63代冬合宿 妙高外輪ツアー 2011/11/28-30

山スキー

12月28日
さて、いよいよツアー当日。我々は冬合宿で1週間のスキー練習を終えてきた。青木の友達や、内山の友達がサンタクロースとしてやってきたクリスマスパーティーがありと様々な合宿を越えてきたのである。
ツアー当日も起床後はいつもと同じように朝食。大きなザックが山小屋の土間に並べられているので、やはりツアー当日なのだと気合が入る。ザックが大きいせいか、いつもより若干時間がかかりつつ山小屋前に集合。新人の4人は、どちらかというと不安なようだ。今年の新人4人は、とてつもなくうまい人も、とてつもなく下手な人もおらず、リーダーとしては大変やりやすい。出発するときから、妙高外輪からの滑降が楽しみである。体操を終え出発すると、山小屋キーパーをお願いしている62代の若林恵一朗さんが途中まで見送ってくださる。恵一朗さんはクリスマス前から山小屋に来られて、練習にも参加して頂いている。最上級生が(急遽)3人のため、大変ありがたい。
新人は昇格式で歌う安曇節の練習をしながら進む。吉村の安曇節は新人にとって良いお手本となる。もちろん、読図も。林道の段階では無積雪期と変わりはないのだから、確実に当ててもらいたい。今年は、去年に比べて降雪が多く、ほとんどの日で雪が降っていた。そのため、林道を越えるとラッセルに苦労するようになる。新人も混ぜつつ、ラッセルを交代しながら進む。今回は、テントごとで無線を使って交信しながら進む。とはいえ、登りでは大きな差が空くこともないので、問題を感じるようなこともない。ラッセルはきついものの、今日が晴天で気合が入るからか、ペースは例年通りだ。ルートは例年と同じところを来ているはずだが、毎年利用している幕場が見当たらない。適当なところでC1とする。到着後は設営。赤倉に遠征していた時に、テントが除雪車の除雪した雪の下敷きとなってしまい、破損して使えなくなってしまった。幸い、テストのために遅れて山小屋入りする部員に頼むことができたが、それがなければ合宿に大きな支障がでていた。冬合宿はほかの合宿とは異なり、下界要素が大きいのでいろいろと気を使う必要がある。
遭難対策シミュレーションは時間の都合で1回しかできなかった。毎年のことながら、準備にも時間がかかってしまい、時間がおしてしまう。ただ、両パーティーとも目標タイムの20分を切ることができ、61代から始まったこの取り組みも、部にしっかりとしみついてきているように感じる。食当は、休養日に部員全員で作ったペミカンを使って作る。昨年度から、ペミカンの効果を上げるためにレンコン、ゴボウを使ってペミカンを作っているが、食感が通常に比べて生まれ、ご飯が進むように思う。今晩降り積もらなければ、明日は今日のペースでは進めるはずだ。21時就寝。

 

12月29日
5時起床。今日は妙高山外輪へ。妙高山外輪までは、毎年のことながら藪と急登が行く手を阻む。ラッセルはなるべく短いスパンで交代する。去年はラッセル隊とその他の隊を分けたが、今年はα隊とβ隊が1時間ごとにトップを交代して進んでいる。だが、次第に傾斜がさらに増していき、全隊でラッセルを回しながら進むことに。ここで気になったのは、今年から部員も導入した「吸盤で貼りつく」タイプのシールがすぐにはがれてしまうことである。立山のワンダリングでもはがれたことがあったが、その時はたまたまだということで対処。しかし、今回も慢性的にはがれてくる。取扱いについて、今後検討の余地ありだ。全員でラッセルをするからか、なかなか良いペースだ。部員の体力に大きな差がない場合には全員で交代するのが良く、差が大きい場合はそこでラッセルをするのが良いのだろう。妙高山外輪にはなんと10時前に到着!3年間で最も早い到着ではないだろうか。天候に恵まれたこと、C1が例年よりも標高が高い位置であったことが挙げられるが、やはり部員全員の頑張りがここに全員で到達できた理由なのだ。天候は朝よりも曇ってはきたが、妙高山の様子はしっかりと拝める。この外輪から見る妙高山山頂は、部員ならだれもがNo.1といってもらえるだろう。
式典や、個人写真を撮影するといよいよ滑降。妙高外輪からの滑り出しは、新人にとっては傾斜もあり、先が見えにくいのでかなりの恐怖感があるだろう。2年前の自分を思い出す。だが、今年の新人は割と慎重派が多いのか、ゆっくりとこけないように滑っている。もっとも、新人はどれだけ慎重に滑ってもこけるもので、こけると2年生は駆け寄って励ます。稜線付近は木も少ないので、こけても比較的立ちやすい。長谷川はボーゲンの姿勢を崩さず、一度もこけないと意気込んでいる。福永はこける回数は少ないものの、こけるとリカバリーに苦労している。今後の積雪期で苦労しないためには、素早く楽にリカバリーをする技術が必要だろう。幕場には昼前に到着。我々α隊は早く到着したが、後ろのβ隊は少し苦労しているようである。九州大分出身の新人笠井はスキー場ではスキーを難なく滑れるレベルにはなったが、山ではほかの新人に比べて苦労しているようだ。
無線での連絡が1時間に1本では、向こうの状況もわからない。とりあえず、幕場でかき氷を食べながら待つことにする。β隊も昼前に到着した。食当まで時間ができたが、「幕営生活」も積雪期の楽しみであり、それを共有したいという積雪期のテーマにのっとり、フリーとする。雪洞を掘って楽しむものや、テントでパパリコにいそしむものなどがいたが、雪洞組の2年生はもう少し新人といっしょに楽しむ姿勢を見せてほしかった。食当は気象通報にあわせて16時から。夕食、ミーティングのあとは、最終夜。α隊のテントは比較的飲食物が充実していた。尾形が仙台で買ってきた牛タンはβ隊のテントにばれないようにα隊で美味しくいただいた。一方で、β隊のテントでは酒が足りないと渡部が不満を漏らしていた。α隊には十分すぎる酒があったのか、尾形は翌日気持ち悪そうだった。新人の感想は、明日の昇格式で聞くことにする。

 

12月30日
下山日。昨日の滑降ではα隊とβ隊の間が空いてしまったので、あまり間を空けないように注意し、無線での更新も1時間に一回から20分に1回にした。下りは新人のこけ具合によってペースが大きく変わるので気を付けなければならない。開始早々、長谷川がこける。2年生はむしろ嬉しそう。私もうれしいのである。新人は新雪全装でこけて強くなるのかなと思う。ぜひとも、長谷川にはこれからもこけてほしい。福永はバランス感覚の問題か、よくこける。そして、リカバリーには昨日以上に苦労している。リカバリーで疲労し、さらにこけやすくなっている悪循環に完全にはまっている様子である。β隊の佐々木や笠井も、α隊よりも後ろにいるところを見ると苦労しているようである。
オバケ平からは再びシールを付け、シール歩行。吸盤組のシールはよく外れる。新人福永のシールも外れてしまい、本人は焦ってしまう。気持ちはとてもよくわかるが、焦ってもいいことはない。どの学年でも当てはまることだろう。林道からは快適に滑れる予定であったが、新雪が多く傾斜が緩いため勢いがつかない。なかばシール歩行のような状態で進み、山小屋へ到着。すでに、61代62代の方々は山小屋に。夜には、たくさんのOBOGの方々と共に昇格式。笠井は入部してから間が無く、まだまだ経験が不足しているため昇格は先になったが、他の3人は昇格。各々の思いを聞くことができた。これから先も、ワンゲルの活動を存分に頑張ってほしい。積雪期の滑り出しを新人(1年)の笑顔で締めくくることができた。
 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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