75代年間方針『成長』

 

2021/2/10-14 72代プレ春合宿吾妻連峰

活動報告(山)

メンバー
A隊
L 3年新居 SL 2年大佐古
2年上釜
1年倉澤、野本

B隊
L 3年佐藤 SL 2年小林
2年江森、田中、中島
1年山下

ルート
2/11 グランデコリフトトップー西吾妻小屋
2/12 西吾妻小屋ー中大巓ー明月荘
2/13 明月荘ー昭元山ー家形山ー慶應吾妻山荘
2/14 慶應吾妻山荘ー高湯温泉

気象
2/11 雪のち曇り
2/12-14 快晴

2/10C0
 16:30に大宮に集合する。チャリ隊の柿﨑と古橋が差し入れを持って見送りに来てくれる。久しぶりの合宿だが、忘れ物等なく無事にスタートする。
 乗りなれた東北本線を北上し、郡山、そこから磐越西線に乗り継ぎ21:30猪苗代駅。街なかから既に雪が積もっており、行く先が少々不安に思われる。打ちつける風と雪がひどく、シュラポンはきついということで駅前でビバークする。近場の駐輪場は除雪されず使えない。人通りはそこまで多くなかった。

2/11C1
 相変わらず濡れ雪が降る中、諸々を撤収し、駅ナカでグランデコ行きのバスを待つ。待機中に、会津若松在住の57代春田OBがお見送りにいらっしゃる。差し入れもいただき、これからの行程気合十分。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 7:45のバスに乗ってグランデコに向かう。到着したのは9:00手前。山下が微妙に腹を下すが、それ以外は元気。西風の雪。体操等を済ませてゴンドラに乗る。ゴンドラは狭めなので1機に付き2人が限界。またゴンドラは一回券が2枚必要なのでリフトトップまでは計3枚(一人あたり)チケットが必要だった。
 シールを装着して、10:10リフトトップを出る。建国記念の日ということで休日を利用したハイカーも多い。西大巓までで少なくとも4組とすれ違った。トレースがしっかりついていたことで、72代冬合宿の登りよりもいいペースで登る。トレースがなければ1.5倍の時間がかかっていただろう。延々とガスがかった樹林帯を上がると西大巓が現れる。西大巓から西吾妻小屋まではクラストする雪面、また低木の中を苦労しながら進む。今回県境より北にルートをとったが、東をとったほうが歩きやすいかもしれない。西大巓以降で少し手間取るがそこを抜ければ小屋は比較的容易に見つかる。
 事前情報から風が強いということでこの日は小屋を利用する。1階部分も埋まることなく、ドアがすぐ空いた。この日の利用者は我々(11人)のみだったがあと7人程度はまだ余裕そうだった。トイレは汲取式が2つ設置。ドアが微妙に締まりづらいので注意。外だとドコモが4Gで入った。

行動時間3h10m(予想行動時間5h)

2/12C2
 気象が安定しているということで6:00に出発する。起床から2時間でしっかり出発できるのは気持ち良い。出発時は微妙に暗いがすぐ朝焼けが世界を染める。光の中ですべてのルートがよく見える。西吾妻山の時点で中大巓までは容易に臨むことができた。0℃程度と暖かく、レンチレーションやウェアリングを駆使し、体温調節に努める。中大巓までで一本をとるが、想定より非常に早く幕営地に到着することが見込まれたため、30分強スキー練習をする。結局合宿を通じて十分滑走できたのはここのみだった。傾斜もきつくなく景色も良いのでおすすめである。
中大巓の右側人形石からはだだっ広い尾根をのんびり歩く。快晴だからずんずん進めたが、視界が悪いと不安だっただろう。特段道迷いするところもないが、明月荘に向かうため北東に折れる箇所がツリーホールのオンパレードで歩きにくい。9:30明月荘着。想定の半分で行程を終え、時間ができる。テント設営後、大佐古主導でプローブ、ビーコンの使い方を復習する。JANの雪崩講習で得た新たな知識も還元され、興味深かった。その後縦穴式、横穴式それぞれで雪洞も作る。風を防げば寒くないことがわかった。6人が身をうずくまれるだけの雪洞は、20分で一つ作ることができた。ただいざという時のためにもう少し練習しても良かったと感じた 雪遊びしたり、テント干したりと思い思いに過ごし、食当夕食に至る。A隊もB隊も何かしら差し入れがあり、楽しい。この日はソーセージだった。全ミを各隊で行い、21:00就寝。明月荘では大手3キャリアすべて電波が入らなかった。

行動時間3h30m(予想行動時間6h)

2/13C3
 高気圧が張り出し気象は安定しそうだということで4時起床、5時飯、6時発(通称シゴロ)。撤収に手間取り10分程度遅れてスタート。まずは中大巓を目指す。想像より東面に雪庇が張り出していた。樹林帯より西は可能な限り歩かないのが無難。朝日が雪原に映える。東大巓先のポコをうまく巻き、昭元山手前のコルに出る。このあたりはシュカブラとツリーホールが連続し歩きづらい。A隊のトップとリーダーが連絡を密に取り、極めて忠実に1800mの等高線に乗り続ける。鏡沼のコルに出ると台形の烏帽子岳が聳える。烏帽子頂上付近は雪が飛び無くなっていた。烏帽子の南も忠実に1800を維持し想定より早く抜ける。ニセ烏帽子でトップが替わる。相変わらず樹林帯をひたすら抜ける。尾根を外れただけでルーファイ(ルートファインディング)は格段に難しくなる。GPSとにらめっこしながらなんとか抜ける。兵子は岩山。家形山は頂上が平坦なためこれまたルーファイが難しい。どの地点で合わせた角度かは都度確認しながら歩かないと、目的地にたどり着くのは容易でない。家形山10:30着。ここで式典を行い、20分強休憩をとる。氷結した五色沼や下界がよく見えて非常に気持ち良い。
 家形山の東にあるポコへは急斜面を通る。連日の晴天で雪質も水分を多量に含み、端的に滑りづらい。今回はシールで滑降したが、ツボ足/シートラも可能性としてはある。また家形山東のポコは積雪がなかった。厳冬期の吾妻では尾根上の雪が飛んでしまうのだろうか。一本トレースがあり一切経山に抜けていた。ポコから吾妻山荘へは登山道沿いを少し外れ、東の沢を走る。ただ支流が幾つも走っており、ルーファイに苦労した。雪質も北面にしては想像より良くなく水分多め。また河床にホールが一箇所あったということで尾根に取り付きながら下る。70代とは異なり、自動的に到着することはなかった。
 12:30慶應吾妻山荘着。山荘手前に3張りとり、休憩する。寝転がる者、服を干す者。幸運なことに慶應吾妻山荘管理人の方々がいらっしゃり、トイレを貸していただく。また旧あづまスキー場に関する詳細な情報も頂いた。結局そちらを滑ることはなかったが、この場を借り御礼申し上げる。ありがとうございました。
 合宿の難所を越え、ペミカンカレーもいつもより美味しく感じる。オリオン座はこの日もはっきりわかった。21:00就寝。大手3キャリアは繋がらなかった。

行動時間6h20m(予想行動時間8h)


2/14G
 合宿前予想天気図でこの日、南岸低気圧の接近が予期されていたが、緩い前線に化けてしまい、結局高気圧に覆われて晴れ。幸運である。なお13日未明、福島県沖が震源の最大震度6強の地震があった。目覚めてしまった人も多いようだった。地震についてはラジオや管理人の方から情報を得た。下界は影響が大きかったが、山は何もなかったため通常通り動く。この日もシゴロで行程を開始した。撤収は全員15分を切り成長が見られた。ただポールを折るミスがあったのは反省。最終日だったのは不幸中の幸いだが、今後気をつけなければならない。
 賽河原(さいのかわら)まではトレースがはっきり残りルーファイに苦労しなかった。方角や地形変化も比較的分かりやすく読図にも良い。東面ということで朝も早く、行動開始時には空が白んでいた。
 ここで山荘の管理人さんから頂いた滑走情報を共有する。賽河原北西に1318mに至る広尾根が伸びているのだが、1318を起点に高湯まで降りることができるとのこと。旧あづまスキー場跡地ゆえ(10何年前に廃業)、リフトの柱が残りそれを追っていけばものの20分あれば滑降できる。ヤマレコ等にも当該跡地を利用したルートがあるので参照されたい。
 事前の情報共有時点では賽河原までシール滑降で進もうと考えていた。ただ雪質が悪く登り返しもあることから磐梯吾妻スカイラインと合流する1140m地点まではシールのまま進んだ。また計画だとそのまま登山道を下ろうと考えていたが、雪崩を回避するため斜度のきつくなる当該地点から吾妻スカイラインを滑走した。スカイラインは冬季閉鎖中で、高湯温泉のゲートまでは除雪されていない。ところどころ緩い登りがあるため新雪の後はおすすめできないが、しまった雪であればある程度滑走はできる。途中で旧あづまスキー場ともぶつかっており、そちらに入ることも可能。今回一部だけ跡地を滑走したが、残念ながら雪質はそこまで良くなかった。9:00高湯温泉のゲート着。高湯温泉までは今季初のシートラで行った。9:30行程終了。お疲れ様でした。

行動時間3h20m(予想行動時間6h)

終わり
 何度も言及しているが今回の合宿、非常に天候に恵まれた。初日を除けば前日が快晴で、懸念していた南岸低気圧もどこかへ行ってしまった。下山後、日本の南海に発生した低気圧で(南岸低気圧が遅れたのか?)土砂降りだったことを考えれば、ドンピシャだったと言える。吾妻は冬型がきまった時、強烈な北西〜西の風が吹く。今回それをほぼ体感しなかったのは一周回って残念だったかもしれない。多分に運に依る点も多いが、1年の行動•幕営技術、2年のマンパワー、3年の行動判断に成長が見られ良い合宿だったと言えるのではないか。次のpw-ing、八甲田合宿に向けて装備破損等の反省を活かしていく。
 なお、今合宿前に合宿期間と女子部員の月経期間が被った場合の対応をどうするか検討した。取れる手段には、①合宿期間をずらす、②該当部員に月経を遅らせる薬を摂取してもらう、の2つがあると思われる。今回は天候判断から合宿を後ろにずらすのは得策で無いと判断し、本人の同意のもと②を採った。隊の行動にとっても、本人の精神身体状況にとっても、合宿期間と月経期間を被せないメリットは大きいと思われる。今回試験的に薬代の一部を合宿費から計上したが、議論は様々できるだろう。競技スポーツで度々遡上に上がるこの話題を山岳界はどうしているのだろうか。

佐藤

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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