まず、感想。とても暑かった。晴れていい景色見れた。人多すぎて、色々と不便を感じた。新人は全員、全力を出してくれた。いい合宿だった。
【メンバー】4年N、H 3年I、M 2年S,M 新人I、C、M、H、Y 計11名(多すぎ、順番を伝えるのが大変)
【目的】錬成
【行動詳細】
6/16(月) | 6/17(火) | 6/18(水) |
高田馬場駅=茅野駅C0 | C0=八ヶ岳山荘S-赤岳-行者小屋C1 行動時間:8.5h 予定時間:8.3h | C1-赤岩ノ頭-東天狗岳-青苔荘C2 行動時間:10.7h 予定時間:8.2h |
17:30 高田馬場駅 21:05 韮崎駅 22:00 就寝 | 5:10 茅野駅 6:00 八ヶ岳山荘 12:30 赤岳山頂 14:30 行者小屋着 15:30 上ミ 16:00 点火 16:50 夕食・全ミ 20:00 就寝 | 3:00 起床 5:00 出発 7:30 赤岩ノ頭 11:00 東天狗岳 15:40 青苔荘着 16:15 点火 17:10 夕食・全ミ 20:00 就寝 |
6/19(木) | 6/20(木) | 6/21(金) |
C2-麦草峠-茶臼山-雨池-双子池キャンプ場C3 行動時間:8.5h 予定時間:8.2h | C3-大河原峠-蓼科山-八子ヶ峰-白樺リゾートC4 行動時間:11.3h 予定時間:8.6h | C4-車山-北の耳-八島ヶ原湿原G 行動時間:6h 予定時間:6.5h |
3:00 起床 5:00 出発 8:00 麦草峠 9:00 茶臼山 12:00 雨池 13:30 双子池キャンプ場 14:00 上ミ 15:30 点火 16:20 夕食 17:30 全ミ 19:30 就寝 | 2:30 起床 5:00 出発 6:30 大河原峠 9:00 蓼科山 13:30八子ヶ峰 16:20白樺リゾート 17:00 上ミ 17:30 点火 18:20 夕食・全ミ 21:00 就寝 | 4:00 起床 6:00 出発 9:00 車山 11:00 北の耳 12:20 八島ヶ原湿原G
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※予定時間:『ヤマレコ』のコースタイム1.0倍+休憩時間
これを見ている後輩へ。一緒に合宿総括も見て欲しいです!!合宿総括には書いていない内容をここに書きます。気分が乗る限りで書きました。参考にしてくれると嬉しいです。
【地図の全て】
初日
2日目
3日目
4日目
5日目(北の耳の位置間違ってます。正確にはゼブラ(男女倉)山)
黒線が、いわゆる錬成可能箇所。この合宿でも黒線は殆ど錬成した。根石岳も錬成可能。一部右側が切れているので注意。加えて、八子ヶ峰から、スキー場までの分岐でも錬成。
この地図に準則と注意点、コースタイムを後ほど記入した。コースタイムの記入はかなり便利に使えたので、上級生は書き込んでおくことを推奨する。予定ルートだけでなく迂回路も書いておくといい。
【行動省察】
6/16 17:20 高田馬場駅集合 理系の人が5限終わりだとギリギリだったので17:30にすればよかったと後悔。OBさんと現役がたくさん来てくれた。休部中の部員も駆けつけてくれた。ありがとう。
その後電車移動。新宿から中央線だが、滅茶苦茶混んでる。大きなザックをもって入ることに罪悪感を感じる。私はこの時間がとても嫌いだ。大人になったら特急か、自家用車で悠々と登山に赴きたい。西に進むにつれてだんだんと人が少なくなる。立川すぎたあたりで座れた。その後は寝た。
22:00 茅野駅到着 この四年間で6回目?の茅野駅。大学生で訪れるのはこれが最後かと、ふと思った。改札に出てから一度集合。明日の流れを簡単に説明して解散。茅野駅は土地柄、駅で寝ることには非常に寛容な駅であると思っている。寝る場所は西口の百貨店へつながる通路か、東口のコミュニティセンター?の屋根下または芝生。今年オープンしたであろうヤツガタケマートというコンビニが駅すぐ近くにあった。これまでは10分歩いてファミマに行ったのだが、その必要がなくなった。革命。コンビニで最後の晩餐を皆食べて就寝。
5:10 タクシー乗車。ポリタンに水を入れて、登山靴履いて出発。東口タクシー乗り場に呼んだ。タクシーは行き帰りどちらも諏訪交通様にお願いした。HPから配車専用メールアドレスが分かった。電話だと誤まりが発生しうるので、メールで予約を行った。ジャンボタクシー2台。行き2.4万、帰り2.3万。
5:40 美濃戸口到着 到着後、改めて水と服装、今日の流れを確認。北沢まで林道なので車に注意することなどを伝えて出発。後ろを向くと大型ザックを背負う人間が私の後ろに10人いて、なんだが笑えてきた。しかしトラブル発生。出発直後に新人Mのザックのショルダーベルトが取れた。放出ザックを使ったのがよくなかった。今後は控えたほうがいいかも。ダクトテープと細引きでぐるぐる巻きにして、4年Hのザックと交換した。気を取り直して出発。しばらく林道。赤岳山荘までは皆で歩く。
7:00 赤岳山荘到着。新人は皆ザックのあまりの重さに苦しんでいた。早速、肩を痛めるもの、腰ベルトが合わない者が出た。赤岳山荘から錬成スタート!ちなみにここから北沢と南沢とで、分岐がある。南沢は増水した場合に通れない場合があるのと、少し歩きづらいということで、北沢を選択。地形図の北沢の文字までは歩きやすい林道だった。
錬成はとりあえず体力がある順でスタート。私は新人C、Hと2年S、3年I。Sがまさに鬼軍曹といった感じだった。Iはひたすら褒める形式だった。対照的すぎて真ん中の私は頭が混乱した。2年Sが「これは錬成すか」とより激しい錬成を求める一言を私にかけた。しばらく歩くと先頭で歩いていた新人Yがつぶれていた。14㎏の団体装備を振っていたのだが、さすがに重すぎたらしい。とてもきつそうで少し震えていた。どうやらザックのベルトがあっていないらしい。私とザックを交換して歩く。その後北沢の文字で一本。ここで足を攣った人もいた。
8:10 北沢出発。行者小屋へ。ここからは登山道かつ沢沿いのみちで少し危険なので、錬成はしなかった。段々と熱くなってきた。YとCが前と離れてきたので、急遽無線を手渡すなどした。しばらく歩くと途中でシカを発見した。近年は天敵の少なさや狩人の減少で、彼らは数を増し、高原植物を食いまくっている。そんなことを思っていると赤岳鉱泉に到着。
9:20 赤岳鉱泉出発 ここから行者小屋まで錬成。ちなみに行者小屋のテント泊受付は9:30からなのだが、今回の合宿では特に問題なかった。行者小屋から尾根を越えるのだが、ここまでの登りが意外ときつい。その後は下り&平坦。この区間は全員走った。Cが上りでめちゃ疲れていたのに、ここで自ら走り始めて感動した。突入する形で、行者小屋へ。到着後はテントを一つ皆で立てて、そこに装備をデポした。装備を軽くしたうえで、赤岳へGO。
10:30 行者小屋出発 新人はザックの軽さに感動していた。軽いので先ほどよりも進む進む。阿弥陀岳との分岐で一本取った(11:45)。景色は最高。行者小屋がみおろせ、うえには赤岳と横岳。かなりテンションが上がった。こういうカール地形?は飛び込んでいけるような、鳥になれる感覚があって個人的に好き。
12:30 赤岳山頂 ここまでの登りは手も使っていく。三点支持ができていれば特に難しいところはない。ザックが重いとかなり危ないかも。登山がほぼ初心者の新人でも難なく登れていた。ただ、落石が度々あった。重くなってしまうが、ヘルメットを持っていったほうがいいかもしれないとふと思った。
山頂は360度の大パノラマ。雲はなく、空が澄み渡っていた。せっかくなので30分ほど時間をとって休憩と写真撮影。ゴールの霧ヶ峰まで見渡せた。ゴールの遠さに絶望する者もいた。最高に気分いいので、コーラなど飲む。美味しかった。気圧が低いのか炭酸のシュワシュワが3倍くらいになっていて吐きかけた。序盤にしてここが合宿のハイライトの一つになった。
その後、下山。赤岳展望荘までの下りは少し難しい。急なのと足場が斜めで歩きづらい。人数が多いことと新人がどうしても不慣れなこともあって時間がかかった。2時間ほどかけて下山。
14:30 行者小屋到着 到着後休んだら、テント設営のテスト。テストは各日全体で2回(一人一回)と決めていた。何回もやっても時間かかったりするのと、緊張感がなくなってしまうので。代わりに事前練習の時間を設けることとした。初日は疲労からか不合格だった。その後、下界のテストで不合格だった新人Mの雨具ロープを確認。その最中に新人には食当の準備をしてもらう。その後点火まで上ミ。明日の錬成と、各反省について話す。思ったよりも時間的な余裕がない。夕食はすき焼き。タレが重いのだが、美味しい。肉は豚肉。一週間前に火を通したらしく一抹の不安があったが杞憂だった。ごはんを食べたあと、水場で体を拭いていると夕焼けに照らされた赤岳と横岳が見えた。とってもきれい。山がずらっと荒々しく並び、オレンジ色に光っている様はなかなかに迫力があった。赤岳鉱泉でなくて、行者小屋に泊まるのはこの景色が好きだからというのもある。
3,4,5で出るので8:00就寝。
2日目 起床。新人がご飯をつくってくれた。当たり前みたいな雰囲気になっているが、合宿で一番大変であろう新人が朝起きて忙しくご飯を作ってくれることに感謝しなければならない。撤収は10分を少し過ぎてしまう。撤収後にお手洗いに行く人がいた。基本的に撤収後はすぐ登山するので事前に済ませるように伝えるべきだったと反省。
6:00 赤岳鉱泉へ到着。
赤岳鉱泉から赤岩ノ頭までは錬成。全くといっていいほど危険個所はない。コースタイム的には100分かかる。しかし錬成のペースならば、ここから一本でつける。全員が頂上分岐までの約400upを一時間で登った。えぐいて。
錬成方法は時間差による競争形式。ペースがゆったりした人を先頭に、全員が丁度頂上で合流できるくらいの時間を空けて各々スタート。追いつけ、追いつかれるなのモチベーションが出てくるのと、単純にゲームとして面白い(なんかまずいことを言ってるかも)ので推奨。スタート前に全員にこれから目指す赤岩ノ頭を山座同定させた。錬成のときは、事前に目指す山の頂上を実際に示すことをこの合宿では意識した。皆「これ一本で行くの?」という顔をしていた。4年Hが事前インタビューみたいなものを取っていた。新人はぎこちなく笑うことしかできていなかった。
そんなこんなでスタート。私は2年Sと新人Iに付いた。錬成あるあるなのだが、歩き始めのペースは新人もめちゃくちゃ速い。気合が入っていることがひしひしと伝わっていつも感心するのだが、10分しない内にまたは急登に入ると途端に潰れてしまう。ペース配分が大事と言いそうになるが、隙を与える感じもして、その旨の発言は控えた。鬼軍曹S、当事者でない私も気が引き締まる錬成をしてくれた。Iはかなり大変そう。しばらく歩いていると前を歩いていた3年Iと新人Hがいた。彼らが最後尾になるので無線を手渡す。無線を3つ持ってくればよかった。その後一人で歩く新人Yを発見。どうやら上級生と離れてしまい、一人で歩いているよう。新人の数に対して上級生が少ないことの弊害がでた。私がその後、彼に付く。Yは合宿序盤体調が芳しくなかったようで呼吸がしにくいと辛そうだった。団体装備を解除して錬成。最後の登りはひたすら声をかけ続けた。だんだんと視界が開け、これまた絶景。上からは既にゴールしたメンバーの応援(絶叫?)が聞こえてくる。Y、倒れ込むようにゴール。その後Hもゴール。Hは最後倒れまくっていた。手にはなぜだか分からないが、草を握りしめていた。頑張ったね。
20分ほど休憩。赤岩ノ頭頂上は分岐から左に進んだところにあるのだが、わかりづらいので分岐が錬成ゴールとなった。
その後は硫黄岳へ。赤岩ノ頭から硫黄岳は、ざれているのと岩場あるので錬成はしない。
8:00 硫黄岳山頂。赤岩から30分ほどで到着。小休憩がてら山座同定、記念写真。爆裂火口などを見る。爆裂火口は頂上からより、下から見ることをお勧めする。
硫黄岳から夏沢峠へ下山。人がたくさん登ってきて、たびたび道を譲る。大人数だとこういうときに何だか申し訳ない気持ちになる。時々振り向いて火口を見る。迫力凄い。アメリカのグランドキャニオンみたい。知らんけど。途中で読図。オーレン小屋真東のルートの向きが変わるあたりで。ここは読図ポイントでしょう。
コースタイムの1.5倍ほど費やして夏沢峠。山頂近くだと岩場があって通過に時間を要した。
夏沢峠を境に八ヶ岳は南北に分かれる。北はなだらかで苔の森、南は荒々しい岩峰と分かりやすく山容が分かれている。
↑硫黄岳を新人に指し示す上級生
10:15 根石岳
夏沢峠から根石岳は錬成!と行きたい所だが、右側が切れているので走らせるようなことはせずに注意しながらしっかり歩くと伝達。危険個所はないのだが、うっかり2回転くらいすると危ないところではある。私はCについた。途中でYが熱中症っぽいことになり止まっていた。お水を既に2L飲み切ってしまっていたらしい。山は水が限られているからうまく2Lで一日を済ませることも重要だ。
根石山荘に近づくと平坦と下り。ここで走る。山荘から根石岳までは広い稜線。ラストスパートで頑張る。頑張らせる。
根石頂上も展望よし。これで私は恐らく3回目なのだが、内2回はガスまみれで記憶がない。今回は景色みれて良かった。嬉しかった。天狗岳の双峰がよく映えている。軍曹も流石にご満悦である。
根石山荘で水場があることを発見。しかし水は皆1L以上残っているし、ジュースいっぱいあるしで頂上からわざわざ下りて汲みに行くことはしなかった。その後とんでもない暑さになり、この選択を後悔することになる。
11:00 天狗岳 岩場には注意。天狗岳といっても我々が上ったのは東天狗岳のみ。行ってもいいのだが、時間に余裕はないのでパス。根石岳からのコルから白砂のみちになった。昨日は「赤」岳で、この日は「赤」岩ノ頭とこれまで赤岩ばかり目にしてきたが、ここで白。岩の色がこの短距離で変化していくことに自然の面白みを感じた。白は光を反射して眩しいのがよくない。ただ緑とのコントラストがいい感じ。天狗岳頂上付近は岩場なので注意。
頂上で写真とって中山峠へ下山。この下山が長すぎた。コースタイムでは30分らしいが、おそらくその2.2倍程度かかった。合宿で一番つらい一本が何かと言われたら、これをあげる。下山でとにかく時間がかかり、休めるような場所もなくて峠まで下る他なかった。結果1時間45分ほど歩いた。時間がかかったのもよくないのだが、暑さと日射が追い打ちをかける。暑すぎて頭がぼーっとした。中山峠に着く頃には皆ヘトヘトだった。後ろの新人二名はかなりきつそうで、遅れてしまった。
↓時間のかかった下山道。岩場の通過が難儀。
時間に余裕もないので隊を分け、先に着いた人にはテント設営のテストと食当の準備をしてもらうことにした。近くの黒百合ヒュッテに水場があることは確認していたので、先発隊の人に後発隊の水を分け、分隊した。しかし事件発生。黒百合ヒュッテでは宿泊者のみに水を提供しているらしく、我々のような通過者には水を提供していなかった。確認不足。大反省。一応ペットボトル飲料を買うこともできたが、高いのでやめた。その代わりに差し入れで頂いていたカルピスとなっちゃん計4Lでこの場を凌ぐことにした。始めはジュースを飲めることに皆で湧いていたが、途中から「水飲みたい」モードになっていた。ジュースだと甘くて重くて、むしろ喉が渇くという感じ。一苦労。
14:00 ニュウ 中山峠からニュウまでは少し登って、その後緩やかな下り、その後急登という流れ。皆で一緒にしっかり歩く。下りに入ったあたりで軍曹によってペースがアップ。ほぼランニングみたいな速さになった。「イケイケ」で歩いていると焦りすぎてしまったか、新人Yが前のめりで転倒。幸い顔に傷は無かったが、膝を負傷。血が出てしまった。やはり下りは焦り過ぎない方がよいと反省。その後は安全に歩く。その後にゅうに到着。にゅうは八ヶ岳でもお気に入りスポットの一つ。頂上部は岩が積み重なって、岩峰のようになっている。頂上には先に出発していたメンバーが休んでいて、入れ替わりのような形になった。あちらも暑さでかなりきつそうだった。20分ほど休憩。にゅうの看板をもって皆で記念撮影。とってくださった方、ありがとうございます。にゅうは展望がよいのと、高度感があって特別感ある。新人Cはここをかなり気に入ってくれたらしい。見下ろすと、本日の幕営地である青苔荘を発見。その遠さに一同、絶望する。
15:30 青苔荘
長い下山。途中で新人Cが足首を痛めたらしく、すぐにテーピング。やらない選択肢もあったが私のモットーとして「やれることは全部やる」があるので実施。この合宿ではテーピングの機会が多すぎて、テーピングが無くなってしまった。新品を持ってきたのだが、二つ必要だったと後悔。下り切ったあとは苔の森が登場。私の八ヶ岳お気に入りポイント。ただの森なのだが、大きな岩が敷き詰められていて、そこに苔が覆っている。私の文章では、その魅力について伝えきれることができないのだが、例えるなら「ジブリの森」。怪異が出てきそうな、神秘的な雰囲気。人の痕跡は木道のみ。木道を外れると緑に迷いこんでしまいそうな雰囲気がある。朝日に照らされた森も良いが、雨に濡れて、光っている森もいい。
ということでその森を抜けると、青苔荘に到着。青苔荘という名前がまずいい。木道からペースが上がった。最後は私もかなりつらかった。到着すると先発隊も先ほど着いた様子。やっぱり皆早かった。そこからはテントテスト。場所が狭いのと、疲労で、テントを踏みまくったり、ポールがさせていなかったりで失敗。残念。
そこからはすぐに食当の準備に入る。時間なさすぎる… 新人が食当している時間で短縮版の上級生ミーティング。その後、食事。食事と並行して全体ミーティング。時間ない場合は仕方ない。医療係のターンで体調チェックを行うと、大多数から不調ありの報告。熱や足の痛みを訴えるものが多い。熱はまずい。2年Sの風邪が蔓延したのか、熱中症の熱なのかの判断がつかない。とりあえず皆に体温を測ってもらうと私以外ほぼ全員熱があった。全く症状のないものも37.3度あった。体温計が壊れているのか?とりあえず、この日はヤバかった。また二年Sは、体調不良が悪化し明日の下山を検討した。具体的には麦草峠。明日の行動で様子を見て判断することに。
この記録をまだ見ている人に青苔荘について、伝えたいことがある。それは「朝に水が汲めない」ということだ。厳密には19:00から7:00まで水が汲めない。小屋泊の人への配慮が理由らしい。これは事前に確認できておらず、大きな反省である。注意してほしい。夜の内にすべての容器に水を入れ、明日補給できうる水場の全てで補給することとした。
これは青苔荘前の白駒池の写真。夕暮れ頃に訪れると深い藍色の空と白い雲が湖に反射されてとても綺麗だった。まるで西洋絵画のようで、しばらく見とれてしまった。明日も行程は長い。新人にOGさんより頂いた(本当にありがとうございます!)アミノバイタルを新人に配る。筋疲労回復の粉。ドーピング。これを飲んだら全回復する。私がOBになったら、現役にこれを大量に差し入れたい。
5:00 青苔荘出発 テント場には他にも人がいるので、撤収は静粛に行い、その後の体操と伝達事項はしばらく湖畔を進んだ、東屋でザック置いて体操をした。朝日の白駒池をゆっくり見れたので正解だった。その後、高見石小屋で水を汲めたら汲むことを確認。高見石では結果汲めなかった泣。途中で分かれてしまったので、高見石で小休憩。高見石も展望スポット。必見。
8:00麦草峠 ここまでの丸山からの下りで新人Hが足首を痛めたようで、下山がかなり遅れてしまう。かなり痛そうなので麦草峠から雨池峠で迂回させることにした。これに体調不良の二年Sと医療係の3年Iを付き添わせる。二年Sは迂回路であれば歩けること、今日幕営して下山判断を下すことを確認。ということで、この後は二隊に分かれて行動することに。
↓麦草峠。迂回するメンバー。ビートルズ風に写真を撮った。迂回とはいえ、2年Sと3年Iはきっちり、新人Hを錬成してくれたらしい。2年Sが笑いながら、Hを錬成する様子が動画に残っていた(笑)
9:00 茶臼山 峠からの登りは錬成。速い順で実施。この日もめちゃくちゃ暑い。全員きつそう。茶臼山は一度小ピークがあるここから進行方向が変わるのと、その後の縞枯山が山座同定できるので読図ポイント。ひたすら山頂まで錬成が続く。ずっと急な登りで、景色も一切変わらず、森の中なので、錬成する側の私も鬱々としてきた。私は新人Yについたのだが、彼は熱中症なのか、いつもの調子が中々出ない。「うーーん、こういう時はどうすればいいのだろうか。」と悩んでしまう。ぶちぎれるという人もいるだろうが、それで解決する話ではないような気はするし、滅茶苦茶頑張っていることはヒシヒシと伝わるから「頑張れ」と声かけることすら傲慢な気がしてしまう(先輩のどなたかが同じようなことを言っていた)。既に頑張っているのに…的な。結局其の時の私はどうしたかというと「頑張れ」botになった。そんなことを考える内に山頂前の分岐に到着。茶臼山の山頂は縦走路から少し外れた場所にあるので、通り過ぎないように注意。分岐で荷物を置いて、皆で山頂へ(9時)
山頂は、これまた素晴らしい展望!2回来て、何も見えなかったので嬉しい。後方には昨日一昨日上った山々が見える。八ヶ岳は、周囲に山がない独立した連峰に、その縦走路からは見えるので、これまでの軌跡が分かりやすい感じがして好き。皆はかなり疲労してそうだった。何かを叫ぶノリを4年Hが始めたのだが、新人はうわずった、悲鳴のような声をあげていたり、そもそも応答をやめた人もいた。
11:00 雨池峠
茶臼山から、雨池峠までが長い長い。縞枯山までも当然のように錬成を行う。ちなみに縞枯山の途中で「2387」のピークがあり、そこから脇道にそれて展望台に行ける。縞枯山の山頂は展望が無いので、余裕があれば行ってみるのもいい。そこから山頂までは木が枯れた不思議なゾーンに突入する。また傾斜も殆どないので錬成ダッシュポイントとして部内では有名(?)。
途中、新人Mが完全に事切れてしまった。彼はこれまで荷物を持ち続け、弱音を吐かずに、先頭争いをしてくれていたのだが、ついにダウンしてしまっていた。日射病か熱中症かと思われる。声もかけても何も応答しなくなった。とりあえず縞枯山の山頂で休ませる。ついでに暑そうだったので私のハットも貸す。以後私は手ぬぐいでほっかむりスタイルに。これが意外といい感じだった。
水を十分に飲ませた後に下山。下山中も時々、ふらついて倒れてしまう。とりあえず、峠の分岐で休ませる。先行したグループには縞枯山荘で待ってもらっていた。ちなみに縞枯山荘は草原にポツンと立つオシャレ山小屋で、私のお気に入り。
新人Mがかなりヤバそうなので、坪庭方面ではなく、雨池経由で幕営地に向かうことを決めた。全員か分隊するかという議論が起こったが、無線がないこと(やっぱり3個持ってくればよかった)、分隊後に上級生が少ない状態で横岳付近の急登と岩場を通過するのは危険といった理由で、全員で迂回することに。全員疲れているのかと思っていたが、茶臼山以降、なぜか皆は息を吹き返したらしくテンション高めで、良い錬成ができたそうだった。特に新人Yは水(実際にはコーラ)を得た魚のように生き生きとしていて、とても安心した。ということで雨池まで戻る。新人Mはヤムチャのようになっていた。
12:00 雨池。特に変哲ない池。雨池から向かう途中に地図上では、林道が北方向へ走っているが、通行止めであった。その後は傾斜の緩やかなトレイルを歩く。登山道と違って一時間で進める距離が長い。読図の感覚がずれてしまう。この迂回路は、八ヶ岳山麓スーパートレイルの一部らしく、卒部したらこういうなだらかな道をのんびり歩きたいなーと思った。
13:30 双子池キャンプ場 キャンプ場直前は林道と合流。急登となったが、なぜかペースが上がり、私はとても辛かった。全員が遅れずに一心不乱に黙々と足を進めており、よくわからん一体感を感じた。
双子池キャンプ場は予約制なのだが定休日があるのと、時々臨時休業があるので注意しなければならない。問い合わせないと臨時休業が分からない場合もあるので、なるべく早く手続きするのが重要。今回の合宿では、臨時休業と予定日が重なり、ルートを逆走することになってしまった。
幕営地到着後に、テントテスト。まず登山道からテント場まで遠すぎてきつい。そしてテントを張れるスペースが小さすぎてきつい。これではテストがやりにくい。テストの結果は不合格。その場では叱ったが、内心「こんだけ狭かったら、そりゃ難しいよね、、、」と思ってしまったことを、この場で告白する。
着替える者がいたのだが、脱いでみるととんでもないことになっていた。これは日射病熱中症になるわ。あと耳に日焼けによる水膨れができてしまっていて、ハットの重要性を痛感した。この合宿のあと、キャップ派は部内から駆逐された。
上級生ミーティングは、水汲みに行きながら行う(水汲む場所遠すぎる)。その後、全体ミーティングは食事と並行して実施。明日の二年Sの下山を決定。足に不安がある新人Hは双子山の下山の様子を見て、その後を判断することとした。
翌朝の朝食はカルボナーラ↓だったのが、きつかった。味がどちらかと言うと飽きやすいものだったのと、単純に量がとんでもないことになっていて危機を感じた。3・4・5で出発
7:40 双子山山頂
絶好の錬成ポイント。山容はなだらかで歩きやすく、双子池キャンプ場から一本でいける。山頂は平坦で最後の追い込み走が可能という、錬成のために作られたとすら思える山。合宿前から、ここの錬成を少し楽しみにしていた。ということで錬成開始。私はこれまで最後方ばかり歩いていたので、真ん中で歩くことにした。ここで気付いたのだが、2年Mもなかなかに厳しい。本人の言葉を借りれば「トレーナー」だった。彼とパッション担当4年Hが、新人Hをがっつり錬成する形になった。太陽に笹が黄金色に照らされる爽やかな朝に、似合わない怒号が飛び交うということになった。新人Yは昨日と違って調子がよさそう。新人IとMは先頭争いをしている。山頂に近づくと、森が開け、ダッシュポイントが現れる。I、M、Yの3人で、「よーい、ドン」で競争をすることに。スタートと同時に、先輩後輩関係なく、全員が息を切らして全力疾走を開始する。しかし山頂は思っていたよりも遠く、山頂標が見えた頃には皆が失速した。気落ちしたのが明らかに分かって、走りながら笑いが溢れてしまった。ここで事件発生。ズボンがダッシュによってずり落ち、私は前のめりに転倒してしまった。私の屍を越える形で、全員が山頂に飛び込む。後方の新人CとHも最後はダッシュで出し切ってゴール。 山頂からは次に上る蓼科山の端正で大きな山容がみえた。「あれ登んるんか」みたいなこと思った人は私だけではないはず。
6:30 大河原峠 新人Hは下山でも特に問題なさそうだった。本人の意思も踏まえて行動は続行することに。一方で2年Sはここで下山。体調が悪い中で本当によく頑張ってくれた。ありがとう。
大河原峠からは諏訪方面のタクシー会社から距離的に配車はできなかった。従って佐久平のタクシー会社で、下山することになった。これをまだよんでくれている後輩は注意してほしい。
8:00 蓼科山荘 錬成。山荘以後は焦ると危険な登山道なので、錬成はここまでとした。大河原峠からなんと全員が一時間ほどで到着(コースタイム85分)。凄すぎる。大河原峠直後の登りは大岩がごろつくような道ので注意。私は新人Hと一緒に歩くことに。息が上がってしまったり、倒れてしまう癖があるようで大変そうだった。足を痛めているようだが、中々に早いペースで登り、山荘が見えてからの直線では叫びながら全力疾走していった。甘えたい気持ちと頑張りたい気持ちとがせめぎ合っているようにみられて、後ろ姿になんとなく感動してしまった。その後の新人Cもぶっ倒れるように山荘へ突入してきた。皆お疲れ様でした。前のI、M、Yはかなり調子よさそう。Mは昨日指摘したからか返事をよくしてくれるようになって嬉しかった。
9:00 蓼科山 山荘からは皆で歩く。岩がゴロゴロしていて歩きにくかった。山頂付近は人が多い。景色はこれまた抜群に良い。合宿始まってからずっと良い。記念撮影と、ジュースを開放する。例年の錬成合宿なら、ここが最後の山頂なので式典をやるのだが、本合宿はまだ続く。山頂付近で3年Mの恒例?写真を撮影。カメラを向けるといつも両手を広げたポーズをしてくれる。そして周りの皆が笑顔になる。
蓼科山の下山は急登かつ大岩のために時間がかかる。女神茶屋まではコースタイムだと約2時間。これまでだと下山に2倍近く時間がかかってしまうし、新人Hの足の様子も不安だった。しかし新人は皆、下山のコツを覚えてきたのか、思いのほか早く下山できた。しまいには新人Cが、泣き言をいう2年Mの荷物を持つとまで言い出し、成長を感じた。
12:00 女神茶屋 ここで休憩。トイレ付の駐車場もある。距離的には、ここで本日の行程は半分である。ここから八子ヶ峰を経由して白樺湖へ向かう。とてもなだらかで歩きやすく、高原になっていて景色も素晴らしい道だった。しかし、ここもまた素晴らしい錬成地なので、錬成。時間差をつけてスタート。ここまでの行程もかなりきつかったのに、さらに歩かせるのは心苦しかったが、稜線に入ると開けた高原となり思わず走りたくなるような場所で、テンションが上がり、罪悪感も薄れていった。ここから色々なドラマがあったのだが、長くなってしまうのでとりあえず割愛。
八子ヶ峰の名の通り、小さな山が連なったような場所で、越えても越えても山、そして一生走らされるという新人にとっては地獄のような場所だっただろう。
途中からスキー場と合流する。夏の時期のスキー場というのは訪れたことはなくとても新鮮だった。スキー場のトップ付近で休憩を取る。青空と草原、眼下のリゾート地、とても贅沢な場所のような気がして気分の良い時間だった。その後は5辻の分岐まで錬成。殆どダッシュ。2組に分けて競争をさせることに。この女神茶屋からここまでの錬成が、曖昧なゴール設定になってしまったのは反省。全員ゴールまで出しっ切った。
14:30 ゴール地は白樺湖が見下ろせ、これまた素晴らしかった。そしてここからは、錬成合宿のラスボス「車山」が望める。絶望するもの複数名。
16:00 白樺リゾート到着 始めにスキー場を経由した。スキー場を歩いて下るというのは中々面白い体験だった。直線で下るときついので、スキーと同様にくねくねしながら降りる。見晴らしは抜群に良い。もっと女神茶屋〜白樺湖までのルートは知られるべきだと思う。その後は車道と合流。ここまで長距離を歩いてきた足に、硬いアスファルトはかなり響いた。登山靴からサンダルに履き替えてもよいと声掛けすべきだったと反省。
白樺湖周辺は完全にリゾート地となっていて、圧倒的なゴール感があった。そうでないのが悲しい。幕営地は少し登った所にある。私の勘違いで、キャンプ場内で無駄に皆を歩かせてしまい、新人分のザックを運搬することに。手伝ってくれた上級生ありがとう。
次はテントテスト。今度の幕営地は、完全に整備されたキャンプ場で、昨日のスペース不足問題はない。練習時間も取ったから「いける!」と思ったが、踏んでしまって失敗。上級生全員が喝を入れる。2年Mと4年Hはかなり厳しい。こういう言わないといけないことを「嫌われたくない」とかの感情排して言うのは、大変なことだが、部活においてはとても大切なことだと思う。
その場の新人には伝えなかったが、実はキャンプ場から付近のリゾートホテルの無料入浴券をゲットしており、テスト合格したら皆で行くつもりだったのだが、計画は霧散してしまった(泣)。
最終夜ということで、差し入れを全開放する。ココナッツを飲んだくらいしか覚えがない。キャンプ場は大変使いやすく便利で、しかも我々の独占だったので、とても快適な最終夜となった。
翌日は4・5・6で出発。
7:00 「1641」ピーク 幕営地から道路をしばらく歩き、途中から登山道へ。今日はずーと高原地帯で、先が常に見えてしまう状態。これはきつかった。今日は車山までで錬成を終えると事前につたえた(新人Mは信じてない様子)。2本で車山に到着。いずれも時間差をつけて「追いつけ追い越せ」スタイルで実施。
心が折れてしまいそうな長ーい坂が連続する。最終日ということで上級生の声かけにも気合が入る。新人Hは、二年Mと4年Hの手厚すぎる2人態勢で、しっかり錬成されていた。そのうち後続の新人が前を抜かしていく。トップでゴールしたのはYだった。全員がとんでもない速さで1641へ到着。上った先で最後の錬成箇所である車山が見えた。近いのに、とても遠くに見える。
8:30 車山山頂 C→H→Y→I、Mの順でスタート。これが最後ということで皆気合が入る。それ故かスタート直後は皆速い。原っぱなので、先行者が常に見えるような形となり、失礼ながらレースとして見ごたえのあるものになった。私はI、Mと一緒に歩く。
声を出し過ぎて、山頂に到着する頃には枯れてしまった。「離れんな」botと化して歩く。上級生全員が、全力で声掛けをし、新人が返事で答える。とにかく激熱な時間となった。途中でザックにつかまらせるなどした。Y、I、Mのトップ争いは手に汗握る展開で、追いつたり離されたりを繰り返した。Yが疲労のあまり、頓珍漢な方向へ坂を登ってしまい、失速。IとMの争いに。レーダーから山頂標までは平坦、つまり最後のダッシュ。IとYが順に飛び込む。4年Hは全力のあまり、ここで足を捻挫する。残りの新人もどんどん走ってくる。皆倒れ込む。新人Cのゴールは全員が応援しに出迎え、胸が熱くなった。
車山山頂は別名「霧ヶ峰」の山名よろしく、真っ白だったが、全員がゴールすると祝福するかのように、徐々に晴れていき、素晴らしい景色を見せてくれた。ここら辺で、意外と人が多いことに気付いてしまう。
山頂で一時間弱は休んだか。記念撮影をしっかり行う。
11:00 北の耳 車山からここまでのみちは、分岐が多いので注意深く歩く必要がある。景色はこれまた素晴らしい。目に映る全てが気持ちのいい原っぱで、眺めていて落ち着くような感じ。歩いていてとても楽しい山で、下に目線を落とせば、綺麗な花が咲いていた。ここに蝶が舞ったら「天国」だなーとか思った。高原中央に「蝶々深山」という山があるらしく、命名者のセンスを感じた。右手は白樺湖と蓼科山が見え、さらに奥にはこれまで歩いてきた八ヶ岳がある。合宿の最後としてはこれ以上ない景色で感動。
北の耳で式典。4年Hは足が痛むよう。3年Iがダブルザックをしてくれてとても頼もしかった。ゴール付近の八島ヶ原湿原はとても綺麗な場所だった。そして全員が無事にゴール。新人はほんとにお疲れ様でした!
上諏訪駅へタクシーで下りる。その後は温泉に入る。片倉館というところに行ったのだが内装がお洒落。テルマエ・ロマエの撮影にも使われたらしい。私はその後に二郎を食べた。
色々とあったが、良い錬成合宿になったと思う。
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