JAN主催SC 2011/1/8-9

Posted on 1月 10, 2011 in ワンダリング記録, 山スキー

日本雪崩ネットワーク主催セイフティキャンプ

【参加目的】
 雪崩に関する正しい知識を習得し、積雪期活動のリスクマネージメントに生かす。

【講習会内容】
初日
講義
ビーコン捜索練習・捜索シミュレーション

2日目
屋外での実習(栂池高原鵯峰付近での積雪安定性評価)
ディスカッション

【報告】
講義:基本的には我が部で行っているスクーリングで既に扱っている内容が多かった。新しく得た知識を箇条書きにして以下にまとめる。
・流下するスラブの密度は100~250kg/㎥
・グライド(斜面の積雪の動き)→しわ・クラックとなり、全層雪崩の原因となる。
・スラッシュ(水で飽和した雪)の場合、斜度が非常に緩くても(15度程度)雪崩は起こりうる。春先の急激な気温上昇があった日などは注意。
・人による刺激は雪面の真下に伝わり、横方向にはほとんど伝わらない。そのため、必ずしも“人数が多ければ多いほど危ない”という訳ではない。
・強い気象状況(大量の降雪、急激な温度変化、強風など)は積雪の不安定性を増加させる。
積雪は数m場所が違うだけで状況は変化するため、非常に曖昧である。地形を重視すること。

ビーコン捜索練習
ビーコン捜索の流れ:1.モードの切り替え→2.誘導法→3.十字法4.ゾンデによる捜索
1. 捜索に入るとき、全員が受信モードに切り替わっていることを必ず確認すること。一人でも送信モードのままだと混乱の原因となる。
2. 捜索時はサーチ、移動、サーチ...の繰り返し(サーチはゆっくり手首で。PIEPS Freerideの場合2回点滅するのを待つと良い。移動はできるだけ早足で反応が一番強い方向に5~7m動く。
3. 反応距離が5m以内になったら雪面に近づけていく。⇒飛行機の着陸のイメージで。
4. 十字法はゆっくり、範囲を大きく。シングルアンテナの場合は小さく範囲設定使用とせず、1.5~2mに絞り、ゾンデを使用したほうが良い。
レクリエーショナルユーザーの場合、トリプルアンテナのビーコンを強く推奨、らしい...

捜索シミュレーション:9人で5人の埋没者を捜索。埋没者のうち4人はビーコン所持、1人はビーコン未所持。
やってみた感想:捜索にかかった時間は12分。やはり知らない人同士だと連携を取るのが非常に難しい。Lは設定していたが、始まってみると各自が勝手に捜索を行ってしまい、効率的とは言いがたかった。また、他人の場合、持っているビーコンの種類、装備の有無、どの程度経験があるのか等、全く分からず、かなりの混乱が予想される。正直、よほど人数に余裕がないとき以外、ビーコン捜索を見知らぬ他人とやるのはやめた方が良いと感じた。どちらかが捜索を行い、どちらかが連絡、安全確認を行う方が良いと思う。

野外実習:栂池高原ヒヨドリ峰南斜面で行動。途中でピットの実施。滑降して早大小屋前で再びビーコン捜索練習と掘り出し方法(V字コンベアベルト)のやり方を教わる。
ピット作製方法:今回は省略。
V字コンベアベルトについて
1. 基本的にL一人と掘り出し作業を行う人間5人で行う。
2. 掘り出し役の5人はプローブ深の2倍の距離から掘り出しを開始する。
3. 5人はVの字に並び、進行方向に向かって掘っていく。
4. 真ん中の人は全力で掘り、周りの4人はその雪を退かすと同時に横を広げていく。
5. Lは真ん中の人に疲れが見える前に、うまく交代させる。
6. 顔が出たら声をかける。
感想:非常に作業スピードが速く、また体力的に楽である。人数が足りていれば積極的に使用すると良いだろう。

全体を通して:雪崩に関する机上講習に関しては、部で行っているスクーリングと大差はなかった。しかし、実際にフィールドでの実習は積雪期の山岳活動を行う際、どのような点に気をつければ良いか学べ、良い経験になると思う。また、雪崩に関する知識や技術は定期的に更新されるそうなので、今後も定期的に参加するのが良いだろう(特に上級生)。
 最後に、今回車を出してくださった大家監督、本当にありがとうございました。

今回使用したテキスト:山岳ユーザーのための雪崩リスク軽減の手引き(出川あずさ著、日本雪崩ネットワーク)
 

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