75代年間方針『成長』

 

吾妻 前川大滝沢 2007/9/9-10

沢登り

 

期間  2007年9月8日-10日
地域  吾妻連峰 前川大滝沢
メンバー  L廣光OB SL池田 佐藤穂 谷口 佐藤理 古川

 



 

 9/9 晴
峠駅-6:40滑川温泉-7:55大滝沢入渓-13:20登山道-滑川温泉

 

5時起床。峠駅の前にある峠の茶屋の力水を汲んで、まずは一時間の林道歩き。坂を登りきってトラバース状の道を行くと、徐々に吾妻連峰の山並みが近づいてくる。滑川温泉手前の入渓地点にある橋に差し掛かると、さっそく真下の川に盛大なナメ状の地形が広がる。橋の横で懸垂下降を再度確認していると、あっという間に入渓時間が八時前になってしまった。準備をして、すぐに入渓。
大滝沢は入渓口こそ立派なナメが迎えてくれえるが、歩きだすと結構大岩も多い。経験者だけならサクサク行けるだろうが、沢初心者を連れての行動なので、ペースはかなり遅めとなる。まずはF1の滝……と行きたいところだが、なんとこれが今日の最後の滝となってしまう。記録を読むと直登するらしいが、台風の影響で水量があったのと、少しホールドが難しめで初心者同伴では敬遠ムードになった為、左のしっかりした踏み跡から登り始める。本来ならば、ここから15m滝の上部12mに取りついて登るのだろうが、微妙に上へ向かうルートにつられて登ってしまい、これが仇となる。上部では踏み跡はかなり不明瞭になり、滑りやすい草付きや、藪漕ぎを強いられる。安全を期してザイルを3ピッチ使ったが、プルージックで6人登るだけでも途方もない時間を要し、稜線近くまで上がったころには既に12時前。少人数なら、この高巻きでもすぐに登って懸垂下降で沢に戻れるだろうが、自パーティーの機動力では時間を消費しすぎた。
今後もこの行動力で行くことを考えると、ここは撤退しか選択肢はなさそうだ。滑川温泉に下山し、温泉でゆっくりすることにする。それにしても、かなり田舎にある温泉なのに温泉客が多い。秘湯の人気というやつだろうか。幸い滑川温泉の人が駐車場横の某場所を提供してくれたので、寝床は無事確保。ウインクキラーに興じて9時就寝。

 

不気味な峠駅滑川温泉まで林道歩き

 

入渓地点の橋秘湯 滑川温泉

 

大滝沢入渓F1を巻こうとするも…

 



 

 9/10 曇のち雨
6:45滑川温泉-8:00ネコノ沢入渓-13:15潜滝手前登山道-14:45滑川温泉

 

起床の合図で起きると5時。昨日起床は4時と行ったはずだが…。ゲームで負けて不満を言ってた挙句、この失態は無いよねI君。本日の行動は機動力を考え、昨日巻きで手こずった15mの滝と、120mの滑川大滝を一気にパスして、上部の薬師森北側にあるネコノ沢から、大滝沢に入渓することにする。まずは吊橋を渡って登山道へ。稜線にでると滝見の展望台があり、ここからは壮大な滑川大滝の姿が見える。ただ、真下から見る滝の迫力は、こことは段違いのものなのだろう。展望台からは大滝手前に出る登山道もあるので、最悪ここから入渓することができる。
目標とする沢手前の1100m付近で、藪を漕いで入渓できそうな場所があったので、偵察の後、進むことに決定。テーピングの後もあったので、今までに同じ考えの人も少なからずはいたのだろう。特に苦も無くネコノ沢に入渓し、最後に5mの滝を懸垂下降をすると、ようやく大滝沢に入渓することができた。ここからが、ようやく本番だ。
入渓してすぐに、鉄分で赤茶けたナメ床の地形が広がる。釜に溜まるエメラルドグリーンの水の色とのコントラストで、この沢特有の非常に美しい景観が目を楽しませてくれる。ウォータースライダーがあったので、早速メンバーが持参していた水中メガネを装備して挑戦していたが、この沢のナメはザラザラしていて殆ど滑らず、結局強引に飛び込んでいた。

 

滑川大滝の展望台ネコノ沢最後は懸垂下降

 

120m滑川大滝ネコノ沢出合

 

ようやく入渓ナメ床と釜の不思議な地形

 

大岩の中を歩くお約束の滑り台

 

 その後はゴーロ帯を行き、直角に右に曲がるポイントで8m滝。右壁を木の根を上手く使って登り、藪を抜けて沢に戻る。この際、荷物は全てロープで上げ、空身で登った。
ここからナメ床を少し行くと、ナメ滝の連瀑地帯が始まる。時にはへつり、時には泳ぎ、お助けロープを多用して進む。右側がジャンプ台の様になった10mの奇妙な滝は、右岸に巻き道があるので巻く。
両側が切り立った12m滝は巻けそうにないので、仕方なく右側の水流を直登したが、ホールドも多くさほど難しくなかった。ここは安全を期してザイルを出す。

 

白と赤の混じる不思議な岩肌右岸スラブの5m滝

 

横幅の広い8m滝 右壁からナメの上をヒタヒタ歩く

 

いよいよ連瀑帯に突入はしゃぐT口

 

幾つも小滝を越える右岸から巻きの10m滝

 

ここら辺はあまり記憶に無し…迫力のある12m2条滝

 

水線右側を直登する連瀑帯のフィナーレ

 

この後は、カメラ故障のため写真なし・・・

 

 この上はさらにナメ滝が三つほど連なった連瀑帯となる。次第に天気が悪くなり、ガスも出てきた。石橋を叩いて渡るかの様なお助けロープの多用で時間をかけながらも、11時過ぎには鉱山跡地付近に到着。上部に半端なく崩壊した吊り橋が架かっている。ここからは大滝も無くなり、大きな心配はしなくて良いが、ゴーロ帯のためになかなかペースが上がらない。左岸は硫黄による黄土色の崩壊した壁が広がり、川の中からは偶に硫黄臭がする。潜滝手前の登山道合流地点に行くまでは、左から二本の小滝が入るが、ショートカットするときはここから登山道に出る人も多いらしい。天気も悪くなったので、少し早めの遡行打ち切りを考えていたが、一本目は小滝が見えたので見送り、二本目で登山道に出る。遡行終了と同時に雨が降り出したので、雨具を着て下山開始。
下山路はトロッコのレールが並走しており興味深い。地図には姥湯の分岐の後に鉱山跡地の表記があり、それ自体はよく分らなかったが、途中で打ち捨てられて赤さびたトロッコの姿を拝むことができた。昨日に引き続き滑川温泉で汗を流し、林道を一時間歩いて峠駅へ。

 電車の到着する18時までは一時間程時間を持て余していたが、峠の茶屋の人が帰宅して定食屋が営業しだしたので打ち上げをすることにする。店内はやたら鉄道グッズが充実していて、なにやら鉄ちゃんの気配を感じる。全員山菜と米沢牛・まつたけの入った山菜うどん・そばを注文したが、店の人が山菜の天婦羅や桃を大量にサービスしてくれて、非常に嬉しかった。やはり東北の田舎の人達は人情深い。沢だけでなく、秘湯や田舎の人情に振れることのできる良いワンダリングでした。そして各自、本日が最後の使用日となる十八切符を使って、家への帰路へとついた。

 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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