槍ヶ岳~穂高岳 2008/9/5-8

登山・縦走

 

期間  2008年9月5~8日
地域  槍ヶ岳、穂高岳、上高地
メンバー  L沼田飛鳥(2) SL古川歩(2) 筒井宏輔(2)
主旨  夏はまだまだ終わらない!あこがれの大キレットへ♪北ア縦走を楽しもう!

 


 

 9/4 東京=中房温泉

 

 雨を心配しつつ宮澤&横塚に見送られ、5時間電車にゆられ、さらにタクシーで中房温泉に到着。夜空には天の川。今晩はここのすみっこでねる。ちょっとした前夜祭をしつつも夜も遅いので(22時過ぎ) 就寝とする。シュラフなしで寝られる気温。

 


 

 9/5 【8H】
5:15中房温泉-9:06/10:30燕山荘(⇔9:45燕岳)-13:10大天荘C1

 

 朝ほんの霧雨が。4時起床は早すぎた。まっくらだ。外はすごくガスっている。みんなのテンションがあがらないまま出発。合戦尾根はやはりキツイ。とくにここ1週間ほどまともに運動していないものにとっては・・・ということで見事に3人ともバテバテ。ベンチがあるごとに休む。へろへろだ。情けない。
合戦小屋を過ぎてからほんの少し青空が!ちょっと元気になって燕山荘を左手に稜線にあがると、おおっ後立山連峰が見えるではないか!!T井の1.5Lキリンレモンの差し入れを3人で飲み干し、燕岳へ。から身だとどこまでも行ける気がするよとF氏。こまくさがまだ咲いている。晴れた燕岳山頂でしばしくつろぐ。大天井までは猿の群れがいて奇妙だったが、徐々に稜線が雲にかくれまっしろになる。久しぶりの重労働に3人ともすごくねむい!!危うく休憩中にみな居眠りするところだった。(若干1名マジ寝・・・)雷鳥がひょこひょこ歩く先にあった大天荘はガスに覆われて冷える。足元のとうやくりんどうが夏の終わりを感じさせる。テントの中で早々とT.P.をして暖まる。

 

やっとこさ合戦小屋に。
F氏さえもYパンのせいでヒィヒィ(!?)
晴れた稜線は元気が出てくるね♪
花崗岩の燕岳へGO!!

 

雲にちょっと隠れてしまっているけど、後立山の峰々。
あっちのほうも縦走してみたいなぁ☆
さすがに9月ともなって夏の高山植物たちはしおれ気味。
その中で女王コマクサはまだあちこちで咲いていた。

 


 

 9/6 【7H】
4:50大天荘-7:10西岳ヒュッテ-8:16水俣乗越-9:50/10:20ヒュッテ大槍-11:10槍ヶ岳山荘(⇔12:15~12:45槍ヶ岳)

 

 起床は3:45。これぞほんとの「サシゴ」であるとF氏。テントから顔を出してまだ暗い空を見上げれば満点の星空。一気にテンションがあがる、単純な私。起床から1時間で出発。槍ヶ岳がやっと見えた。夜明け前の薄暗い中に浮かび上がる山並みが好きだ。これからの1日にわくわくしながら日の出を待っているという感じ。雲海からの朝日が、槍とそこへ続く東鎌尾根、いつかは行ってみたい北鎌尾根、そして自分達を照らす。コースタイムよりかなり早くヒュッテ大槍につく。東鎌尾根の魅力は、だんだん槍の姿が大きくなって圧倒してくるところ。槍ってこんなに大きくどっしりしていたかなと思った。
槍ヶ岳山荘につくと残念ながら槍はガスのなかへ。筒井は前に登ったことがあるし疲れたということで、初めての古川と一緒に槍にピストンする。5年前に登ったときはもっと怖かった気がするが、今回はなんてことなくあっという間についてしまった感がある。ガスっていて何も見えないため早々に降りる。今日は播隆祭ということで槍沢から和尚さんやら旗を持った人たちやらがぞろぞろ登ってくる。袈裟姿で槍にたつ姿はお見事です! 夕飯後は差し入れパーティー♪ 大キレットに重いものは持っていけないから、今出してしまおうという主旨。テン場にはほかに人もあまりなく、大いにしゃべりさわぐ。夜は少し雨が降ったようだ。

 

大天井から槍に向かう、朝の一枚。
左からは東鎌尾根、右手からは北鎌尾根が槍を支える。
雲を突くような槍の姿が歩くほどに近づいてくる。
今回のメンバー3人。
ともに山好きであります。

 

こらっ!T井!穂高岳を隠しているぞ~槍ヶ岳山頂にて。ガスってて何にも見えないよ・・・
前来た時はあった槍ヶ岳のプレートがなくなっていた。
これじゃあどこだか分らないじゃん!

 


 

 9/7 【7.5H】
5:20槍ヶ岳山荘-6:00中岳-7:01南岳小屋-8:50A沢のコル-10:06/10:30北穂高小屋-12:55穂高岳山荘C3

 

 4時起床。朝食はまさかのスパゲティー。1L!ちょっとの水で1.5袋分のパスタをゆでるとどんなことになるのか・・・・ゆで汁が煮詰まる。すなわち、グルテンが固まってくる。ゆえに、見た目カルボナーラができる・・・そのねちょねちょした中で、ソースも3袋温める。その時気づくべきだった、1袋2~3人前ということに。T井氏いわく、もう少しでハマルところだった朝食をなんとか食べきり、テントを出れば朝焼けの空に槍ヶ岳が赤く染まっている。神経が自然と高ぶってくる。今日はいよいよキレットだ!Lだがトップをやらせてもらう。
後立山に表銀座に笠ヶ岳にキレットの先の北穂高・・・・これぞ北ア!っという景色に囲まれてテンション上がりまくってあっという間に南岳。ここで靴紐を結びなおして気合を入れなおす。あこがれのルートに踏み入れるのが、うれしいやら夢のようやら緊張するやらでドキドキだ。小屋を出てキレットを目の前に見る。わ~ぉ!!! ギザギザのゴツゴツのイワイワの・・・・(以下省略。語彙力不足のため)きっとずっと忘れられない景色。来れてよかったと心から思った。
最初のくだりはまあまあな感じ。手をついたりハシゴを慎重に使えばズンズン下れる。ただ神経を使うからくだりでも疲れる。昨日槍に登っておいてよかったとF氏。実は怖いそうで。最低コル辺りを上昇気流に乗ってガスが超えていく。下は一面雲海であるから雲がだんだん上がってくるだろう。北穂まではこの天気を保ってほしいと願いつつ、エアリアで危険マークのついてる長谷川ピークへ。なるほど怖い。集中しまくって通過する。手をちょっとでも離したら、北穂からのびるギザギザの急峻な尾根たちとその間の冷たい風が吹き上がる沢というか切れ込みに、ヒューンと吸い込まれてしまうだろう。おそろしや。T井は長いリーチを生かして岩を降りてくる。
A沢のコルでホッと一息つく。ここから見上げる北穂はすさまじい。涸沢からみえるただかっこいい北穂じゃない。荒々しい。まるでゴジラの尻尾の付け根から頭の方を見上げているみたいだ(たぶん)。かなりな直登をゼイゼイ言いながら、全身を使ってよじ登る。1時間で北穂高小屋の張り出したテラスがみえた。やった~!うれしいうれしい♪ 久しぶりに山で達成感を感じた。振り返れば槍の穂先こそガスで隠れてはいるが、南岳から先はくっきり見えて文句なし!F氏のフルーツ缶もいつもよりおいしい。本人はやれやれといった顔つきか。T井はなかなかだったねと静かにシャッターをきる。私は憧れていたことが実現できてちょっと感動していた。
穂高に比べると知名度がいまいちな涸沢岳は、意外とデンジャラスな岩稜。でもガスりまくって最後には雨が降ってきてやはり印象が薄い。山頂を素通りして穂高岳山荘にとびこむ。涸沢からのツアー客も雨がやむのを待っていて混んでいた。テントに入って3人ともお昼寝。ご苦労様でした。最終夜、昨晩出し切ったと思ったのに、日本酒、ビール、チュウハイ、梅酒と豪華・・・・みんなどんだけ持って来たのやら。F氏の世界史論が炸裂したり、にぎやかな夜であった。

 

キレットの入り口から槍を眺める。
今日はどんどん槍が小さくなる。
それがまた美しいんですよ(笑)
これから超えるキレットを覗きこむ。
わーぉギザギザだぁ!
北穂は近いようで遠い存在。ドキドキする!!

 

上のほうで岩にへばりついているのがF氏。
手を滑らしたら落っこちてしまうねぇ。
テンションが上がりまくって怖くはないんですけどね。
A沢のコルから南岳を眺める。
長谷川ピークを通過してしばし気持ちを落ち着かせる。
ここで半分。 あとは北穂へ突き上げるように 直登する!

 


 

 9/8 【5.5H】
4:53穂高岳山荘-5:25奥穂高岳-6:28/7:27紀美子平(⇔6:50前穂高岳)-8:55岳沢ヒュッテ跡-10:30河童橋

 

 朝日を頂上でみたいとわがままを言って「サシゴ」に起きる。奥穂高のちょっと手前の岩の間から真っ赤な太陽が雲海を抜けてきた。おおっ!!と3人。山頂はガスっているけど強烈な朝日だけが見える。見られてよかったですねとおじさんに話しかけてみると、私達と全く同じ行程だったらしい。小屋泊まりだから気づかなかったのだろう。吊尾根を下るうちに西穂やジャンダルムの雲がとれてくる。前穂からの景色はよかった。今回歩いた道のりが全部見える。右手に大天井岳、正面に槍、キレットを挟んで北穂、涸沢、目の前の奥穂はガスが取れてどっしりと構えている。名残惜しい景色とさよならして上高地をめざして下山する。そういえば式典をしなかったが、どこのピークもどこの尾根もすばらしかったということで、よしとする(?)。上高地でお風呂に入り松本で打ち上げをして18切符で東京へ帰る。

 

前穂からみた奥穂高岳。
早朝のガスがとれて姿を現してくれた。
どっしりしていてかっこいい★
西穂高岳の方向は雲が上がってきている。
今度はあのぼこぼこした稜線を歩いてみたいなー♪

 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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