【はじめに】
人生と山登りには3つの坂がある。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」である。
今年の正月は冬山で多くの遭難事故が起きた。彼らにとっては登っていた坂や下っていた坂がいきなり「まさか」に変わってしまった。「まさか自分達が遭難するとは思っていなかった。」などと言うが、果たしてそこにはどんな理由があるのだろうか。
それでも人は山に魅せられ、今日もまた山に登る。バックカントリーブームで冬山に入る人口も年々増えていると聞く。登山とは登って下るだけではないのだが、登って下って帰ってきたいものだ。
【終わり】
朝日新聞の『天声人語』に感動して、真似事をしてみたくなったのですが、あまり上手く行きませんでした。
さて、64代プレ春合宿が無事に終了致しました。両隊とも下山していることのことですから、今週中にはβ隊の報告もこのブログにアップロードされることと思います。
本当は新人達の感想も聞きたいのですが、彼らは「長めに書いてね」と言っても、様々な内容を簡潔に書きすぎる癖がありますので、ブログの長さに(良し悪しは別として)定評のある私が書き起こしたいと思います。
2月8日(金) 出発日
高田馬場駅には多くの人が集う。見慣れた光景である。その中に、異彩を放つ集団がいた。
巨大なザックにスキー板。スキーウェアと言えば聞こえは良いが、そう例えるには少々気骨な格好。11もの巨大な荷物が自動販売機付近に纏め上げられ、2つの輪になって何やら書類を広げている。彼等は一体何者なのか。
私たちです。はい。
α隊、β隊同時集合ということで、現役部員全11名が勢揃い。多くのOBOGの方々が見送りに来て下さる。多くの差し入れを貰い、1年生部員は大量の差し入れに対して顔をクシャクシャにして喜び、クシャクシャの顔のまま(主にF田が)ザックと格闘していた。
私達は電車で池袋に向かい、サンシャインシティのバス乗り場へ移動する。スキーバス乗り場は人でごった返していた。なにせ今日は3連休前の金曜日。混雑するのも納得出来る。あまりの混雑で遅れているバスを待つ。やってきたバスに乗り込むべくザックを預けると、運転手さんは(私たちにとっては)いつもの調子で、「こんなにあるの!?」と驚いていた。いつもながらにスミマセン・・・。
バスに乗り込んでからは即睡眠・・・と言いたいところではあるが、私は夜行バスではあまり眠れない。浅い眠りを繰り返し、ぼーっとする頭でアナウンスされた目的地に到着した。
2月9日 行動1日目
天気は意外と良いようだ。差し入れなどで朝食をとり、着替えも済ませる。時間的にリフトの方が早いと判断され、リフトの運行開始を待つ。
1年生になって初めての合宿であるが、H間がいきなりサングラスを壊す。原因不明。個人的にはプラスチックの加水分解によるものであろうと推測される。たまたまスキー場で販売されていたので良かったものの、装備管理は気を付けなければならない。
リフト下で体操等を済ませ、リフトに乗り込む。1年はザックと共にリフトに乗るのは初めてということで、教えながら乗り込む。一緒に乗ったH間はこれからの行動にワクワクドキドキなのだとか。私は安全に1年生を錬成することに熱意を燃やす。
リフトを乗り継ぎゲレンデトップに到達。土曜日ということもあり、沢山のバックカントリースキーヤーが集まっていた。
黒姫山外輪への登り。この後も多くのスキーヤーは軽装(ピストン装備)&ファットスキーでガンガン登っていく。
旧ゲレンデの斜面を登っていく。1年F田は転倒のリカバリーによって既にバテ気味。
A木さん「F田~遅れるな~」
F田「・・・(ハァ)・・・(ハァ)・・・はい・・・。」
ゲレンデを超えて山の中へ。先行パ^ティーのトレースを利用させてもらいながら登る。
A木さん「F田~大丈夫か~?」
F田「・・・いや・・・はい・・・。」
後ろから花唄混じりに歩いて来る1年H間
この日の幕営地。幕場としては結構快適。
1年生2名は読図に慣れていないようだった。俯いたまま行動しているため、周りの地形の変化が見れていないのと、行動に余裕がなく、地図を見ていないのが原因だ。この合宿で身につけてもらわないと来期の新人指導に影響が出る。厳しめの言葉をかけて明日以降に期待する。9時就寝。
2月10日(土) 行動2日目
5時起床。食事を済ませて撤収開始。ザックをテントから出したところ、前室に炎布が落ちているのを発見する。団体装備の食当道具一式を管理していたF田を一括する。シール装着時間抜きで25分という時間設定。H間は10分以内にパッキングを済ませていた。対してF田は30分以上かけてやっと終わった。団体装備の量も殆ど変わらないし、ザックは全く同じ物。出来ないわけがないのだが、これはあまりにも遅すぎる。厳しく指導する。
朝日の眩しい黒姫山外輪。こんな綺麗な景色が見られるのも冬山の楽しみの一つ。
黒姫山山頂にて。標識等は無かったが、周囲の地形とGPSで判断出来た。
この日、F田の機嫌とザックは朝から斜めのままであった。
リミットが切れたので、佐渡山へのサブプランを決行しようとするも、弱層テストを行なった付近のアイスバーンでF田がザックを流したり、全然立てなかったりで時間がなくなり、下りにもかなり苦戦していたことから諦める。またワンダリングなどで行こうと誓う。
休憩時、雪と戯れる2年生。この後、1分でリカバリー完了。
その横で転倒し、自身のザックに辿り着けずに悶え苦しむ1年生。バテ過ぎて、ザックを背負うまで20分かかった。
この日の夕食はペミカン入りハヤシライス。個人的には一番好きなメニューである。差し入れのソーセージが有難い。
冬合宿からの改善が見られない部分も多々あり、全ミでの反省は相変わらず厳しい。無論、厳しくしているのは私だが。事故を起こさせるわけにいかないので、冬山で人を待たせることの危機感を持たせるべく指導を行う。
メリハリをつけるのがワンゲルの良いところだ。全ミが終わったら他愛もない話をしたりして就寝という流れなのだが、9時就寝なのに8時前には皆シュラフに入っていた。「寝のボート隊」が半数を占めるこの隊では、時間があれば寝るという思考が強く働くのだった。
2月11日 行動3日目
5時起床。天候も悪くはなく、撤収も問題なかった。(問題があったら大問題な時間設定であったが。)最初はなだらかな道が続き、1時間で大分進む。
高デッキ山への急斜面はスキーアイゼンを装着して登る。
濃い樹林の中を歩く。これが意外と楽しい。
1年生同士で読図の確認。この後、F田は「さっきの読図、自分のほうが合ってたんじゃないんですか!?」と噛み付いてきたが、行動時間と周囲の地形、高度計にGPSと証拠が出揃っていたので1年生敗北。
高デッキ山山頂。視界こそ悪かったものの、登り切った達成感で笑顔になる。
高デッキ山からの下りで転倒するH間。今合宿初転倒。
高デッキ山からの下りを終えて、瑪瑙山とのコルに到着。広い雪原に気分上々。
休憩していた雪原から瑪瑙山を望む。遠いなぁ・・・。
瑪瑙山の登り。天気も良く、斜面も急で暑い暑い!
瑪瑙山山頂から10mの距離にリフトのゴール。ゲレンデに遊びに来ていた人達の注目を浴びる。
瑪瑙山山頂にて。ハイペースで登ってきたので実はまだ午前11時。
時間も余ったのでビーコン捜索練習。写真だと分からないが、風が強くて寒かった。
この日は最終夜!今期からお酒は無いが甘い紅茶ばかり飲んでいた私たちにとって炭酸飲料は神の恵み!
合宿恒例「有難いお言葉」のコーナー。1年生からの感想に対して2年生が熱いメッセージを届ける!3日間頑張って考えていたのだが、彼らには伝わっただろうか・・・。彼等の今後の成長に期待する。
片付けを行って9時就寝。
12月12日 最終日
5時起床。撤収なども問題なく済ませ、出発。飯縄山(別名:飯綱山)に登る。この登りも比較的急で、板を外してツボ足で歩くこともあった。
飯縄山山頂にて。後方に聳えるのは北アルプス。
ここまで頑張ってきた1年生2名。 あれ?厚着し過ぎじゃない・・・?
という上級生のリクエストに答えてくれた2人。ビーコンを着けているから雪崩に遭ってもちゃんと探せます。
後輩の服を持ったまま全力ダッシュで逃げまわる2年生と追いかけても追いつけない1年生。スキー板履いてます。
山頂から歩いて15分。飯縄神社に到着。鳥居が埋まっていました。
飯縄神社からの滑降。雪質は良くなかったが、景色は良かった!
樹林の中のツリーラン。ちょっと樹林が濃すぎるか・・・。
鳥居があったので、とりあえずくぐってみる。
プレ春合宿終了!お疲れさまでした!
まずは、合宿が無事に終わって何よりという感じです。部内でのスクーリングや講習会で得た知識、そして重ねてきたミーティングによって今合宿を無事に終えられたのだと思います。
今週末は妙高高原の山小屋でスキー祭りです。3年生のY村さんは既にプレ春合宿から直行で山小屋に入り、雪かきをしてくれています。現役からは私と1年のO平、F田が参加します。ガンガン滑ってスキー技術向上を目指します!
それでは、今回はこの辺りで失礼します。
私が書く次のブログのタイトルは「ワンゲル部員の山小屋日記~スキー祭り~」です!!
2年F永
プレ春合宿お疲れ様でした。
F田くん、オレと同じ匂いするわ(笑)
山スキーはどうしても得意・不得意が出てしまいます。
自分が全然できないからといって落ち込みすぎないように。
一生懸命頑張る姿を見せ続ければ、先輩たちは手を差し伸べてくれます。
私も2つ上や1つ上の先輩方にはずいぶんとご迷惑をおかけし、
お世話になった過去があるので…
どうぞ折れずに頑張ってください。
コメント有難うございます。
F田君は最終夜で「積雪期で同期に負けないものを身につける」と宣言してくれていたので、
今後の成長に期待したいと思います。
これから彼とスキー祭りに参加してきます。こういう積極的姿勢が彼の良いところです。
いつか開花してくれると願っております。