地域:空知川
メンバー:L大門 SL横塚 宮澤 小山 佐藤(由) 内山
30日 南富良野-シーソラプチ川-空知川-伊勢橋
朝6:30 昨晩の北大山スキーとワンゲルの大歓迎を受け、戦闘不能者が数名いるものの、天気予報を見ると翌日は雨とのことだったので、今日空知川を下ることにする。
北大の方々のシェアハウスを後にすると、朝食を買出し早速空知川へ向かう。札幌から空知川のある南富良野までは距離にして大体160km、約4時間でつく。滝川辺りまでは都会の風景だが、それ以降は北海道らしい広い道路と、広い空、そして広い大地が広がっており、ドライブも楽しい。最も筆者以外は皆車の中で睡眠をとっていたわけなのだが。
そんなこんなで、13:00頃に落合(北海道)に到着。監督に今日ワンダリングを実施する旨を伝え、エントリー地点へ向かうことに。しかし、調査不足により実際想定していたエントリー地点は存在せず、もっとより上流側にあることが地元の方への聞き込みで発覚した。教えていただいた場所は理想的なエントリー地点だった。広い駐車場があり、そしてポンプアップも日陰でできる。何より川まで殆ど下ろすための苦労を要しない。
早速ポンプアップとセーフティトーク、そして体操を済ませる。ここまでくると昨晩のアルコールも抜けたようで清流を目の前にしてテンションが上がっている。
ここで、今回下る川の説明をすると、シーソラプチ川と空知川である。といっても両者は別々の川ではなく、落合駅付近でシーソラプチ川とルーオマンソラプチ川が合流して空知川という名前になるのである。
しかし、シーソラプチ川の水の綺麗なこと、思わずため息が出てしまった。エントリー地点から見ていても、透明な水底に石がはっきり見えている。
いよいよ入川。最初のポジションは私と宮澤さんでラダーをやらせていただく。エントリー直後からいきなり川幅が狭くなった、と思った瞬間に1m程の落ち込みがあった。五流の瀬というもので、今日の水量ではどこからでもいける。しかし、いきなり落ち込むものだからいきなりの迫力のある瀬に圧倒されてしまった。直後が瀞場になっているので、左岸の砂浜につけてみることにする。瀞場の水は本当に澄んでおり、エメラルドグリーン色をしている。川の底の丸い石は光っており、そして川の周りは鬱蒼と木々が生い茂っている。シーソラプチ川は今まで見た川の中で一番綺麗かもしれない。
ラフトを左岸の砂浜に付け、たった今越えた瀬を見に行くことに。しかし、あまりの美しさに泳ぎだしてしまいたくなる。そこで男性陣は皆淵で好きなように泳いでいる。宿酔や睡眠不足で元気のなかった車内とは大違いである。瀬を見物し、ラフトの傍に戻ってくると、横塚さんが小さい魚を発見し、つかまえる。まるで、ヤマメのような斑点をしている魚である。手で掬い記念撮影をすると、再びシーソラプチ川へ。川全体が瀬っており、さらにところどころに1m程度の落ち込みがある。全体的にテクニックが要求される場所は少ないものの、かなり忙しい。水と周りの原生的な風景に感動し、瀬で遊んでいるとすぐにトラウマの瀬まで来てしまった。
トラウマの瀬はシーソラプチ川で一番難しい瀬なので左岸に付けて偵察することにした。見てみると1mくらいの落ち込みだったが真ん中に岩があり、減水時はポーテージできるとされた右岸も激流であった。その右岸よりが一番の安全ルートではあったが、ここは巨大なホールができている左岸を真ん中よりを狙っていくことにした。皆で力を合わせながら漕ぎ、6時方向で突入。次の瞬間ラフトが真ん中でくの字に折れ曲がる。由梨がたまらずフロアの方に入ってしまう。しかし何とか切り抜けることができた。シーソラプチ川は激流的な意味ではあまり規定していなかったのだが、ホワイトウォーターとしても大満足である。我らがパネ山さん(新人内山)に聞いても「スリルがあって楽しいです」との返事。
そして休める瀞場も殆どなく下っていくと、左岸にカフェの看板がある。OPENという文字が躍っていたので思わずボートを停めて上陸することにした。上がってみるとお洒落なカフェがあり、水に入った格好でもOKということなので、ここで一服することに。ロイヤルミルクティーやコーヒー等、好き勝手なものを頼み、しばしの休息に浸る。そこの女性のマスターが数年前までラフティングのガイドをやっていたようで、非常に物知りである。我々の他にいたもう一組の客となにやら興味深い話をしている。(我々が夏に下った)十勝川がどうだとか、空知川の石はラフトを裂く場合もあるとか。ちょいちょい小耳を立てながら、ヒダトコ隊の夏合宿の感想を聞いてみる。結構大変なようで、でも達成感があったようで良かった。
そんなこんなしているうちにあっという間に15:00になっている。あまり陽が陰ってしまうと、水温も低いし川が楽しめなくなるので川にまた入る。と、コマーシャルラフティングがくる。手を振ると向こうも手を振り返し、後ろに乗っていた女性のガイドさんが「あそこの上には店があります。ちなみに私の実家です!」といっていた。どこまで冗談なのだろう。まぁ、そんなことはほっておいて、川下りを再開する。相変わらず美しい水に心を奪われ、そして随所に現れる迫力のある瀬に突っ込みながら行くと、あっという間にルーオマンソラプチ川との合流点となり、ここからは空知川となる。
空知川の最初は昔国体が開かれ、通称国体コースと名付けられているテクニカルかつちょっと危ないコースであるが、あれよあれよという間に通過してしまった。しかし、その中の瀬は平均的に1mくらいの落ち込みがあり、本日の水量では大迫力だった。国体コースが終わると少し落ち着き、また瀬の連続である。シーソラプチ川、空知川共に本当に楽しい川である。少ないながらもちょっとした瀞場では水の美しさ空の広さ、自然の雄大さが実感でき、その他はホワイトウォーターが絶えることがない。空知川とシーソラプチ川では空知川の方が瀞場が多い気もするが、それでもホワイトウォーターが次から次に現れ、ある程度の技術があれば忙しくも楽しいパドリングとなる。途中でポジションを交代しつつ、ボートのバウに沢藪隊の二人(2年生二人組み)を乗せつつ下っていく。
そして次の瀬は、噴水と呼ばれるもので落差2m長さ5mに及ぶ瀬である。この瀬ではスカウティングをしようと思っていたのだが、急に現れてしまい、いきなり突っ込んでいくこととなった。落ち込んだ後すぐにある噴水の部分は少し外してしまったものの、大迫力で、ウェーブがかなりたっていた。その後は山畔橋まで瀬は少ないということがリバーツーリングマップには書いてあったがそんなことはなく、川全体が瀬っていた。
今回のワンダリングも佳境にはいり、余裕も出てきたことでリーダーの我侭をしてボートのバウに乗らせていただいた。ウェーブ立っているところや、ホールに突っ込んでいき、かなり楽しかったです、はい。その後かわるがわる全員がバウに乗り、ホワイトウォーター区間を下っていく。
北海道最高だな、と思っていると最後の橋が見えてきた。最後は上陸地点を間違えそうになったが、中洲にとめ、岸に上げてワンダリング終了。
上陸地点を幕場と決め、回送に走ることにした。区間は20km近くあり電車とタクシーを使う予定だったが、運よくヒッチハイク出来たのであっという間に回送も完了。途中リーダーが携帯を落として、他のメンバーが交番まで取りに行ってくれるという事件もあったが、無事終了。
ワンダリング終了の電話をいれ、温泉につかり夜はキャンプファイヤーをした。雨が降りテントの中に入ると、合宿のつかれが一気に出てきたか、すぐに寝てしまう。
翌日は富良野・美瑛観光を済ませると、最後は飛行機で東京へ。
あっという間の2日間でした。
シーソラプチ川・空知川はワンゲルで行く機会は少ないと思うが、北海道まで来たときは是非足を運んでほしい。ちょっと遠くても無理やりくる価値はある。水はめちゃくちゃ綺麗だし、瀬の迫力もある。後ほど調べてみると今回は水量がかなり多めだったようだが、それでもにごることなく美しい水を湛えている。減水時は少し瀬の迫力も落ち、テクニカルになるかもしれないが、夏の一日を過ごすには最高の川である。
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