【メンバー】
L中島 SL上釜 3年倉澤 2年福地 新人大須賀 中村
【概要】
乗鞍で獲得標高2700mのヒルクライムをする。
8月19日(金)
C10-白川郷ひらせ温泉C11
8月20日(土)
C11-高山C12
8月21日(日)
停滞
8月22日(月)
C12-乗鞍スカイライン―畳平―乗鞍エコーライン-高ソメキャンプ場C13
8月23日(火)
C13-中の島キャンプ場C14
8月24日(水)
C14-岐阜G
https://www.navitime.co.jp/coursebuilder/course/6e68868e15fb4056a90fb5199101fd1b
【詳細】
Day17(8/19)
5時に金沢駅の鼓門に集合する。体操、ミーティング、記念撮影後に出発。五箇山や白川郷など、世界遺産・合掌造りの集落を通っていく一日。
金沢は大都会だったけれど、ものの一時間も走ればあっという間に山間部にたどり着く。関東平野との差を体感した。この日は久しぶりの晴天で、ちょっとした下りで思わず歌を口ずさんでしまうほどにはいい気分になれた。
南砺市街地を通り過ぎ、延長5kmの五箇山トンネルを抜けるとすぐに相倉合掌造り集落にたどり着く。有名な白川郷に比べると、こじんまりとした規模で観光客も少なく、のんびり見物することができる。20分ほど見学時間をとった。
南砺~白川郷までは、車の多くは併走する高速を通るためか交通量も少なく、トンネルが多い割には快適に走ることができた。白川郷には11:30過ぎに着き、50分ほど滞在した。時間帯の違いもあるだろうが、相倉集落とは打って変わって観光客でにぎわっていた。一般車両は集落の中を走行できない。そのためお盆シーズンとあって一番近い駐車場は満車だった。幸い自転車は自由に走ることができた(ほかに自転車できている人はほとんどいなかったけど)ので、意外と広い集落を楽に見て回ることができた。高台から集落を眺めるのはもちろん、合掌造りのカフェや土産物屋も雰囲気抜群だった。
集落のすぐそばの小さなスーパーで買い出しを行い、一時間弱でキャンプ場に到着。国道のすぐ近くながら自然を感じられるキャンプ場はきれいに整備されていて100点満点だった。キャンプ場利用者は近くの温泉を割引してもらえるのもポイント高い。
Day18(8/20)
日の出が遅くなってきたので起床時間を30分ずらして3:30にする。この日は比較的距離も短く獲得標高も多くはないため、高山駅には9:00前には到着してしまった。スーパーが9:30に開くのを待って、乗鞍が終わってからの食糧の買い出しを済ませた。買い出しが終わった後、解散するころに雨が降り出し、足止めを食らう。翌日以降の天気も微妙だったため、天候判断の上級生ミーティングを18:00から行うことを決定し、解散する。(高山付近にはキャンプ場がなく、もともと全員で乗鞍に備えてゲストハウス等に泊まるつもりでいたが、野宿したいという意見が多く就寝場所は自由にすることをのといちラウンド後に決定した。ちなみに高山はゲストハウス激戦区で安く泊まれる宿が多いので、乗鞍をスカイライン側から登るときにはチェックしてみてほしい。)
18:00、上級生ミーティングを30分ほど行った。その時点では1mm前後の少雨が午前中中心に降るという予報であり、翌日行動するべきか否か、主に中島と福地で意見が割れた。見どころかつ下りが不安なため乗鞍はできるだけマシな天気で行きたいvs22日以降も天気が読めないため進めるときに進みたい、の構図だ。結局、20日の間にも予報がころころ変わっていたこともあって「明日4:00時点で今と同じかそれ以上の予報なら行く、悪くなっていたら行かない」という判断基準だけ決定し、判断は先延ばしにした。
Day19(8/21)
4:00に上級生ミーティングを行い、判断基準に従って停滞を決定した。ミーティング後に上釜が乗鞍スカイラインが通行止めになっていたことに気づいた。結果的にだが妥当な判断だった。通行止めは10時ごろには解除され、昼頃には暑すぎるくらい良く晴れた。
Day20(8/22)
いよいよ乗鞍アタック。5:00に高山駅に集合。珍しくみんなギリギリで来たため少しヒヤヒヤした。
高山からスカイライン起点の平湯峠まではだいたい2本くらいで行った。前日、高山のサイクルプロショップの店主に「平湯峠までがまずきついぞ」と脅されたが正にその通りで、斜度14~15%はありそうな道。スバルラインやビーナスラインとの格の違いを感じる。平湯峠に着いた時には、畳平まであと1000mアップしなければいけないことが信じられないような、でも意外とあと1000mで済むんだ、というような気持だった。
スカイラインは、速く進みたい上釜・福地・中村と、ゆっくりしか行けない中島+のんびりの方がお好みの倉澤・大須賀で二手に分隊して、先行組に早めに止まってもらって一本ごとに合流しながら進んだ。傾斜がきつくなればなるほど、足に掛けられる体重差や筋肉量の差がダイレクトに出て、どうにも追いつけない。前半部分の方が傾斜がきつく、後半の方が少し楽だった。ジグザグ走行で踏み込まなければ進めないようなところもあるため、温存できるところではちゃんと温存しないと持たない気がする。マイカー規制のためときどき観光バスがゆっくり通るだけなので、ジグザク走行が可能だった。計画当初からわかっていることだったが、何キロも荷物を積載してくるような場所ではないと改めて思った。でもそういうバカみたいなことが楽しいなとも思う。
途中かなり濃い霧に包まれることもあったが、畳平は良い景色だった。青空も見えて、鶴が池は綺麗だった。畳平に近づくとどんどん傾斜が緩くなることもあって、意外とするっと登れたように錯覚する。自由時間は20分ほどしか設けなかったが、中村は魔王岳を登って下りてきていた。本当にすぐ登れるので最初から計画に入れておいてもよかったかもしれない。
畳平から下り始めてすぐ、福地の自転車キャリアが折れていることが発覚した(いつ折れたのかはわからなかった)。タイヤにキャリアが擦ってしまっており、ダクトテープでどうにかなるような破損でもなかった。そのためできる限り倉澤のザックに福地の荷物を入れてそのザックを福地が背負い、ザックに入りきらない装備を他の5人で分けて持つようにした。また、ザックを背負うと後方の確認ができないため、基本的にトップだった福地を4番目にして進んだ。そのあとの長いダウンヒルは、まさに山肌を滑り下りているような感覚になる、自転車の楽しさを一番感じられるような爽快さだった。そして楽しさと同時に、下るほどに合宿の終わりが近づいていることに実感がわいてきた。
一仕事終えた気分でキャンプ場に向かったが、キャンプ場までの登りは強烈な激坂だった。200mほど登ることはわかっていたものの、予想以上のきつさだった。ジグザグ走行でなければ登れないような斜度が、しかもカーブもほとんどなくずっと続く。乗鞍の登りよりもつらかった。途中押して歩いたりもした。結局漕いだ方が早かったから一瞬ではあったけれど。魂が抜けたような感じでキャンプ場にたどり着いたときにはもう15:00ですぐに食当をしなければいけなかったが、新人はテキパキと準備をしてくれた。本当に偉いと思ったし、なんとなくもたもたしていた合宿序盤からの成長を感じた。その晩はいつも以上に話に花が咲いた。
Day21(8/22)
3:30起床。出発前になぜか上釜の前輪がパンクしており、しっかり5:00を過ぎてからの出発になった。残る二日は特にめぼしいものはなく、とにかくゴールまで走り切ろう、というモチベーションで走り始める。
めぼしいものはない、とはいったものの、この日の予定ルートの近くには妻篭宿と馬篭宿という昔の宿場町もあり、そちらを通ってもよかったのだが、獲得標高が+300mになるため話し合いの結果通らないことにしていた。だからほとんど国道19号線を走るだけのルートだ。
この日の9:30ごろ、JR十二兼駅付近~南木曽駅付近の区間で、転倒事故によって大須賀が負傷し、自転車の後輪ホイールが曲がって走行不能になったため、大須賀と付き添いの倉澤は途中で離脱することになってしまった。車両の不備といった重大な過失があったわけではなく、小さなミスが重なって起こった事故であった。安全に対する意識がまだまだ甘かったことを痛感した。自転車活動の安全対策を見直し、下級生に伝えることが急務だ。(詳細は合宿総括を参照)。長いダウンヒルだけではなく、ちょっとした下りにももっと注意を払わなければいけない。
諸々の対応に1時間ほどかかったあと、残る4人で出発する。この日もまた途中雨に降られ、道の駅で雨宿りとして長めの休憩をとる。しかし結局買い出し後にスーパーからキャンプ場までの間にも強雨に降られ、びっちょびちょになった。中村は大須賀の転倒と雨のダブルパンチで元気がなかった。さらに、前日に紛失し予備を使用していたMSRストーブの部品がまたしてもなくしており、あわや食当ができなくなるところだった。福地の小さめスプーンによってなんとか代用できた。他に誰もいないキャンプ場で、ささやかに最終夜をした。
Day22(8/23)
前日にも増してめぼしいもののないルート。中津川あたりからはもう市街地だ。国道19号は、車がビュンビュン飛ばしていて危なく、途中県道に移動した。多治見からは国道248号線を行ったが、こちらは車線が多く19号よりいくらかましだった。しかし、一部自動車専用で脇道から巻いて行かなければならなかったり、西田原IC~関ICは自転車も走れるがわかりづらかったりで、全くおすすめできる道ではなかった。
あまり後味の良い終わり方ではなかったが、とはいえ岐阜駅に着いたときは大きな達成感があった。本当は全員で打ち上げをしたかったが、大須賀は脚の痛みが強かったため先に東京に戻ることになり、他5人で激安の焼肉食べ放題に行った。
振り返って見ると、思い通りにならないことや思いがけないこともかなりあったなとしみじみ思う。けれど、本当に夏合宿という形態での自転車旅を楽しんだ1か月だった。
【感想】
個人としては、なかなか思うようにいかないところもありましたが、海などの自然を、夏特有の雰囲気で感じることができて、いい思い出になりました。また、読図やギアチェンジなどの技術の向上を感じれてよかったです。
長期間のキャンプ生活を終えて、身の回りのことをやってくれる親に、感謝の念がより自然と湧き上がってくるようになりました。今回の事故でも、自分は1人で生きているのでなく、周りに生かされているということを強く感じました。 by大須賀
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