75代年間方針『成長』

 

丹沢 小川谷廊下 2008/7/6

沢登り

 

期間  2008年 7月6日
地域  西丹沢・小川谷廊下
メンバー  L池田 SL佐藤穂 佐藤知 元木 若林恵
主旨  丹沢屈指の人気の沢 -水は友達、怖くない-

 


 

 7/5
新松田駅 22:00=(タクシー)=22:45立間大橋 22:50-23:18穴の平橋奥の駐車スペース(C0)

 

  22:00新松田駅集合。すぐにタクシーへ乗り込む。途中玄倉で一度止まってもらい、時刻表を調べておく。玄倉バス停にはすでにたくさんの車が止まっており、たくさんの登山者が就寝の準備をしていた。おそらく、ここにいる人の多くも小川谷廊下に行くつもりなのだろう。我々は明日彼らよりも早く行動を開始するべく、一足先に穴の平橋へ直行する...つもりだったのだが、玄倉川から小川谷の方へ入る分岐にある立間大橋手前でなんと車両通行止めになっている。その場にあった看板によると、崩落のためということだ。仕方なく、その場で降ろしてもらい、そこから先はエレキをつけて徒歩で向かうことにする。電灯もなく、完全に暗闇の中の行動で、我々にびっくりした鹿が「キャン」と鳴いて逃げていく。道中、実際に土砂が道路に流出している部分もあり、落石なども怖いので一応ヘルメットを装着していく。空は時折雲が明滅し、雲の内部で帯電しているのが見えて、少し不気味である。

23:18何事もなく穴の平橋奥の駐車スペースに到着。各自素早く就寝の準備をする。シュラフに入っていざ寝ようというときになって、奥の登山道の暗がりに明るく明滅する浮遊物が現れ、火の玉疑惑が浮かぶが、近くにいた1つを追いかけてみるとそれは蛍であった。正体が分かってみれば綺麗なものである。安心してシュラフに戻り、眠りにつく。

 


 

 7/6 曇り時々晴れ
4:30起床・朝食 5:15C0出発-5:40小川谷廊下出合-6:58 F2上の川原7:08-8:02大岩手前 8:12-10:21 F10 2段20m滝-11:45登山道-12:45穴の平橋 13:10-14:00玄倉

 

 4:30起床。各々朝食をとり、沢装備の準備を整えて、5:15行動開始。オーダーは【元木・知佳・穂高・恵一朗・池田】の順番で、穂高に元木のルーファイなどのサポートをしてもらう。穴の平橋まで引き返し、橋の手前左側より、コガイ沢に入る。大小5つほどの堰堤を、巻いたり梯子を使ったりして降っていく。

 

コガイ沢の堰堤
梯子を慎重に下っていく
小川谷廊下出合で入渓記念に一枚☆

 

 5:40小川谷廊下との出合に到着。出合は広い川原になっており、朝日がそこに降り注いでいて清々しい。入渓記念の写真を撮って、F1CS滝へ向かう。 3,4日前の集中豪雨が原因で増水しているのか、水流はかなり強めである。真ん中に大岩があり、右手は流木があり、少し上からハーケンを支点としてシュリンゲがついている。大岩左手は多少高度感がありそうなものの、ホールドは豊富である。どちらからでも行けそうだが、まずは元木・穂高が右手から登攀を試みるが、シュリンゲに足をかけてからが苦戦し、攻めあぐねている。試しに自分も登ろうとしてみるが、失敗。どうもうちのパーティーは突破力がいまひとつである。そこで、改めて左手を攻めてみる。まず、自分が挑戦してみる。一度目はあと少しのところで落ちてしまうが、釜は深いので怪我はない。気を取り直して再度挑戦したところ、突破できた。

上からお助け紐を準備しているときに、後方から他のパーティーが来て、入渓の準備をしているのが見えた。これはもたもたしていられない。自分以外のメンバーは、やはり右手のほうが楽だと考えたようで右手に回る。元木がうまい登り方を見つけたようで、お助け紐は使わずに登ってくる。続いて知佳が挑戦するが、かなり腕力を要するので、なかなか攻めあぐねてしまっている。穂高に下からショルダーで上げるように指示するが、どうも上手くいかないようだ。仕方なく、先に恵一朗に登らせる。元木の登り方を見ていたのか、お助け紐にもあまり頼らないでも割とすんなりと登ることができた。知佳に再度チャレンジさせる。お助け紐を使ってゴボウで登るように指示し、ショルダーも合わせて使おうとするも上手く担ぎきれずに登れない。そうこうするうちに後ろのパーティーがすぐ後ろで待って、プレッシャーをかけてくる。左側から登ってくだされば良いのに...。相変わらず登れずにいる我々に痺れを切らしたのか、しまいには 2人がかりで知佳を半ば強引に担ぎ上げてくださり、僕にも「(お助け紐を)もっと引っ張れ、引っ張れ!」と指導してくださる始末。それで知佳も突破することが出来、最後に穂高も登ってくる。全員が登り終えるまでに小一時間程かかってしまった。後続パーティーはさらにもう一組増えて、迷惑をかけてしまった。気を取り直して先に進む。

 

F1CS滝に挑戦中の元木小川谷廊下は
日差しの届く明るい沢

 

 すぐにF2に到着する。F2 は右手のルンゼ上になっているところから巻いて突破する。ここはあまり時間をかけずに突破し、はじめのゴルジュを抜ける。
6:58右から涸沢が合流してくる部分の川原で1本休憩をとる。 休憩中に後続に抜かれるかとも思ったが、向こうも人数が多いためかまだ来ない。背中に少しプレッシャーを感じながら歩みを進めていく。ここから先はしばらく小滝などが続くが、危険も少なく、楽しめる。上からの日差しが沢にまで届いてきて、雰囲気も明るい。順調に歩みを進めていく。

 

沢の美しさに終始ご満悦のK16ファイトォォォォオオ!
いっぱぁぁぁぁあああつ!!

 

 しばらく行くとワナバ沢と合流し、第2のゴルジュ帯に突入する。小川谷廊下のゴルジュは大きな岩が水流に滑らかに削られたようで、特徴があり見た目にも美しい。甚だ感動してしまった。人気があるのも頷ける。
F5は大きな釜を湛えた滝である。直登して落ちたとしても、滝壺が深いため怪我などはしないそうなのだが、水流が強そうで苦戦するのは必至だと思われた。そこで、右手から巻くことにする。F6もまとめて巻いて沢筋へ戻り、少し行ったところでゴルジュを抜けた。前方には大きな一枚岩が見えてくる。斜度50度、高さにして10m弱といったところであろうか。 8:02大岩の手前で休憩をとる。

 

天然の一本橋名物・大岩の前で

 

つるつるの表面を
備え付けのザイルを使って登る
時にはヘツって釜を回避!
 大岩は左の岩の隙間から垂れ下がっているかなり古そうなザイルを頼りに登る。元木はなかなか俊敏に登った。後続はわりとぎこちない。穂高は調子に乗ってローリングを決めて岩の上に上がる。全員危なげなく突破。ここからしばらくナメをいくと再び長いゴルジュ帯に入る。いくつかの小滝を釜をヘツったり、突っ張ったりしながら越えていくと、 F8、F9と少し大きめの滝が二つ連続する。
F8手前の3m程の小滝を越えたところで、他のメンバーが待機している間、穂高がトップになって登っていく。他のメンバーがより安全に登るように考えてのことか、ハーケンを打って支点を作ろうとしているので、元木に回収用としてハンマーを自分に渡すように指示する。このとき、元木がハンマーを外すときに足を滑らせてしまい、そのまま水の中へドボン。流れは強めのところだったが、元木が流されるようなことにはならないで、ホッとした。しかし、その勢いでハンマーが流されてしまい、紛失してしまう。それほど足場が悪い場所にいると自分も気づかなかったのが痛い。重要な装備を完全に外してしまうときは、確実にミスなく出来る体制でなくてはならない。今後ないように猛省する。 結局、F8は自分たちのハーケンを実際に使うことなく残置のシュリンゲなどを使って全員登れた。 F9も特に問題なく突破した。
9:57その先のちょっとした川原のような場所があったので1本休憩をとった。

 

なかなかに迫力のある一枚突っ張ってポーズを決めるナイスガイ
しかしこの後、やらかしてくれましたorz

 

 少し進んだところで、小川谷廊下の主とも言える存在のF10 2段20m滝が現れる。この日は明らかに水量が多く、直登はいささか厳しそう。左から大きく巻くことにする。ここは出来たらザイルを出したかったが、ちょうど良い支点が見つからない。仕方がないので穂高をトップにして慎重に登ってもらい、上からお助け紐を出してもらう。これで全員突破でき、上部でトラバースする前の足場がある場所でセルフビレイをとる。トラバース気味に登る部分も 10mの細引きを2本つないでザイルのように使い、確保しながら1人ずつ進み、突破。事なきを得て、F10上部へ出る。後続パーティーも見え隠れしていたが、彼らも直登はしないで、同じ巻き道を使っていた。我々より、明らかに短時間で突破していたようで、己らの未熟さを改めて思い知らされた。 その後も小さな滝をいくつか越えて、11:15 デッチ沢との二俣で1本休憩。この休憩の間に先ほどの後続パーティー1組に先に行っていただく。

デッチ沢を過ぎ、今日最後のゴルジュ帯に入る。F12 トイ状5m滝は左手から巻いて越え、しばらく行くと左側の壊れた巨大な堰堤が眼前に広がってくる。苔むしていてなかなか趣き深い。その壊れた部分をくぐり抜けると、遡行終了。広い川原に出る。日差しが直接差し込んできて、非常に明るく、クライマックスに相応しい場所といえる。暖かい初夏の日差しを浴びながら、少し行ったところで左手から登山道が合流している。ぱっと見ただけでは分かりづらいような場所で、元木が通過しそうになったところを穂高が注意して止める。 11:45無事登山道に乗る。そのまま登山道を歩いて行く。この登山道は崩壊しかけているようなところもあり、なかなか危ないところもあるので、最後まで気を抜かずに行く。

 

姉御「しゃらくせぇぇぇ!!」最後F12トイ状の滝は左から巻く
奥には壊れた堰堤が見えている

 

堰堤の壊れている部分をくぐって遡行終了!初夏の陽射しに照らされて

 

 12:45穴の平橋到着。手前のゲートで一昨年のワンダリングに行った面々と同じポーズを取って終了の記念撮影。沢装備を解除して一路玄倉へ。オーダーフリーにすると元気の良い新人、 2年生はなかなかに速いペースで先を歩いていく。その後ろ姿に頼もしさを感じながら、14:00玄倉に到着。こうしてまた1つ、パーティーワンダリングを無事終えることが出来たのであった。

 

名称:K16
職業:シャーマン
どこかで見覚えのあるポージングで
フィニッシュ!!

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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