチュという場所に到着した時には、たくさんのチームがすでに練習を開始していた。しかも、どのチームもうまい!予備パドルまでカーボン(※3)!ライジャケ、メット、ユニフォームまで揃っていてかっこよすぎる!それに比べてカーライルパドルが2本と、ライジャケ・メットがバラバラの我がチームを見て、少し気おくれしてしまったが、ひとまず胸を借りるつもりで行うことにした。4種目中3種目がイルグメンスキーという400m程の瀬(グレード4)で行われるので練習期間中はそこを集中的に下ることにした。練習と言っても水が重すぎて1回降るたびにかなり消耗し、私達は1日5回が限度だった。練習段階からスラロームのゲートが設置されていたので、それを練習で使用したがかなりの難易度。今までのどの大会よりも難しいセットだった(というか力任せなセット?)。結局完璧にくぐることはできずに大会本番を迎えることに。

 
8/26~8/31 3R
ロシアカップ:Katun川中流域

○スプリント:タイムトライアル・H2H(※4)
いよいよ待ちに待った大会、合宿のクライマックスだ。8月27日は登録・メディカルチェックだけだったので実質的には28日からが大会。雨の降る開会式で日本から来たとの紹介があり、周囲から歓声が聞こえてきた。過去にもドイツチームやチェコチームが来たこともあるみたいだったが、日本からは初めての参加、緊張します。開会式が終わると1時間後にはタイムトライアルの開始。私達はR6男子の12チーム中12番目の出艇だった。
直前にラインの確認を行い、皆で声を掛け合い士気を高め出艇。前日までよりも水量の増えたイルグメンスキーでしたがなんとかフリップせずに漕ぎ切った。下るとすぐに回送。岩の間をポーテージするのでなかなか大変だったが、他にこのボートを使用するチームがあるので(私達のリバーガイドもなんちゃってで出場していた!)早く回送を行った。そして、リバーガイドとその友人チームを観戦した後、すぐに対岸にフェリーで移動。H2Hは対岸である右岸からのスタートなのだ。スタート位置にいくと、タイムトライアルのリザルトが既に出ていた。
12チーム中8位で自分たちの立ち位置を知るも、H2Hの相手はアルタイラフト1(コスタリカのロシア代表!)とやることになった。H2Hはスタートからどんどん置いて行かれ、大差での負け、テイケイのライバルはやはり強かった。敗戦の後は他のチームの観戦を行った。ちなみにこのH2Hでは4カテゴリー全37チームすべてが出場した。その中で4チームくらいがフリップしていた。みなかみX-Treme(※5)の時に浅野さん(※6)が「やっぱりラフトの大会はフリップしなきゃ」と言っていたのを思い出した。決勝はヤロマックvsガーグー1(アルタイラフト1は準決勝で敗退)だった。結果はヤロマックの勝利。運営面も非常にスムーズで次から次にラフトが来る、しかもボートと観客の距離も近い、1位が最後まで分からない、参加しても、見ていても非常に楽しい大会だ。

 
○スラローム
29日はスラロームとR4のダウンリバー。午前11時からスラロームの開始だ。出艇順は3番目(前日の結果があまり良くなかったので)だった。ゲートセットは非常に特殊なセットで、今までは見たこともないアップゲートだった(川に対して3時→9時方向にはられ、岸側から川の中央へくぐるというセット)。スラローム1本目、いきなりスタートをすると、流れが強いイルグメンスキーに対して為す術もなく、12ゲート中1ゲートのみの通過でそのまま流されてゴール。
恥ずかしさや悔しさで混乱していると、後輩から上手いチームを見ましょうという声があり、気持ちを切り替えられた。ロシアのチームはさすがに慣れているようで果敢に挑戦している。しかし、1本目ですべてのゲートをくぐれたチームはいない模様。スラロームの2本目では、自分たちの力から取りに行くところだけ取りに行くことにしてラインを決定。結果は12ゲート中5ゲート、12チーム中11位だった。この日は翌日のダウンリバー(このコースは1本しか下っていないコースだが)の戦略を確認して就寝に。夜はディスコに行った。そこで会ったハンター(アルタイにはハンターを趣味や職業にする人が多いのです)に鹿肉をごちそうになった。

 
○ダウンリバー
30日はダウンリバーに出場。このダウンリバー15kmのロングレースと50kmもの距離を漕ぎ抜くスーパーマラソンがあり、どちらかを選択できたが私達のチームはロングレースを選ぶことに。本当はスーパーマラソンに出場したかったが、2年橋下の体調が優れずに止む無くという形だった。朝スタート地点に移動すると他のチームも続々と入って練習している。
スタートは12チーム一斉スタート。私達は10位、つまり上流側より3番目のスタートだった。「Ctapt」というコールが聞こえ一斉にスタートした、が、スタートダッシュをするも11番目になってしまった。ロシアのチームは初めからかなり飛ばしている模様、ピッチも日本の試合では考えられないくらいハイピッチ(?)、これくらいのピッチでやっているのはテイケイくらいだろうという感じだ。でも、他のチームに合わせなければ当然勝てないので、早いピッチで行くことに。開始3分くらいでバテ始めるものもいたが、最後まで緩めずに行った。結果は11位だったが、私が体験したダウンリバーでは今まで一番きついダウンリバーになったことは間違いない(2番目は昨年の天竜川WWFでの25km)。  この夜も皆でディスコに向かい大フィーバー。2年竹内は舞台を席巻し、3年の渡部は舞台に立ち独唱していた。
そして31日の閉会式で大会は幕を閉じた。日本から来たということで、色々な賞品と、ロシアチームとの記念撮影を行った。女子のヨーロッパチャンピョンとも記念撮影。なかなかいい記念になった。

 
【参考用語】
※1川旅のこと。
※2川の激しさを示す単位のこと。グレード6(ラフティングでは通過不可)からグレード1(静水)まである。日本のラフティングで体験できるのはグレード3まで。
※3カーボン素材で作られた軽いパドル。レースではこのパドルを使用する方が有利と言われている。
※4大会の種目。国際基準にのっとると大会は4種目で構成される。
①タイムトライアル:1km未満の距離で行われ、そのタイムを競う競技。
②H2H:2艇が一斉にスタートし、速さを競う競技。勝ったチームが次に進める。
③スラローム:川にゲートを張り、そのゲートを潜りながら下る競技。スラロームに接触、または不通過の場合はペナルティーが科される。
④ダウンリバー:長距離を漕ぐレースのこと。
※5ラフティングの大会のこと。5月の利根川上流(水上)で行われる大会で、日本でも最高峰のレースラフティングの大会。
※6ラフティングチームテイケイ(2010年世界選手権チャンピオンチーム)の監督。
 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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