こんにちは。新人の濱田です。
大雪山系を縦走した後、夏合宿2Rでは東大雪縦走隊に参加しました。
東大雪縦走隊の目的は、8月12日から14日の日程で石狩岳・ニペソツ山間の尾根を”ヤブこぎ”してくぐり抜け、通常の登山道のみを通るのとは違ったコースから、石狩岳・ニペソツ山に登ることでした。
“ヤブこぎ”とは、他人の敷いた道を通ることを好しとせず、草木の生い茂った人が誰も踏み入らないような尾根をあえて選択し、己の精神力と読図能力を頼りに道を切り開き、自分だけの頂上を制覇する、そしてニヤニヤする、そんな崇高でカッチョええ行為なのであります。
今僕は、大学受験が終わったら絶対にやりたいと思っていたヤブこぎを体験できた事、また半年間で最も歯応えのある山行を終えられた事に、達成感と安心感でいっぱいです。
とはいえ山行中は、ヤブこぎヤッホーなんて気分では全くなく、むしろ石狩岳・ニペソツ山自体と、東大雪隊に割り振られてしまった自らの不運を呪っていました。石狩岳・ニペソツ山間のハイマツは、高く太くそして複雑に絡まり合っており、低くて僕の頭の上の高さ。それがこちら側に倒れこむかのように連なっているのです。木と木の隙間をくぐり抜ける時にひっかけ、瞬く間に破れた僕の雨具のお尻。1時間半掛けて地形図上で親指ひとつ分しか進まないという状況の中、14日の15時半に1本しかないバスに乗るべく、全員が必死に行動しました。綿密に計画立てた予定幕営地など無視して距離を稼ぐS木主将おなじみの展開にも、今回ばかりは皆大賛成でした。
また登山道では無い道を通るので、夜トイレに行くときなど、クマに出くわさないかどうか、ずっと気がかりでした。そんな不安な気分でいた13日の夜、僕と同期のK、F島で夕食の準備をしている時に、テントの外から聞こえてきた唸り声。凍り付く背筋、静まり返るテント内。震える手を必死に押さえつけ、護身用のナイフを握り、恐る恐るジッパーを開けると・・・・・・・・・・S木さんが鼻をかんでいました。
聞いてる分には笑い話かもしれませんが、本当に怖かった。それ以来同期のKは、山に行くと必ずクマに襲われる夢を見るそうです。
やっとのことでヤブを抜け出した後も、登山口からバス停までの、地形図からもはみ出す異様に長い林道が待ち構えていました。バス停に到着するまでに僕とK、F島、Y岡、N島先輩は3回車道を目撃しましたが、それは川の水面に写る幻でした。
そんなこんなで、下山した直後は、こんな山・ヤブは二度とごめんだと思っていたのですが、時間が経つごとにこの東大雪山行が最も印象深い思い出に変わっていきました。
この石狩岳・ニペソツ参考について、同期と愚痴を言い合うのがすごく楽しい。
また、身動きもままならないヤブの中を連日12時間行動出来た事は、これから活動を続けて行く上で一つの自信になりました。
この山行を共に経験した仲間とは、何処にでも行けるのではないかという熱い気持ちで今は満たされてます。
とにかくこの合宿については書き切れません。書くより喋りたいです。
今度聞かせてください