73代秋合宿ぐるっと光隊記録

活動報告(山)

※部内関係者は合宿総括も併せて参照してほしい。

【メンバー】

(3年)小林L 柿﨑SL (2年)野本 (新人)福地 藤田 (OB)佐藤充   計6人

【日程】

2021年10月14日(木)~19日(火)   C0ありのC4行程

【天候】

15日(金) 晴れ

16日(土) 曇りときどき雨

17日(日) 曇り

18日(月) 晴れのち雨

19日(火) 雨のち晴れ

【行程】

10月14日(木)

10:00高田馬場駅=13:00新静岡IC=15:00明神橋=18:00千頭駅=19:00明神橋-21:00就寝

 10:00に高田馬場駅に集合。小林はさいたまの家から高田馬場に車で向かう。車は高田馬場駅付近のパーキングチケットに駐車した。係の共有とアクセス方法の確認、写真撮影を済ませ、さっそく出発する。小林と新人2人と佐藤充OB(以下、充さん)は車で、残りの2人は電車でアクセスした。

 車組は初台南ICから高速に乗り、東名と新東名に乗った。新静岡ICに着いたのが13:00。そこから2時間ほどかけて15:00に明神橋に到着。静岡駅~井川駅に最短で向かうルートは険しい峠道なので、少し遠回りでも千頭駅方面から迂回した方がよい。ちなみに、電波は井川駅付近を最後に途切れる。Softbankは白樺荘前の道路で1本だけ立った。

 明神橋で3人を下ろし、小林だけで千頭駅に向かう。18:00に千頭駅に着き、電車組の2人を回収して再び明神橋へ戻る。全員が明神橋に到着したのが19:00。柿﨑以外は明神橋のガードレール横にテントを張り就寝。たまに通る大型車がうるさかった。柿﨑は白樺荘に素泊まり一泊。というのも、白樺荘に1人が一泊する代わりに、合宿中駐車させてもらえるよう交渉したからである。したがって小林と柿﨑で白樺荘に向かい、小林は駐車した後、徒歩で明神橋に戻った。夜の林道怖い。

10月15日(金)

4:30起床-5:30出発-6:30鉄塔-8:45外山沢ノ頭-10:30小無間山-11:30中無間山-13:00大無間山-14:00三隅池-20:30就寝

 4:30に起床し、5:30に出発。コンクリートに着く梯子を上り、中部電力の巡視路に沿って右手に進む。すると早速現れるのが水路の渡渉。一応ロープがついているが、足元がガレているため踏ん張りがきかない。下からのアタックは諦め、石段の上から渡渉を試みると、案外簡単に渡れた。

 以降は巡視路に沿ってひたすら急登を上る。テープがしっかりついているため道迷いの心配はないが、ひたすら急登が続く。尾根に乗ると幾分か斜度がましになったため、自然と隊のペースも上がる。以降はずっと登り、ひたすら登る。1,600mアップは伊達じゃない。小無間-中無間の崩壊地は全く問題なかった。

 13:00にようやっと大無間山に到着。広々として、幕営したら気持ちがよさそうだ。しかし、明日の行程を考えると、今日はできるだけ進みたい。みんなもまだ元気だったので、先に進むことにする。結果、三隅池先の稜線を右手に下りたとことに平らなスペースを発見し、そこで幕営した。大菩薩のような所で、そよ風が初日の疲れを癒してくれた。

10月16日(土)

3:30起床-5:30出発-5:50三方嶺-6:30小根沢山-7:30アザミ沢ノコル-取水-8:30同コル発-10:00大根沢山-12:10ブナ沢ノコル-12:30ブナ沢ノ頭-20:30就寝

 3:30に起床。いつもと違う食当を新人が慣れない手つきで行う。食当はすぐに終わり、ご飯を食べるのが遅い人もいないので、4:50には撤収準備が完了する。ひと時の静寂の後、そそくさと撤収して出発。三方嶺に登り、小根沢山へと登る。テープもついており、バリエーションルートの出だしは順調だ(ここで述べておくが、今後も全般的に若いテープがついており、わかりやすくなっていた)。

 アザミ沢ノコルに着いたら、各人カモ大に丸食とプラティパスを詰め、沢筋を下る。コル付近が明確に湿っていたので期待していたのだが、なかなか汲めるほどの場所は表れない。ぽつぽつと出ている場所があったので、そのたびに1人ずつ配置し、分担して取水した。80mほど下った地点でまとまって出ている箇所があったので、そこで12Lほど採取できた。結果、到着から出発までに1時間を要した。

 大根沢山の登りは終盤で開ける。ガレていて岩も鋭利なので、通過には注意を払った。山頂は樹林帯の広々とした中の一角にある。下りはじめはそこから5分ほど北東に歩いた先、樹木に赤のペンキで信濃俣と書いてある。ちなみに白樺荘方面には温泉マークが書いてあった。最も警戒していた下りだが、赤いテープが点在していたので、割とすいすい進む。北北西の尾根を下り、岩場に出たら北西に舵を取り直す。テープも同じような軌跡をたどっていた。7mの岩場は登るは易いが下りはかなり危険だろう。登りも高度感があるので苦手な人にはロープを出した方がよいと思う。それより問題だったのは、ブナ沢ノコル直前の下り。赤テープを一時見失い、トップの野本と藤田が右手の誤った方向に下りてしまった。その斜面が落石必至の危険個所で、雨あられのように石が落ちる音が聞こえる。あまりに危険すぎるので、後ろの小林と充さんは正規ルートまで戻って下りることにした。だが、正規ルートも落石のオンパレード。そのため、1人が安全地帯に入ったことを確認してからもう1人が下り始めた。この箇所は一時分隊する等、工夫した方がよい。

 ブナ沢ノコルはとても幕営できそうにない。ブナ沢ノ頭はとても良い幕営適地だった。

10月17日(日)

3:30起床-6:00出発-7:15樺沢山-8:50椹沢山-9:00信濃俣-9:30前信濃俣-10:00信濃俣ノコル-11:50百俣沢ノ頭-13:00光岳-13:35光小屋-14:00イザルガ岳-14:40光小屋-20:30就寝

 寒気の影響で停滞の可能性が高かったが、案外進めそうなので、30分遅らせた6:00に出発。怒涛の勢いで樺沢山まで一本で登る。椹沢山までは小林と藤田が暗唱歌合戦を繰り広げ、気付いたら山頂だった。

 信濃俣からの下りで山頂直後に北西の尾根に迷い込んだ。早めに気付いたので難を逃れたが、北側尾根への降り口がかなり見つけづらいので注意。また信濃俣ノコル手前の2,140m地点でも正規ルートの左手に迷い混みそうになった。

  以降は百俣沢ノ頭に向け、再び登り始める。藪漕ぎが少しあると聞いていたが、たまに木々をくぐる程度で大したことはなかった。さすがの新人2人も少し疲労が見えたころ、無事同地点に到着。しっかりとした道標を見て、登山道に復帰したことを実感する。ここからは登山道なので、新人にトップをやらせてみる。なかなかペース配分が良い。稜線が開けたのは2,542mの先、やっとこさ南アらしい風景を見ることができた。あとは百名山に向けて進むのみ。みんなの足取りも軽い。

 分岐で荷物を下ろし、光岳山頂に向かう。さすがは百名山、山頂標も立派だ。すぐ先にある展望台で式典をし、各々絶景を前に写真を撮りまくる。充分良い景色を見ることができたので、光石には行かなかった。その後光小屋まで戻り、作戦会議を開く。要点はイザルガ岳に行くか否か、取水をどうするかの2点。結局、空身でイザルガ岳をピストンし、ついでに静高平を見に行くことに。イザルガ岳はかなりの絶景。しかし、静高平は見事に枯れていた。

 小屋直下の往復40分の水場に行くしかないとあきらめかけていたところ、居合わせた登山客に小屋横のタンクに天水が溜まっているとの情報を得る。飲んでみると、何とも言えない渋みがある。だが、火を通せば飲めそうだ。汲みに行くのもめんどくさかったので、結局天水で食当をすることにした。特に味の変化はなかった。

 光小屋は今年避難小屋として開放していたため、幕営費は無料だった。他の登山客は10名弱。小屋は先客がいたので、おとなしくテントを張った。光岳分岐から山頂にかけてはSoftbankの電波が入る。光小屋でも場所によってはauが一本立った。

10月18日(月)

3:30起床-5:30出発-6:15三吉平-7:25易老岳-8:50希望峰-9:05仁田岳-10:00茶臼岳-10:30茶臼小屋-12:00横窪沢小屋-21:30就寝

 この日は南アの風靡な稜線を歩く日。これまでとは打って変わって気持ちも軽い。今日もほとんど新人にトップを任せる。2人とも特に問題なくトップを務めていて感心する。三吉平ではauが4本立った。

 易老岳は展望なし、希望峰も展望はない。空身でピストンした仁田岳はパノラマビューが広がっていたが、風が強すぎたため早々に退散した。茶臼岳はこれまでの山々と異なり岩々とした山容だった。展望が良かったが、聖岳の頭が雲で隠れていたのはとても残念。来年の秋は北の稜線を辿って甲斐駒まで足を伸ばしてみたい。あと山頂標が凍っていた。もう冬である。

 茶臼岳を下り始めると雨が降ってきた。風がもともと強かったので、一気に体温を奪われる。そそくさと茶臼小屋まで下り、雨除けフル装備に着替える。本来C4地点は茶臼小小屋なのだが、まだまだ時間に余裕があったし、翌日の行程を短くしたかったので横窪沢小屋まで下りることにした。

 横窪沢小屋までの下りは整備されているが、かなり急で落石もしやすい。注意深く下っていると、隊も自然と静かになる。雨のぱらつく中、疲れも見え始めた。ウソッコ沢まで行けるかもしれないと思っていたが、これは横窪沢小屋で止めた方がよさそうだ。実際、藤田も少しひざを痛めたので、ウソッコ沢まで行くことはなかった。

 横窪沢小屋も避難小屋として開放されており、平日だったので独占することができた。水場は止まっていたので、丸太橋から沢に下りて直接取水した。到着したのが12:00で食当まで時間があったので予備2の食袋を開けて昼飯を食べることにした。暖かい味噌汁が体にしみた。夜飯はビックカツカレー。カツは薄いが食べ応えがあった。明日はいよいよ最終日。最終夜を行って、21:30に就寝。

10月19日(火)

4:30起床-6:00出発-7:00ウソッコ沢小屋-8:00ヤレヤレ峠-8:20畑薙大吊橋-9:30畑薙第1ダム-10:20白樺荘-13:00接岨峡温泉-20:00高田馬場駅

 目が覚めると、小屋の外から激しく雨の降る音が聞こえる。絶望。止まないものかと様子を見るがどうやら止みそうにない。しかたなくフル装備に着替え出発しようとしたところ、急に雨が止んだ。何たる強運。

 出だしの丸太橋は一部板が割れているのもあり、結構怖い。だが丸太橋はこの場所のみ。他は最近工事があって架け変わったようだ。迅速な工事に感謝しかない。

 ウソッコ沢小屋までの下りは急登だがつづら折りになっているので下りやすい。以降は緩い上り下りと河原歩き。道中に橋が多く架かっていて楽しかった。最後の畑薙大吊橋は長いため、上下の揺れ幅も大きい。これを渡れば林道に着く。

 ひたすら長い林道歩きも、温泉が待っていると思えば頑張れる。そう思って歩いていたのだが、まさかの温泉が定休日だった。無念にも残った臭い身体と服とザック。さすがにこのまま帰るわけにもいかず、最寄りの接岨峡温泉まで車を走らせた。ヌルヌルの温泉で疲れを癒し、帰京を開始する。

 20:00に高田馬場に到着。メンバーを下ろし、1人さいたまに向けて出発する。車で帰っていると、今まで合宿をしていたのが嘘のように感じられる。何とも言えない気持ちになりつつ、家路をたどった。

【ヤマレコ】

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3647118.html

【補足】

 今回、食糧の軽量化に伴い、食当の手順も変更した。係報告に乗せるには過剰だったので、こちらに記載する。

①行程終了後、アミノバイタルゴールド1包/人をクッカーに入れ、200ml/人の水で溶かす。

②耐熱計量カップで200mlすくい、それぞれが飲む。

③クッカーに水を200ml/袋入れ、沸騰させる(今回は尾西のα米を2袋/人)。

④沸騰したらα米を投入し、中火で5分煮る。

⑤消火し、5分蒸らす。

⑥ご飯をよそう。

⑦同じ鍋に水を300ml/人入れ、沸騰させる(今回はアマノフーズのカレーを1.5袋/300ml使用)。同時並行でもう1人がそれぞれの丸食にドライフードの総菜の素を入れる。

⑧沸騰後、総菜の素が入った丸食に熱湯を注ぐ。

⑨かき混ぜて終了。

※この方法だと、鍋が汚れずに済み、かつ鍋が1つでこと足りる。

【写真】

最初の水路

尾根にとりつくまでがかなり急登

尾根に乗ると緩くなる

小無間山は展望ないが、それでも嬉しい

崩壊地の脇を通過

大無間山頂。幕営適地。

C1幕営地で設営

三方嶺先、またもや崩壊地

アザミ沢ノコル ここから80m下った

大根沢山の開けた登り

信濃俣方向を示すペンキ

方向を変える岩場

7mの岩場

落石不可避

ブナ沢ノ頭

椹沢山

百俣沢ノ頭

やっと開けた稜線

光岳

イザルガ岳

光小屋のテント場

仁田岳への稜線

上河内岳、聖岳方面、笠をかぶってる

茶臼小屋

横窪沢小屋

使われなくなった丸太橋

畑薙大吊橋

やっと到着

文責 小林葵

Waseda Wander Vogel

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早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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