高峰・湯ノ丸ワンダリング報告書
記録者:鈴木裕介(47代)
日時:2003年5月18日
メンバー:L鈴木(47代) SL青木(2年) 春田 柳瀬(新人)
【行動記録】
(2003年5月18日)
8:48 佐久平駅発(小型タクシー\20,020) c.f. JRバス\1,400
9:30 高峰温泉着
9:44 同発
10:21 水ノ塔山
10:58 東篭ノ登山着
11:10 同発
11:48 池の平(南西端の休憩所)着
12:00 同発
13:10 地蔵峠着
13:28 同発
14:21 湯ノ丸山着
14:30 同発
15:10 角間峠
15:37 鹿沢温泉着
16:24 同発(JRバス→大笹郵便局\680、万座鹿沢口\860)
総行動時間6時間40分(内休憩時間51分)
【行動概略】
出発前日の打ち合わせでは、8:19佐久平駅着の長野新幹線「あさま551号」に全員乗車して現地改札口前で集合ということだったが、集まったのは私と青木・春田・柳瀬の3人のみだった。来ない千葉と古川の携帯に電話をかけまくるが、まったくつながらない。やがて8:40ごろ古川から青木に「(列車を乗り間違えて)今、越後湯沢駅にいる」との連絡が入る。さすがにそこまでの事態はまったく想定しておらず一瞬目が点になったが、時刻表で確認すると越後湯沢から最短の乗り換えでも佐久平着は10:50であることが判明。二人を待つと入山が12:00を過ぎてしまうため、残念ながら二人にはこのワンダリングの参加を見合わせてもらった。
そんなアクシデントのため予定していた8:40発のバスの乗れず、タクシーを選択。逆にメンバーが4人になったおかげでタクシー1台で行け、余計な出費を極力抑えることができた。高峰温泉までは42分かかったが、ちょっとトロい運転だったため、もう少し短縮できたような気がする。高峰温泉は通年営業で、冬は周辺へのスノーハイクや「歩くスキー」ツアーを開催しているとのこと。確かに冬山入門者向きの山容かも。
地形図を見ればわかるが、水ノ塔・篭ノ登・三方ヶ峰はカルデラの外輪を形成しており、古代には浅間山に匹敵するかなり大きな火山だったことが推測できる。高峰温泉で水を汲み、出発。ものの30分程度で水ノ塔の山頂に立つ。2000mあたりの北面に層積雲が出ているが、他はけっこう晴れていて風もそこそこ弱く快適だ。新人二人も今のところ元気に歩いている。青木がすっかり2年生ヅラして、歩きにくい場所や読図などけっこう細かく新人に指示を与えているのには感心した。
水ノ塔-篭ノ登間の尾根の北側に所々わずかな残雪があったが通行上に支障はなく、高峰温泉から1時間余りで東篭ノ登に到着。山頂には兎平の駐車場から上がってきたハイカーが何組かいた。他には水ノ塔-篭ノ登の尾根上で他の2組のパーティーとすれ違っただけで、休日なのに意外と人が少なく静かな山旅である。山頂から南を眺めれば、上部は雲の中に隠れているが、堂々たる北八ツが目の前にある。完全に晴れていれば北アルプスや志賀高原が見渡せて素晴らしい景色が楽しめるだろう。
山頂を後にして池ノ平へ向かって降りて行く。東篭ノ登山頂から池ノ平までが最もよく踏まれており、アプローチがよいので入山者も多いのだろう。湯ノ丸高峰林道を越えて兎平から笹の斜面を下ると別世界のような池ノ平の湿原が広がっている。木道もよく整備されており、ミニ尾瀬ヶ原のような雰囲気だ。初夏には高山植物がきれいそうなところだ。
池ノ平からは、夏にはコマクサが咲く三方ヶ峰の山頂は踏まずに、・2095へ登り返す。・2095からは湯ノ丸と烏帽子岳が一望できる。私が現役2年生の時に新歓合宿で来たところだ。ここで湯ノ丸山がどれかの読図テストを実施したところ、全員が烏帽子を湯ノ丸として指差した。新人二人は許すとして、青木まで間違えるとはどういうことだ!
地蔵峠まではだらだらした下りが続く。展望も開けていないので青木と新人二人は退屈しのぎの話に花が咲く。ちなみに柳瀬は早稲田に入学したことが嫉妬を買い身内から疎まれているのだそうな。・1831を過ぎたあたりから地蔵峠までは登山道のつきかたが地形図とかなり異なっているので注意。
俗な観光地然とした地蔵峠には予定通り14時前に到着。ここで佐藤監督の弟さんに携帯で4人で伺う旨の連絡をする。監督の粋な計らいで、弟さんが経営する居酒屋「あろーず亭」で夕飯をごちそうしていただくことになっていたのだ。地蔵峠からは湯ノ丸スキー場のゲレンデ内の道を一直線に湯ノ丸山頂目指して登ってゆく。みんな結構苦しそうだ。1900mを越えたあたりから、懐かしい湯ノ丸キャンプ場が見渡せる。人間噴水と化した当時の新人たちの様子が目の前に蘇り、あのころは若かったなー、なんせ9年も前だもんなと思ったりした。山頂への最後の登りでは前を行く3人の息が実はあがっていることが感覚として分かる。
本日最後のピーク湯ノ丸山頂には約1時間で到着。錬成ではこんな登りが3時間も続くぞ、しかも荷物3倍で、なんて脅しておいた。だいぶ雲が出て来て視界が悪くなってきた。寒いので休憩も早々に切り上げ、下山することにした。湯ノ丸山頂の北側にある一等三角点(こちらに標高2101mの山頂標識が立っていた…)を過ぎ、角間峠へ下ってゆく。あまり踏まれていない道で、足下が笹で覆われ歩きづらい。結局角間峠まではコースタイム30分に対し40分を要した。角間峠から鹿沢温泉までの道はエアリアと異なりトラバース気味に下ってゆくほうだ。ここはMTBでいけそうなほど快適な道である。このあたりになると青木と柳瀬はすっかり頭が下山モードとなっていて読図も忘れてすたすたと降りていった。私がルート確認のために読図しているのに気づいたのは春田だけである。今回はうるさく言わないが、錬成では疲れた時こそしっかりしてもらいたいところだ。
鹿沢温泉に下山し、バスが出るまでの30分ほどの間で風呂に入る。一人500円。狭いが、源泉そのままの趣ある湯で、青木と春田と柳瀬は口を揃えて今までの温泉でベストワンだと言う。そうか、青木は春合宿不参加だったので酸ヶ湯に入らなかったことを思い出した。入浴後、バスで「あろーず亭」のある大笹郵便局を目指す。1階のマイショップが目印と聞いていたが、大きな店なのですぐに分かった。開店が17時からだったので、しばらく外で待っていると、突然ワゴン車が現れて店の前で止まった。中から消防団員のお兄さん方を引き連れて現れたのが佐藤社長その方である。早速店に通されると既に席が設けられており、着席するやいなや、次から次へと豪華料理が運ばれて来るではないか!全員(偏食の青木は除く)一心不乱に食べ、声も出ないほど感動した。
楽しい時はつかの間、万座鹿沢口18:44分発の電車に乗らなければならないため、佐藤社長に全員でお礼を言い、店の前で記念写真を撮った。そして最後にはワゴン車で万座鹿沢口まで送っていただいた。もうお世話になりっぱなしである。
本ワンダリングは、同日に予定されていた沢登りワンダリング(葛葉川本谷)に新人が参加不可となったため、その代替として新人に山行経験を積ませる意味も込めて急遽企画したものである。新人にとって7時間近い縦走は錬成前のウォームアップとしてよい経験になったのではないか。実際メンバーの3人の本ワンダリングへの評価は高かったように思う。不参加となった千葉と古川には大変残念であったが…
以上
補足:この山域では尾根上であれば携帯電話(AU)の使用が可能であった。一部の谷間を除けば、かなり通話可能エリアは広いと思われる。
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