「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」 僕が大学生のころ偶然に知り合った作家は僕に向かってそう言った。(村上春樹『風の歌を聴け』)
無論、私に完璧な文章など書ける訳など無いのだが、完璧な絶望というものは存在するのではないか。そんな鬱なことを考えていた私がいたのは、10日程前だろうか。美しい川の流れを前にして、現実と言う壁の前で打ちのめされていた私。突きつけられた現実。無常にもそれは「必然」と言わんばかりに私の前に現れる。
皆分かっている。すぐ来た道を見渡せば目の前のコレも頷けるのだと。だが、私だけは認めたく無かった。自分で考え、計画し、実行してきた。判断し、決断し、ここまで歩いて来た。目の前のコレを認めることは、己の道のり全てを否定しなければならない。心は悩み、理解に苦しむ。
言われるがままに集まって、聞いた言葉はこうだった。
「今日のはもう仕方ないから。」
その言葉が吹かせた風は、私の悩みと全ての過去をどこか遠くに消してしまった。彼はきっとこう言いたかったのだろう。「明日は明日の風が吹く」と。
この日、河原を吹き抜ける風は心に沁みる寒さを持っていた。
≪長良川WWF初日感想より≫
この文章は初日の結果が出た後の私の感情を書きつくったものです。大会の詳細に関しましては、長良川WWF2012記録に載せてありますので、こちらを御参照下さい。
今回の長良川WWFで学んだことは沢山あります。それらを今後のワンゲル活動や社会にでてからもしっかりと活かせるようにしていかなければなりません。「生きた経験」とはそういうものではないかと私は思います。今回の長良川WWFは結果だけを見て落ち込んでいても、またプロセスの欠点をどれだけつついても意味は無いのです。「そこから何を学ぶのか」。今はそのように自分の意識を変えていくことにしましょう。
さて、新しい代の中で私はどれだけ新しい風を吹かせることができるのか。まずは気象係チーフとしてトライしてみることにしましょう。
そして、私は目の前の秋合宿に、人一倍全力で取り組んでいきたいと思います。
2年F永
(写真 長良川の田園に咲く彼岸花)
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