秋冷えの季節となりました。もう冠雪した山も多く、スキーシーズンの訪れにワクワクしております。これからいよいよ積雪期なので、気を引き締めて抜かりない準備をしている最中です。因みに、明日から3年二人で裏岩手の偵察に行ってきます。天候も心配ですが、春合宿の成功に向けて実りの多いW-ingに出来ればと思っています。個人的には久しぶりの活動でウズウズしているのですが。佐々木は記録のアップロードが早いので、このS-ingについても即アップロードしてくれることでしょう。
さて、「ワンゲル部員の日記」シリーズも本作で10本目。かの有名な「徒然草」に由来する「ワンゲル部員の徒然日記」はその名の通りワンゲル部員の「日常」にフォーカスしたものでありますが、今回は「道具屋日記」を1年半ぶりに復活させました!
サブタイトルは「スキー板を語ろう」ということで、連日の調査でかき集めた情報を皆様にお伝えしたいと思います!
さて、山スキーのスキー板といえば、皆様どんなメーカーが思い浮かぶでしょうか?
Black Diamond、K2、ATOMIC等々…沢山のメーカーがありますよね。では、スキー板を購入する際に考えることは何でしょうか?
恐らく、何十年もスキーを行っているベテランの方であれば、「軽さ!!」と答えるでしょう。「太さ」というのも重要なワードではありますが、快適な滑りを楽しむ体力を残しておく為には登りの体力消費を抑えることも考えなければいけません。そうなると、「軽さ」という要素はかなり大きなウェイトを占めることになります。
現役では装備の「軽さ」や「太さ」という要素だけではなく、「硬さ」という要素にも注目しています。ところで、スキー板の「硬さ」と聞いて皆さんイメージ出来ますか?
スキー板の多くには硬い芯材が使われています。メタルが入っているものもあります。板が柔らかいと足元がフニャフニャになってしまい、スピードを出しているときは不安定になってしまうからです。また、板が柔らかすぎると、外足を踏み込む際の抵抗が小さいため、思いっきり踏み込むことが出来ません。山スキーの板にもこのような素材が使用されているものも多いです。
しかし、硬い板を山スキーで使用することには弊害がいくつか存在します。先ず、芯材の入った板はとにかく重いです。時々、芯材が入っていながらも軽い板があったりするのですが、(私の板がそうです!)入っていないものと比べると一般的には重いです。また、硬い板を初心者が山スキーで使用すると、ターンする際に必要な力が大きくなる為、慣れていない人はすぐに疲れてしまいます。
柔らかい板を使用すると、小さな力でターンをすることができますし、板をたわませることが比較的楽に出来るので、スピードをそこまで出さなくても、新雪の中でも浮きやすくなります。柔らかい板のほうが初心者向け・ツリーラン向けの板であると言われます。
硬い板は山の中でもスピードを出してカービングターンを決めるのにはうってつけの板です。K2のセンター幅100mmを超える板はビックマウンテン(ヨーロッパアルプス等)の無樹林・大斜面を滑るのには最高ですが(それをイメージしてメーカーも作っているのでしょう。)国内でその性能を引き出せるのは、フィールドが限られてしまいます。白馬とか北海道とかですね。
以上内容を至極簡潔に纏めると・・・
柔らかい板:初心者でも扱いやすい・ツリーランが快適!
硬い板:上級者向け・スピードを出すときはコレ!
という感じです。
現役部員は山の中でスピードを出して滑れるほどスキーが上手い人間ではないので、柔らかい方を選択しています。基本的に山の中を歩くことが多いので、パウダー用の太さはそこまで求めず、歩くときも扱いやすい幅の板をチョイスするようにしています。
以上のことから、私が新人に勧めている板は ATOMICの「ASPECT」 です。
この板の特徴は先ず圧倒的な軽さ。センター幅85mmでありながら、見た目以上に軽いです。また、硬い芯材がビンディングをつける足元のみに使用されているので、
「足元はしっかり踏み込めるし安定している」 + 「板全体は柔らかいので浮きやすい」
という両方の良さを兼ね備えた板になっています。
更にこの板!今流行の「ロッカースキー」の構造にもなっているので、新雪でも快適に滑ることが出来ます!!
因みに、ロッカースキーというのは、板のトップの反り上がっている区間が長い板のことで、新雪を前で受けてくれる為トップが沈みにくいということや、エッジングのかけやすさなど多くの利点を持っています。ゲレンデでも山でも快適に滑れる板ですよ!
さて、前回に比べて飛躍的にグレードが上がった「ワンゲル部員の道具屋日記」でした。特集装備のリクエストが有れば可能な限り対応いたしますので、コメント・Facebookにてお願いします!
主務 福永孟昭
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