240730-0803 75代夏合宿1R沢・ポロシリ降り立つ、プテラノドン隊

沢登り

【メンバー】L4年高橋、SL3年山崎、2年水野

【行程】

7/30(火)成田空港S=新千歳空港=帯広駅C0
7/31(水)C0=びれい橋ー八ノ沢出合ーCo995m付近・左岸C16h
8/1(木)C1ーBカールー戸蔦別岳ー七つ沼カールC27h
8/2(金)C2ー幌尻岳ー戸蔦別岳ーBカールーCo995m付近・左岸C310h
8/3(土)C3ー八ノ沢出合ーびれい橋G

5h

詳細な時間経過についてはこちら↓

https://yamap.com/activities/33511084

【行動省察】

7/29(月)

 22:00頃、成田空港に続々と集まる。明日の飛行機の時間が早いせいで、結局全員が成田空港に前乗りする。格安航空で格安に帯広駅へ行く方法は、早朝の飛行機で新千歳空港に行き、そこから高速バスに乗るものと結論付けていた。

 係の確認から、明日以降の動きまで確認して、第3ターミナル2階のベンチでビバークする。明るすぎるのと椅子が硬いので寝にくく、あまり良い睡眠は取れなかった。

7/30(火)

 朝5時に起床し、7:20発の飛行機に乗る準備を始める。松屋が朝5時から朝限定メニューを提供しており、山崎以外はこれを食べる。飛行機の搭乗手続きは6時頃からスタートし、人が少ないのもあり、全員スムーズに荷物預けや保安検査を終える。格安航空だからだと思うが飛行機にはバスで向かい、一瞬滑走路を足を着ける。

 飛行機の座席の座り心地はザ・格安航空といったところで、私は常に前の座席に膝がついていた。仕方ない。

 新千歳空港に到着後、熊撃退スプレーを購入できる場所を探す。実は夏合宿準備の段階で入手できていなかった。新千歳空港内にあるかも、と思っていたがそんなわけなく、結局帯広駅付近の釣具屋に電話し、取り扱いがあることを確認した

 これで一安心。高速バスの時間まで自由時間とする。各自昼ごはんは食べるように、と伝え、藤田以外の3人は一緒に味噌ラーメンを食べた。藤田はスープカレーを食べたらしい。

 高速バスは新千歳空港ー帯広駅間を走る「とかちミルキーライナー」というバスに乗車。これ以外にも、旭川駅ー帯広駅間を走る「ノースライナー」などがある。比較的安くて快適なのでオススメ。

 帯広駅に到着。すぐに、ヤマト運輸に行ってEPIガス缶を受け取る2人(山崎、水野)と、釣具屋に行って熊撃退スプレーを買う2人(藤田、自分)に分かれてミッションを遂行する。

 熊撃退スプレー購入隊はかなりスムーズに事が進み、釣具屋の看板犬と戯れつつ購入できた。店主のおじさんから厳格な感じで「山に入るのか?」と聞かれ、恐る恐る「はい」とだけ答えた。やはり熊が怖いから山はおすすめされないのだろうと思った。

 その後、一応銭湯に入りスーパーで明日の朝ごはんを買って、高架下で就寝する。藤田の不参加は高架下で寝ようと動き出す前に決定した。

7/31(水)

 4時に起床し、5時に帯広駅からタクシーに乗る。運転手の方が親切な方で、前日にびれい橋の下見に来てくださっていたらしい。こんなところにタクシーを呼ぶ人間は居ないのだと察する。こんな山深いところに入っていくことに恐怖しつつも、その先にある景色に期待する。

 びれい橋の少し先に複数台駐車できるスペースがあり、そこから行動を開始する。薮がすごいので、もうここから沢靴に履き替える。

 八ノ沢出合までの林道歩きは、かつては車が入れていたものの、いつしかの台風によって荒廃してしまった道を歩く。薄気味悪い。このせいで最近は戸蔦別川に入渓する人が減っているらしい。

 ピンクテープはある。ただ、(あまりよく分からないが多分)電力系の設備の前まで。その設備のところには大量にピンクテープが貼られていて、これまた薄気味悪い。ピンクテープを貼って下さっている人が、目的地に着いちゃっも余っていたテープを全部貼ったのだと思う。

 八ノ沢出合の少し前、崩落地のあたりで入渓する。地形図上で2つ崩落地があるのだが、両方通過してからの方が入渓しやすい。行きは2つのうち下流側の崩落地を強引に降りてしまったが、帰りは前述の通りに脱渓し林道に入っている。(上に記載のYAMAPの記録参照)

 入渓後は少し歩いてみて、なんとなく面倒臭そうな河原歩きが始まりそうなので、沢装備を全て装着する。今回は浄水器としてmont-bellのものを購入しており、浄水スピードが早くて便利なので、あまり多く飲み水を持たずに済む。一本取るごとに水足りなくなったら足すだけやから。

 戸蔦別川本流の下流域は釜ノ沢にも似た河原歩きであるが、戸蔦別川下流は水量が多いのでそう簡単ではない。今回は恐らく増水しており、渡渉時はスクラム渡渉まではしないが慎重に渡渉した。

 Co995m地点までは河原歩きメインで巻くことはほとんどなく、ほぼ計画通りの時間で幕営地に到着した。

 幕営地はテントが1張ギリギリ張れる程度で、今回は6人用で少しはみ出た。3人なので、テントの中で端の方に固まれば良い。焚き火は少し苦戦したが、そこそこ火はついて就寝。

8/1(木)

 3時半点火で、ゆっくりしてから6時に行動開始した。この日は戸蔦別川本流Bカールでリミットを設けていたが、前日の行動を見て確実にリミットに引っかかることはないと分かっていた。

 Co995m以降は滝が連続する。登る場合には全体的に難しくはなく、巻く場合にはルーファイに注意が必要だった。

 顕著に高巻くのは3回あった。1回目は↓の滝。

 右岸を巻くのだが、低めに巻くとシビアなトラバースが必要になったので、高めにルートを取り直し少々藪漕ぎした。

 落ち口から10mほど進んだところで懸垂下降をして沢に復帰した。思ったより大変だったなと思い、落ち口まで偵察しに行くと、低めの巻きのルートが落ち口の近くに続いていることがわかった。復路はこちらから行こうという話をする。

 2回目の顕著な高巻きはそこまでルーファイに迷わなかった。右岸を登ってからトラバースすると、沢へ復帰できそうなところがありピンクテープがある。沢への復帰はクライムダウンは少し難しく、細引きを出して降りた。

 3回目の顕著な高巻きは↓の滝あたりからいくつか纏めて巻くもの。

 これはルーファイは簡単で、しっかりめの藪漕ぎはあるが途中でピンクテープが出てきて安心する。

 その他は巻くとしても小さく、問題はなかった。ただ大滝はあるので、変に取り付いてしまうと大変そうだなと思った。堅実なルート取りをした方が良いと思う。

 詰め上がりは前述のYAMAPの記録を見てほしいが、Bカールに最短で到着しそうな沢を詰めた。通常の沢の詰めといった感じで良かったと思う。

 その後、突如現れるBカールは圧巻の景色だった。熊と鹿のフンがとんでもない数落ちているものの、やっぱりここで幕営したら快適そうだなと思った。計画時にここで幕営できないものかと思案したがうまくいかなかったのである。

 記念撮影の末、Bカールから稜線へ詰める。見た目の通り、最初は緩やかだが最後は急で浮石も多い。上部は滑落するとかなりの距離落ちていってしまいそうなので注意して登った。

 ここからは登山道で戸蔦別岳に登頂。そして七ツ沼カールへ。

 七ツ沼カールへの道はそこまで悪くないが、急なのと軽く笹を漕ぐところは注意した。

 幕営地は砂の地面になっているところに焚き火の跡があったのでそこにした。水は一応沼に注ぎ込む流水から汲む。沼の水は浄水器を通しても危ないウィルスが入っていそうなので。

 幕営地は快適だが、熊がいそうで結構怖い。翌朝聞いたが、山崎は外に何かがいるんじゃないかと思って眠れなかったらしい。多分焚き火をしっかりしていたので、熊がこっちに来るようなことはなかったのかなと思う。

8/2(金)

 この日は長時間行動になりそうだったので、しっかり3時に起きて5時に出発。早朝は熊が活発に行動する時間帯らしいので、行動開始を早くしすぎるのはやめた。

 とりあえず七ツ沼カールから稜線に上がり、幕営系の装備と沢装備をデポする。荷物はかなり軽くなり、快適な登山がスタート。目指すは百名山の中でも最難関の幌尻岳。

 幌尻岳までの登山道は快適そのもので、多くの人に歩かれている感じがして安心する。自分らが通ってきた戸蔦別川とは全然違う。

 幌尻岳登頂は本計画の目標であり、その達成が目前に迫り素直に嬉しい。さらに晴れてもくれて、ついてるなと思った。暑くはなく、快適な登山になる。そして、ついてに幌尻岳に到着。

 その後はひたすら来た道を戻る。ピストンの沢の遡下降は、遡行時にどれだけ下降のことを考えておけるか、が重要。(遡行のみでも一応エスケープで下降する可能性はあるので気にしておいた方がよい。)

 予定時間と同じくらいで幕営地に到着。C1と同じ場所なので幕営がスムーズ。この日はC1、C2に比べて大きな焚き火ができた。

8/3(土)

 最終日。行程中はまとまった雨が降っていないので、この日は減水しておりスイスイ歩ける。予定よりも時間を巻いていく。

 林道歩き中、4人組パーティとすれ違い話した。びれい橋付近の駐車場に着いてからはソロの方に会った。休日だと意外とあの林道を歩いて入渓する人もいるのかと驚いた。

 これで1Rが終わり。1R登山のメンバーが少しずつ帯広に集合しており、この日は帯広駅で七夕まつりがあって他の隊の人も含めて皆で回り、夕食は一旦の打ち上げで焼肉を食べる。2Rまで帯広でゆっくりした。お疲れ様でした。

【計画省察】

 今合宿は3R×3隊にしている関係で6日間の中で安全に下山しなければならず、ピストンの計画になった。人数が少ないため不安もあったが、例年の夏合宿の強度・難易度に近い印象を受けた。この山域には易しめの沢が意外とあるので、北海道ワンゲルの方々が長いルートを引いて合宿されているのでそちらを参考にしつつ、もっと壮大な計画を作成してみるのを薦めたい。少なくともC4くらいしたい魅力的な山域であった。

【感想】

 初めて沢で3泊もしましたが、やはり焚火が最高で、全然不快感がありませんでした。日高山脈が最近国立公園に認定されたと幌尻岳山頂で知り、やはり最高でした。by水野

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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