奥秩父 滝川水晶谷 2008/5/3-5

沢登り

 

期間  2008年5月3日-5日
地域  奥秩父 滝川水晶谷
メンバー  L池田 SL佐藤穂 元木 53代倉本OB
主旨  新緑、奥秩父の銘渓を往く -夏合宿への布石第一弾・上級生の経験値UP-

 


 

 5月3日(晴れ)
トンネル15:30-16:15滝川・豆焼沢二股C0

 

 12:30 に私と池田・穂高が西武秩父駅に集合。駅近くの名物(?)ワラジカツドンを食した後、元木と合流する。秩父鉄道のお花畑駅から終点三峰口へ。予定では三峰口からバスに乗り、秩父湖経由川俣で下車し、徒歩で天狗岩トンネルに向かうつもりであったが、滝川の出合で焚き火がしたかったので、タクシーで天狗岩トンネルへ(7280円)。

15:30 天狗岩トンネル到着。ここから滝川に下るのは、地形図上の登山道を下るのだが、ほぼ廃道になっており、判りづらい。トンネルの少し手前のふみ跡から下る。急斜面で、少々嫌らしい。
20分ほど下ると、おそらく旧道であろう明瞭な道に出る。小さい尾根沿いに下ると、滝川・豆焼沢の二股に繋がる道がある。トラロープが張られているので、それを目印にするとよい。

16:15二股到着。ツェルトを張って、焚き火をする。薪が豊富で、うれしいことこの上ない。私は焚き火の脇で寝る。その他全員シュラフカバーだけだったので、大層寒いだろう、と思ったら、元木は平気そうだ。強い。

 

天狗岩トンネル
脇の踏み跡から入る
入渓地点まで、急斜面を下る

 

C0滝川・豆焼沢二股到着
さっそく焚き火の準備にかかる
居心地の良い幕営地
ツェルト2張は快適な場所に張れる

 


 

 5月4日(晴れのち曇)
7:00 C0-8:00曲沢出合手前-11:30枝沢(遡行図では熊穴沢)手前の釣橋小屋-14:00ブドウ沢出合手前-15:50水晶谷と古礼沢二股-16:20二股先台地C1

 

 5:00起床。のはすが起床係穂高寝坊。朝食を取り、7:00 出発。
滝川はいかにも奥秩父の沢らしく、沢は森の中を蛇行して進む。ひざくらいの深さの渡渉を繰り返し、ゆっくりと進む。5月初旬の沢の水はやたらと冷たい。当初は泳ぎも考えていたが、とても泳げない。8:00 曲沢出合手前。
9:00 金山沢と槙之沢との中間部。巨大な淵があり、ゴルジュの奥に3mくらいの滝が見える。池田が泳いで偵察する(こんな冷たいのによく泳ぐよ)が、淵を泳いで突破して、滝に取り付くのは困難そう。左岸から巻く。巻き道がいやらしく、ロープをフィックスする。

11:30 枝沢(遡行図では熊穴沢)手前の釣橋小屋。
ここからゴルジュが始まる。途中、釜がサラシ場になっている斜瀑があり、滑って釜で巻かれたら嫌なので、高巻くことに。これが失敗。右岸の小尾根を越えて、落口に出ようとすると、小尾根の向こうは、岸壁になっている。 S字ゴルジュだったということ。
懸垂下降で戻り、斜瀑は釜の右をトラバースし、水流右から登る。ゴルジュを渡渉し、直登し、越えると、河原になる。

14:00 ブドウ沢出合手前。
この付近の滝は、事前に注意をしていたところだが、思ったほどでもない。立派な門を思わせる8mは、右壁から登り、落口へのトラバースで、残地シュリンゲに助けてもらう。次の6m は左壁をこれまた残地シュリンゲに頼って越える。

15:50 水晶谷と古礼沢二股。幕営適地は右岸にあるが、どうもあまり明るくないし、薪も少なそう。ということで、水晶谷に入り、 25分ほどの右岸にある台地で幕営することに。こちらは明るく、薪も豊富。これから水晶谷に行くなら、ぜひご利用ください。

昨日はツェルトの設営に慣れていなかった現役も、すばやく設営できるようになった。焚き火を起こし、夕食にする。穂高は主将に食当を任せイワナ釣りに行く。釣果はイワナ一匹。後二匹は釣れたはず、と穂高は残念そうだ。焚き火で焼いて、皆で食べる。美味い。今日も私は焚き火の脇で眠る。

 

今日から本格的に行動開始主旨の通り、新緑の銘渓を往く

 

この日は日差しもあって、なかなか暖かい滝横、登攀中・・・

 


 

 5月5日(曇りのち雨)
7:00 C1-9:00 奥の二股(1550 m付近か)-10:30 3段25mの滝-12:10 大滝上-14:20 水晶山直下
-17:00 国道140号線沿いの道の駅

 

 5:00 起床。早速焚き火を起こし、暖まる。朝食を食べて、7:00 出発。
滝川本谷に比べて、水晶谷の水量はグッと少なくなる。源流に向かいつつあることを感じる。小滝をいくつも越えていくと、狭いゴルジュの奥に、形相の悪い10mの滝が現れる。面蔵滝だ。右岸から高巻く。巻き終えると、左に雁坂トンネルの通風孔がある。4階建てのビルのようである。この工事によって、水晶谷が荒れたと聞いていたが、確かに遡行図の記述と実際はかなり違っている。滝の数はかなり減っているはずだ。
面蔵滝を越えて10m ・8mなどは右岸から巻く。高度感のある巻きなので心配していたが、皆落ち着いて越えて行く。

さてここまで来ればあとは詰めるだけ、と安心していたが、ここからが大誤算。沢が狭くなり、ゴーロ帯になるにつれ、沢は尋常ではない倒木と、残雪に覆われてくる。実に荒れている。トンネル工事の影響だろうか。トップの穂高が四苦八苦しながら、ルートファインディングをするが、なかなか進まない。要修行。

9:00 奥の二股(1550m付近か)。左の沢のほうが水量も多く、本流と思われるが、二股から見える 2 ・3の滝にべったりと雪が付いている。とても行く気が起こらない。右は水量が少なく、登りやすそう。こちらを選択する。 ここからは源流部だ。しかし相変わらず倒木と雪に悩まされる。水の冷たさが酷い。

10:30 3段25mの滝に到着。1段目・2段目は右から簡単に登れそうだが、3段目が読めない。事前に3段目は水流跡のクラックを登るとあるが、現実は無理である。そもそも水流は跡どころか、どうどうと流れ、クラックなぞ見えはしない。水流沿いを行くにも、この水温では厳しい。とはいえ高巻くのもかなりの困難が予想される。3段目はなんとかして直登するほかない。
行動再開。2段目までは難なく登り。テラスから3段目を眺める。水流右の壁が登れそう。しかし取り付きから3mくらいが、ホールド・スタンス共に細かいので、倉本が空身で登り、ザックは荷上げすることにする。実際に登ってみると、最初が少し難しいが、上部は簡単。落ち口付近の倒木でビレイ。池田・元木・穂高の順に登る。その後、荷上げに取り掛かるが、ザックが岩に引っかかって上がらない。仕方ないので、懸垂下降し、池田に確保してもらって、登り返す。寒くてしょうがない。

大滝上12:10。ここからは再び雪と倒木との格闘。沢でキックステップを使うとは。残雪を踏み抜くのが恐いので、小滝でも小さく巻くうちに、右岸の緩やかな尾根に取り付き、稜線を目指す。拾った棒をピッケル代わりに、尾根を登りきる。

14:20 水晶山直下に到着。14:35 視界ゼロ強風の雁坂峠にて大休止を取る。なかなか緊張感のある行動が続いたので、ホッと一息をつく。池田・穂高・元木もがんばった。西沢渓谷までは登山道。

17:00 国道140号線沿いの道の駅へ下山。 最終バスが行ってしまったので、タクシーで塩山へ。温泉に入り、のんびりする。 コンビニでビールとおつまみを買って、塩山駅前で打ち上げ。 お疲れさまでした。

WWVで沢中泊のワンダリングを行うのは久しぶりで、今の現役にとっては初めての経験だった。とはいえ池田・穂高・元木とも安定した行動をすることができていた。特に元木の行動力や気持ちの強さは、見ていて非常に安心した。しかし全体的にルートファインディングや突破力には不安も残る。より素早い、的確なザイルワークも望みたい。

滝川・水晶谷については、逐一遡行図と照らし合わせたわけではないが(遡行図は持って行かないので)、事前・事後の確認からかなり地形が変わっていると思われる。トンネル工事の影響かどうかは不明だが、残念である。また遡行図も古い情報が散見されるので、あまり信用しないようがいい。どんな状況にも対処するのが、沢登りの醍醐味の一つなので、つねに知識・技術などを磨いておこう。

 

面蔵の滝とその手前の廊下高巻き中の斜面

 

上部はなぜか倒木がたくさん。。
最近倒れたと思われるものも多い
なんでだろう?
最終25m3段の滝
3段目はザイルでビレイを取って登る
待っている間はとても寒い
お湯を沸かして暖をとる

 

上部はまだまだ雪がべったり。。
どおりで寒いわけだ
まさかの沢タビでのキックステップ
稜線到着!
雁坂峠で喜びの記念撮影
皆さん、お疲れ様でした!

 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

関連記事

最近の活動

コメント

この記事へのコメントはありません。

アーカイブ
TOP
CLOSE