75代年間方針『成長』

 

赤谷川笹穴沢 2008/10/12-13

沢登り

 

期間  2008年10月12日~13日
地域  赤谷川・笹穴沢
メンバー  L廣光OB SL倉本OB 若林恵

 


 

 10/12(日)
21:00水上駅=(タクシー)=21:25川古温泉-22:45赤谷林道終点C0

 

 西ゼンの活動を終えて、水上駅に電車で移動。21時頃まで駅の待合室でまったり過ごす。21時にタクシーに乗車し、川古温泉まで移動。ここから赤谷林道に入り、入口のゲート×3を抜けて、荒れた林道を進む。タクシーの運転手が、最近熊が多いという話をしており、ゲートにも熊出没注意という看板があったのでややビビる。しかし、真っ暗な林道を歩きながら、結局一番怖いのは人間だという結論に至り、実際にあった怖い体験話で盛り上がる。そんな感じで一時間強歩き、赤谷林道終点に到着。ツェルトを張り、すぐに就寝。

 


 

 10/13(月) 快晴
6:40 C0-7:35笹穴沢出合-8:57 20m滝-9:40/11:10 120m大ナメ手前30m滝(休憩+ザイル使用)-13:10平標山トラバース道-13:45/14:25平標山の家-15:25平標山登山口

 

 5:30起床。外に出ると雲一つない快晴で、本日の行動に期待が高まる。ゆっくり準備し、6:40に行動開始。入渓直後から小滝が連続し、渓谷美を堪能できる。朝早くて寒いので、全て右側から巻く。だんだん日が昇り、山肌の紅葉が神秘的に輝き始める。快晴×紅葉×名渓の相乗効果で、最高のシチュエーション。本日は一年で一番良い入渓タイミングかもしれない。

 

笹穴沢(金山沢)入渓雰囲気の良い小滝群が続く

 

気持ちの良い早朝の河原歩き金山沢出合までの滝はこの程度

 

ようやく陽が照ってきた!本日は水に濡れても問題なし

 

青空の元、紅葉鮮やかな美しい景色が続く金山沢出合付近

 

 金山沢出合で一本。今までは河原歩き的な感じだったが、ここからは赤茶けたナメ滝が連続する。眼前には紅葉に染め上げられたクロガネ岩峰が聳え立ち、小滝の登攀と共に楽しい遡行が続く。
左俣を見送ったところで、いよいよ本格的な滝の一番手、2段30mが姿を表す。遡行図には右から巻けると書いていたので、最初に横のルンゼに取りつくが、上部がいやらしい感じで、一度下に戻る。改めて滝を見ると右側が普通に登れそうだったので、ノ-ザイルで突破。滝中段で懸垂下降に使用したと思われるテープスリングがあったので、ついでに回収しておく。続いて現れる15m滝は、滝右のルンゼを登り少し藪を漕いで巻く。その後も、ノ-ザイルで登れる手頃な小滝が続き、抜けるような秋の青空と共に、寒さと無縁の快適な遡行を楽しむ。

 

ここから小滝が増えてくるクロガネ岩峰を眺めながら、紅のナメ床を行く

 

コバルトブルーの釜にナメナメの一枚岩

 

クロガネ岩峰下を右折飽きる暇なく小滝が続く

 

眼前に、迫力の2段30m滝が出現!!近づけば滝の右側に登攀ラインが見える

 

今回はノ-ザイルで突破続く15m滝は右ルンゼから巻く

 

階段状に続くナメ滝群この滝は左の草付き沿いを登る

 

日に照らされて紅葉が映えるまさに文句なしの遡行日和

 

 しばらく進むと滝壺に虹をかける25m滝に到着し、一本。この滝は左のフェースから登れるが、やや高度感がある。今回はノ-ザイルで登ったが、残置ハーケンベタ打ちなので、ザイルを出しても良かった。
さらにナメ滝群を進むと30m滝が出現。上部でザイルを出して登っているパーティーがいるが、彼らは右岸の草付きを登り、滝の落ち口へトラバースしているようだ。そちらを進んでも良かったが、トラバースの草付きが微妙そうなのと、右壁の方が楽しいリード登攀ができそうだという理由で、ザイルを取り出し右壁アタックを試みる。残置はほとんどないので、ハーケンをガンガン打ち足して快適に登るが、途中直径50cm大の浮石を掴んだ時はビビった。
50mザイルにも関わらず、滝の落ち口のブッシュ帯まで届かなかったので、上部の微妙なブッシュで支点を取る。今回は三人パーティーなので、中間を恵一朗にプルージックで登ってもらい、ラストの倉本さんがそのまま継続して最後まで登る。最後は安全なトラバースなので、必ずしもザイルが必要な訳ではないが、50mザイル1.5ピッチ分ぐらいの登りであった。休憩も含め、この滝だけで一時間半経過。急いではいないので別に構わないのだが、もう少し手早く登れれば良かった。

 

虹を架ける圧巻の25m赤岩滝!

 

水飛沫を浴びながらレインボーキャッチここは左壁フェースを登攀

 

紅葉と連瀑帯の絶妙なマッチング!

 

大ナメ手前の30m滝右岸を巻けば簡単そう

 

こちらも近くで見るとド迫力!!今回は右壁のバンド沿いを攻める

 

虹を出すK16プルージックで登るK16

 

 この滝を越えると、いよいよ笹穴沢のメイン、120m大ナメがその雄姿を現す。その迫力、その美しさを前に、言葉にできない感動と、登攀への緊張感が合いまった複雑な心境が胸に訪れる。今回は滝の水流左を登ることにしたが、難しすぎもせず手頃な登攀。しかし、120mは落ちたら洒落にならんという緊張感で体が硬くなり、体感難度はやや上がる。上部の美しい婉曲カーブを越えて、ようやく一息付く。

 

いよいよそのベールを脱ぐ、120m大ナメ滝!!

 

水流左を緊張しながら登る自然の作りし、芸術的な曲線美

 

 その先の15m滝は左側から巻き気味に容易に登れ、ピンポイントで滝口に出る。
そして核心部の最後は6m滝。あまりにも雰囲気が良いので、そのまま行くのも勿体無いと思い一本取る。ふと上を見ると滝の上でさっきのパーティーが手を振っていたので、手を振り返す。この6m滝は左側から巻き、上部で笹藪を漕いで、滝の落ち口に出る。
ここから、笹穴沢は一気に源頭の趣に変化。特に難しい滝などもなく、後はひたすら詰めるだけ。ここから幾つか支流に分岐がでるが、前日に平標山には登っており、なるべく平標山の家に近づきたいということで、左よりに詰めていく。この判断は概ね正解であったが、最後の逆S字状に曲っている部分で主流を敢えてはずして左に進んだので、数分間の笹藪の藪漕ぎを強いられた。ここを右に進んでいれば、藪漕ぎゼロで草原に出られていたので、やや残念。源頭は黄金色に染まる草原が広がり、感動のフィナーレに相応しいシチュエーションが、遡行者を迎え入れてくれる。

 

15m滝は左の草付き沿いを登る紅葉と秋の空

 

最後に現れる迫力の6m滝
左の笹藪帯から巻く

 

振り返ると大源太山上越らしい爽やかなツメを満喫♪

 

源頭の詰め方はお好みで笹に覆われた仙ノ倉岳

 

 ここからは廃道になっている平標山のトラバース道に出るので、そこを左に進み正規の登山道へ。そして13:45平標山の家に到着。カップラーメンを沸かそうと思ったら、昨日山頂でガスを使用した為、すぐにガス切れとなる。仕方がないので山小屋でカップラーメンを買おうとしたら売っていなかったので、事情を説明したらお湯とガス缶を貸してくれて、大変ありがたかった。この山小屋の主人の方ともお話ししたが、大変雰囲気の良い方で、遡行してきた笹穴沢も眼下に見ながら、一同癒しの一時を過ごすことができた。

 

源頭の草原で、遡行後の余韻に耽るトラバース道を経て正規の登山道へ

 

箱庭的な景色が広がる登山道から笹穴沢俯瞰

 

そして、平標山の家へ秋季上越沢四本、お疲れ様

 

 14:25バスの時間もあるので、山の家を出発。駆け足で登山道を降りて、20分程度で林道に到着。おそらく今シーズンラストとなる沢登りで、上越の名渓を遡行できた喜びをかみしめながら、三人で色々な話をした。個人的に笹穴沢は、湯檜曽川本谷(含ナルミズ下降)と並ぶ、上越の名渓であると思う。紅葉の最高の時期に、西ゼンと合わせて遡行でき、最高に満足な週末であった。やはり上越の沢は素晴らしい。

 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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