大菩薩・峠越えワンダリング報告書
日時:2003年5月24-26日
メンバー: L 牛田光則(2年) 柳瀬(新人)
~主旨~
「峠」と言われて、江戸時代の旅人が小さな茶屋で団子を喰っている風景を思い浮かべるのは僕だけだろうか?他にもそんな旅に憧れる奴はいないのだろうか?と、言うわけでこの「大菩薩・峠越えワンダリング」を計画した。 『山と渓谷』によると奥多摩の丹波から大菩薩峠に至る道は、旧青梅街道であったらしく、理由あって正当には関所を越えられなかった人々が人目を避けて歩いたルートだったらしい。そのため「裏甲州街道」とも呼ばれたとか。過去の旅人が、どんな思いでこの峠を越えたのか、空想を巡らしながら歩きたいと思った。
~記録~
5月24日(土)
柳瀬が6限まで授業があったため、19時半に部室集合。僕はOB総会に顔を出してから部室へ行った。二人でKFCにて晩飯を食べていざ出発!東西線早稲田駅から乗車し、白丸駅下車、徒歩で奥多摩駅を目指すという我が部の悪しき(?)習慣に従い、今日も白丸歩き。3~40分間、暗い舗装道路をマンガトークしながら歩く。奥多摩駅前の観光案内所の半地下スペースにザックを降ろし、24時就寝。
5月25日(日)
7時半起床のはずが、二人とも5時半に目が覚める。丹波行きの最初のバスは8:30発のため、それまで朝食をとり、パッキング指導をし、テーピング(キネシオを腰に)施す。バスは奥多摩駅~丹波間、約一時間。
バスから降りたら、すぐに体操をして9:35出発。非常に気持ち良さそうな村営キャンプ場を通って貝沢川沿いの林道をゆく。途中から登山道となるが、道自体はよく整備されている。途中、イノシシ・シカ狩りのハンター4~5人と会い、念のため無線で「登山者二名が行くから」と連絡してもらう。しかしイノシシが突進してきたら、どうしよう?ルートは地形図には載っていない(最新のエアリアには記載有)が、藤ダワ(地名はエアリア参照、以下同)まで登り上げている。登りきったところで一本。コースタイムよりやや速い。
次の一本は何も問題ない。途中沢を渡った時に改めて満ポリにする。問題はその次、追分の分岐点以降、エアリアにも載っていない分岐が現れて迷う。そのまま斜面をトラバースしていく道と、下に降りぎみに続く道。それぞれ地形図ではトラバース、エアリアでは降りぎみの登山道が記載されていて、迷ったあげく、稜線に近い方が現在地特定しやすいと判断し、上の道を行く。その後も地形図に載っているルートは信頼できず、周囲の地形から現在地を判断していった。謎の分岐のせいでテンションは下がったが、折角の機会なので柳瀬に「登山道の表記をあてにしない読図」を教える。「ほらっ、周囲の地形とコンパスをよく見る!」 エスケープの境としていたノーメダワは四本目で越えた。
15:15フルコンパ着。もともとは山荘があった場所で、今はその残骸のみが残る。平らで景色もよく非常に幕場適地。もう少し到着が遅かったら、そこで天気図つけてそのままツェルト張ったのに……。でもまだ先は長いので、後ろ髪を引かれながらも再び出発。峠手前の荷渡し場にて二人で天気図を書く。さすがにまだ柳瀬は書きなれないようで大変そうだ。ま、書いた分だけ上手くなるから。そして旧街道であることを偲ばせる石畳になった道を歩き、16:50、目指す大菩薩峠に至った。
峠までは非常に長くツライ道程だった。思わずホゥ…としてしまう気分。しかし峠に建つ介山荘の人に「ここらは幕営禁止だからな~、下の福ちゃん荘かロッヂ長兵衛まで降れよ」と言われてしまう。それくらい知ってるけど、そんな冷たい言い方しなくても……、と思いながらも、天気も崩れそうだし、下山開始。斜面を層雲が這い上がってくる。明日は雨か。
その後一本で福ちゃん荘に到着。幕営料一人300円を払い、無事峠を越えたことを祝い、ラムネで乾杯。美味い!そして寒くなってきたので、さっさとツェルトを張って、飯作って晩飯。柳瀬オリジナル、“マカロニ イン トマトソース”はなかなか。さらに差し入れのスイカも食べたりしたら、後は疲れで泥のように寝た。
5月26日(月)
4:00起床。外は風があるが、雨は降っていない。食パン三枚と卵スープの朝食をとってパッキング。5:00体操と設定したが、柳瀬が間に合わず。まだのんびり感が抜けないようだが、これから常に時間意識を持てば慣れてくるはず。頑張ろう。
5:17、福ちゃん荘を出発し、ロッヂ長兵衛までは舗装道を行く。その後はひたすら尾根道を下り、裂石の大菩薩峠登山口バス停を目指す。途中で一本取ったが、バスの時間が微妙で7:03のバスに乗れるかどうか。3限から授業があるのを考えても出来れば乗りたい。最後の林道では、二人とも何時しかペースが早歩きとなった。その甲斐あって、丁度バスが動き始めたのと僕らがバス停に着いたのがほぼ同時。何とか間に合ったが、しかし疲れた。
そしてまた、その疲れも塩山温泉郷で回復できると思っていたら、時間が早すぎてどこも開いていないらしい。二人して落胆したが、落ち込んでいても仕方がない。缶ジュースで乾杯したら、3限から授業という厳しい現実世界へと帰っていった。
柳瀬に感想を訊いたら「色々教わり、どれくらい成長出来たか楽しみ」とのこと。是非ともこのワンダリングでの経験を錬成合宿で活かしてほしい。ホントにお疲れさま。
~参考~
奥多摩駅~丹波 西東京バス 一日 4~6本 \980
大菩薩峠登山口~塩山駅 山梨貸切自動車バス 〃 10~12本 ¥100
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