75代年間方針『成長』

 

両神山 2003/10/4

登山・縦走

両神・新人ワンダリング報告書

日時:2003年10月4日
メンバー:L柳瀬 SL春田 廣光 古川

地形図:長又、両神山(25000:1)

主旨:新人による秋合宿の予習。 / 新人4人の≪絆≫の再確認!
 


 

<10月3日>

L,SLでミーティングまがいのことをしつつ、”レッピー”で19時過ぎに飯を食う。スポ科・理工と忙しい二人と違い、我々は暇人である。帰り道に某OBからL柳瀬の携帯に運命の電話が。そのまま大隈講堂前に集合となる。他にも数名のOBの方が来ていた。そのまま早稲田近辺の飲み屋へ直行。「明日新人だけでワンダリングです!」と張り切っていたら、どんどん飲まされる。気分がよくなってきた22時頃に、お礼をしてその場を立ち去る。

柳瀬宅に到着すると同時にLはパッキングを開始する。「やっとけよ!!」と思い、見ていると廣光よりメールを受信。

「残缶確保し忘れた。」のひとこと...

部室に怪しげな残缶が転がってたので、とりあえず回収しておいたのがまさにそれだった。自分が持っていることを伝えて、早くも不安を感じはじめる。いろいろ考えていたが、酒が効いていて気持ちがよくいつのまにか眠りについていた。

<10月4日>

朝飯を軽く済まして出発。寝る前にザックに放った財布が行方不明となりひとり焦る。頑張って探すも時間切れとなり、”お金持ち廣光”に期待して仕方なく出発する。今ワンダリングの翌日は柳瀬以外は長瀞でボートのため、池袋駅で、「秩父フリー切符」を廣光の金で購入する。二日がけの旅行にはこれが得なのだ。6時17分出発。飯能で乗り換え8時11分西武秩父到着。西武線の民であるスポ科生の古川が既に駅の改札の外で待っていた。4人全員が合流し、バスに乗り込む。小鹿野町役場で乗り換える。発車した際に時計に目をやると、出発時間が結構遅れている。田舎のバスはとろい。同じところで乗り換えた人々が他に4人いた。皆ピストンするようだが、同じ行動なのに我々だけが荷物がでかく非常に目立っている。バスの外に目をやると、道はとても狭い。たまに2斜線から1斜線になるし、工事中の場所もある。終点の日向大谷のバス停には駐車場があり、結構車が止まっている。確かに、マイカー利用のほうがいろいろと便利だろうが、運転が上手じゃないとかなり恐いなぁと思った。

適当に準備をして歩き出す。ボート関係の装備も少々持っていて、登山口までの林道歩きがある意味勝負である。気合いを入れていると1分もたたずに、両神山荘を発見!? エアリアでは30分歩くことになっているはずなのだが...どうやら地図と違うところにバス停があるようだ。不要な荷物を山荘のおばちゃんに預けるため、個装整理を開始する。その際、ザックの奥底から無事に財布も発見できた。よかった。新人だけで始めてワンゲル体操をし、記念撮影を済ませて10時16分いよいよ出発する。

オーダーは、廣・春・古・柳の順。歩き始めるとすぐに鳥居をくぐり、横には怪しげなお堂もある。先を進むと、小さい石碑などが次々と現れて、神の山に入ったことを意識する。廣光が順調なペースで先頭を行く。少し下り気味の道もあり、荷物が軽いので、足取りも軽い。廣光兄さんは、親父さんと山へ来るときは下りは基本的に走るらしく、ものすごい勢いだ。早すぎて柳瀬が後ろからデジカメを構えても被写体にピントがあわずぶれてしまう。そんなこんなであっという間に七滝沢との分岐(会所)にたどり着く。

道は沢沿いだし、木陰が多く涼しくて気持ちがいい。天気も良いので、皆大声を出し、順番に歌う。尾根を回り込みながら、沢を何回か渡りつつ進めば、ジグザグの登りに変わっていく。登りつめて、尾根と平行にトラバースし始めたあたり、(地形図の「薄川」の「薄」の字の上くらい)でちょうど一時間たったため一本にする。読図も4人で話し合ったりして、現在地確認を行う。まさに秋合宿の予習である。

白藤の滝との分岐を過ぎると、再び登りになる。歌を歌いながら、軽快に登っているが、Lの柳瀬は少々苦しそう。あちらこちらに石像が見える。「弘法の井戸」という水場に出たが、ちょぼちょぼと水が流れていた。そのままサクッと清滝小屋にでる。結構大きな小屋だった。10張まで張れるようだが、テントスペースは本当にわずかだった。Limitを13時に設定していたが、余裕の11時50分に到着。Lが一本を提案したが、「もう少しジャン!」と一蹴される。小屋の裏からすぐに急な登りが始まる。一般登山者に追いつき始めていて人と出会うことが多くなってきていたが、全く動じず歌い続ける。特に古川がすごかった。登りきって産泰尾根に出ると景色が広がってくる。ここまで来ると山頂は目前。微妙に道が狭いところや、鎖場があったりはするが、特に注意がいるわけでもない。昔はメインルートであった白井差コースへの分岐があるが、もちろん立ち入り禁止となっている。登山者のマナーの悪さから閉ざされた道だそうで、いろいろと考えてしまう。全くの余談だし考え方次第だが、自分達はもちろんゴミを捨てたりはしないが、ゴミを進んでたくさん拾ってくるわけでもないので、結局はマナーの悪い登山者の一部であるといえるのかもしれない。『自然との共生』というものがワンゲルのもともとのテーマにあるのだとしたら、クリーン登山なるものを実践してみるのもありではないかと思ってしまう。部活だから、学生だからといってそういうことから目をそむけるのは間違っているだろう。そればかりに集中しようとしているわけではないのだから。両神神社をとりあえず素通りして山頂を目指す。直前に補助ロープのある道や鎖場のある岩を超えれば、そこはもう山頂である。

12時46分、山頂に到着。ポリタンの水をポカリにかえてレーションを食べつつ休憩する。四人の集合写真や、各自ソロ写真を撮り、式典に。歌うのは校歌の一番だけにしたが、エールは順番に全員で。L柳瀬が「早稲田」、SLの自分は「ワンゲル」、50音順で廣光が「新人」と、ここまでは順調に決まる。古川には「55代って言えよ」とか、「いや57代だろ!(笑)」などとふざけて話をしていたが、フレーフレーのあとに彼が口にしたのは、「皆」という言葉であった。古川らしいうまいまとめ方だった。山頂にいた普通の女の子をたくさん含む学生サークルの連中に拍手をもらって、13時26分に山頂をあとにする。

下山はオーダーを春・古・廣・柳にかえる。はっきり言ってなかったと思うが、登りの廣光はLには早すぎたのだろう。神社に立ち寄ったりしながら、あんまり歌わずに写真をとりながら歩く。清滝小屋には、14時18分に着き、小屋の裏にある清滝で遊ぶ。半分くらい登れるようになっていて好奇心旺盛の廣光、柳瀬が登っていった。20分休憩して出発する。読図などもちょこちょこやりながら、楽しくおしゃべりをし、一気に駆け下りる。15時51分に山荘に到着して行動は終了する。16時半過ぎにバスが出るため、急ぎでパッキングを済まし、休憩する。気象係となっている廣光には意味なく天気図を書かせる。バスに乗った瞬間全員がバク睡し、温泉に行くためのバス停について、運転手や他のハイカーに起こされる始末であった。そこから数分ほど歩き、17時半に温泉到着。携帯の電波が入ったので、柳瀬が監督・コーチに下山の旨を連絡する。「両神温泉薬師の湯」で600円という大金を払い、幸せを買う。なかなかいい湯であった。

来るときは、バス停から温泉まで歩いたのだが、温泉前にバス停があるのをチェックしていたので、その時間にあわせて出て行く。すると、先ほど下りた歩ける距離の一区間で乗り換えだといわれる。わざわざバスに合わせたのに歩いたほうが良かったじゃないか。120円の損であり、一気に皆のテンションが下がる。行きと同様に小鹿野町役場で乗り換える。目指すは終点「西武秩父駅」だったのだが、柳瀬が寝ぼけて「秩父駅」でベルを押す。そのまま降りてみて気づくのだが、翌日長瀞へ行く三人にとっては結果的に得だった。翌日御岳でOBの人とハイキングをする柳瀬だけが損をする形となった。せっかくなので、それぞれの電車をチェックして、近くの定食屋にて地味に小生ビールで打ち上げ。21時頃の電車で別々の方向へと別れていった。

長瀞組は自分がボート隊だったので、行く先を案内する。暗闇の中すばやいチームワークでダンロップをたてて、焚き火をしながら22:00の天気図を意味なく皆で書く。やはり廣光が一番上手であったが、古川も結構上手で秋合宿が気象係の自分は非常にあせった。そのあと、23時から宴会を始め、三人でいろいろと語り、深夜2時に就寝した。

<10月5日>

上級生が来るまで、だらだらし続け、決めた起床時間も守らず眠る。適当に起きて、食事を作り、食べ、片付けるのと上級生が来るのはちょうど良いタイミングであった。女子美から借りてきた(後に購入することになる)ボートで1日ラフティングを楽しんだ。

 


 
~ 一年後に記録を書いたわけですが...~

新人だけで初めていろいろと計画した。9月の間から、「どこの山にしようか」など、一から考えていき、ワンダリング一つ作るのもものすごく大変なのだなと感じた。当時は、私服の学生サークルの連中でも登ってこれる山に自分達がこれだけ時間をかけ、面倒な手続きをふまなきゃいけない必要は本当にあるのか?と思い、腹立たしくも思っていた。あれから一年経って二年になった今、考え方もだいぶ変わっている。多分山行の直後に記録を書いていれば、もっと思うことは違い、別の記録になっていたと思う。それに関しては、やはり後悔しています。でも今こうして改めて振り返ってみると、このワンダリングは二年生としてワンゲルをやり、いろいろ行動している自分達同期4人の原点の一つとなっているのではないだろうか。少なくとも自分にはそうなっている。
初めての自分達だけのワンダリング、一夜を四人で語り明かすことは叶わなかったが、「準備」から「打ち上げ」までを4人で行動し通したことはしっかりと僕らの絆を深めていたと思う。今、56代の新人達が再びこの山を新人ワンダリングの地として選んだ。コースタイムだけでも伝えようとほんのわずかな記憶と資料から再現してみたが、少しでも役に立ってくれれば嬉しい。是非成功させてほしいと思う。ただ、ワンダリングという山行自体の成功よりももっと大事なのは、新人全員でワンゲル活動の中で一緒の時間を過ごすことだと僕は思う。その過ごした時間が君達の財産になってくれればそれが成功といえるはずでしょう。以上。

(2004.10.14「一年と10日後に」SL春田)
 

 

Waseda Wander Vogel

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早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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