白馬岳 2002/5/1-3

山スキー

白馬大雪渓ワンダリング報告書

日時:2002年5月1~3日
次代へ向けての原動力養成 雪の北アルプスを楽しむ
メンバー:L金政雄介、3年(文中L) 伊藤林太郎、2年(文中林) 辻雄貴、2年
 


 
<4月30日>

12:30 辻がバイトのため、Lと林で食糧買出し。

19:00 3人で部室にてテント点検。このエスパースⅡは慶応ワンゲルOB木下さんにお借りした。その日に大阪へ帰るという立石も部室におり、やつに「おとぼけ」を奢る破目に。明日は07:20新宿駅西口集合。総重量12kg。

<5月01日>

08:00 白馬町行き京王バスに乗り込む。運転手はタメ口だが悪い男ではない。

12:30 白馬町。途中懐かしき信濃大町駅を通っての到着である。13:40に猿倉行きのバスがあるが、値段も変わらないので自分たちのタイミングでタクシーで行くことにした。とある居酒屋にて昼食。名店である。大変堪能した。コンビニで食糧を買い込む。14:30まで各自暇をつぶす。

15:00 いよいよ猿倉山荘へ。タクシーをおり、山荘駐車場で完全装備。天気図をつけ、日もまだ明るいのでこのまま白馬尻小屋跡まで行ってしまうことにする。猿倉山荘横の残雪混じりの登山道を強引に登り、林道に出る。そこでシールをつけ、白馬沢を進む。雪は非常に少なく、白馬沢は雪解けで川音がうるさいぐらいだ。スキーをはずして進む箇所もあり、85分かかり、白馬尻小屋跡前着。早速テントを張る。テントがほかに2張り。明日02:00から白馬主稜をやるそうだ。メシ食って20:00就寝。

<5月02日>

03:00 起床。今日は04:00発で涼しいうちに大雪渓を越える予定。個装を出しテント撤収‥‥‥あっ、ポールが‥‥!!!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・運良くポールは回収できたが、ポールを流すなどとはあってはならない装備ミス。残雪期の締まった雪は一度手を放すとどこまでもものを流してゆく。この雰囲気はまずい。一度落ち着いてミーティング。もう一度危険な場所にいることを再確認し、ここまでで気付いた、いつもの合宿とは違う雰囲気の原因は何か、3人で確認していく。これから先、3人で本当に安全なワンダリングを作っていく意思を完全に固める。気付けば2時間経過。出発は

06:20 となる。ビーコンチェックし、1800m付近まではシールで進む。そこから一本取りがてらスキーアイゼン装着。1950まで粘る。ここから秘密兵器シュリンゲを出し、スキーを引っぱる。楽勝だと思っていたら、これが意外に引っぱり返される。トップの辻は人の踏み跡を上手く拾い、まあまあのペースで進むが、林は蹴り込みがまだまだ弱く、時々ずり落ちる。岩室の手前2200でアイゼン装着。ここまで3時間弱。

09:05 である。何気にかなりの人である。遥か後方に人型の豆粒がポツポツあちこち皆こちらを目指してくる。また大雪渓を滑り降りる人も。かなりスゴシ。スイスイ横を通過していく。スゲー。1人のお兄さんが我々に話しかけてきた。「蓮華温泉に向かう3人組は君たちか?」「ハイ、そうですが…。」「雪倉から蓮華温泉までは瀬戸川のスノーブリッジがヤバイらしく、通行止めらしいぞ。(白馬)山荘の人に確かめてから行きなさい。」「どうもわざわざすみません。有り難うございます。」ガガーン、なにー、いけないだとー!!とひそかに動揺しつつもひた隠し、「いけオラー、どんどんすすめー」と辻、林を追い立てる。実際そうとうキツイ。2年2人も足が止まり気味。林などほっとくといつまでも立ち止まったままだ。後ろは人の行列で追われるし、太陽はギラギラ照りつけ、汗だくである。中途半端に一本取れる筈もなく、…とにかく進め。2270~2470に60分かけ、そこで一本。

10:30 辻は写真を撮る余裕を見せる。林はうつむいたままレーションの口運びにも力がない。こいつは…。あのなあ、去年の妙高外輪なんてこんなもんじゃなかったぞぉ!20分休み、再出発。2768から北東へ伸びる尾根に乗るまで根性一本。まだまだキツイ登りは続く。さすがの辻もグロッキーか、足取りが遅くなってきた。林はかなりヤバシ。100分延々と登り、

12:20 ついに尾根に乗り、大雪渓終了。13:00まで休憩と言い残し、Lは白馬山荘へ。やはり、瀬戸川は渡れないとのこと。雪倉までも殆ど雪はなく、スキーはほぼ不可能との決定を下す。少し考えたあと、小屋でジュースを3本(1本¥400!きつい)買い林、辻のもとへ。ジュースを飲みながら、やはりこの先は無理と説明。今日はこのまま白馬岳に登り、山頂宿舎でテントを張り、明日は大雪渓下山とする。残念だが、今は、切りかえて白馬岳山頂の景色を楽しもう。素晴らしい山頂の景色には能登半島もうっすら含まれる。

16:00 食当点火。林は天気図。明日も好天であろう。今日は疲れた。19:00にはシュラフに入り、いつの間にか就寝。宿舎からの夜景は忘れることはないだろう。

5月03日

05:00 起床。雪の緩むのを待ち、

07:10 出発。2550までは快適そのもの。ゲレンデとそう変わらない滑りを与えてくれる。辻、林も余裕あり。さて、岩室である。かなりヤバイ、35°。下がほとんど見えん。トップのLがビビル訳にいかん。オリャー。気合いでターンをきめつづけてやった、ハーハー。2人も何とか高度を下げていく。しかしついに林がこけた拍子に、壺で行きたいと申し出る。ここで許可したのはLのミスであった。スキーで恐怖している分、壺もどうしても腰がひけてしまい、滑り台の原理で林が滑落。かなり滑ってしまった。途中岩に当たるも尻の打撲でおさまったのは幸いであった。林が止まったところで一本。かなりストレスがたまっている様子。暫く休むことにする。やはり岩室は行きも帰りも我々には大きな壁であったようだ。その後は快調に進む。

09:30 白馬尻小屋跡。

11:00 猿倉。短くも濃いワンダリングは終わった。辻も林もそれなりに何かを得てくれたものと彼らの顔をみて感じる。私もようやく一息つきタクシーで白馬に降りた。

04.06.10 文責:金政雄介
 

Waseda Wander Vogel

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早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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