75代年間方針『成長』

 

仙ノ倉谷 西ゼン 2008/10/11-12

沢登り

 

期間  2008年10月11日~12日
地域  仙ノ倉谷・西ゼン
メンバー  L廣光OB SL倉本OB 安倍 鈴木 若林恵

 


 

 10/11(土)
東京=越後湯沢駅S.B.

 

 この日中に越後湯沢駅集合でステビ。鈍行の終電が21時頃と早いので、越後湯沢駅周辺を散策した後、駅前のラーメン屋で時間を潰し、23時頃に新幹線で来られた倉本コーチと合流する。明日の予定を確認していたところ、5:00にタクシーを予約しているのに、駅が開くのが5:30以降で、寝具を入れるコインロッカーもそれからでないと使えない事が判明。連休ということで、タクシー会社に連絡しても予定は変えられないとのことだったので、駄目元でセブンイレブンの店員さんに荷物を預かって頂けるかとお願いしたら快諾して頂けた。越後湯沢駅は24時にドアが施錠されるので、駅前下のスペースへ移動して就寝。

 


 

 10/12(日) 曇のち晴
5:00越後湯沢駅=(タクシー)=5:30車止めゲート-6:25大根下シ沢出合-7:15イイ沢出合-8:23第2スラブ帯手前2段15m滝-9:33平標新道手前藪内-11:05/12:05平標山-13:35平標山登山口=(バス)=越後湯沢駅

 

 4:30起床。セブンイレブンの店員さんに荷物をお願いして、5:00にタクシーで越後湯沢駅を出る。仙ノ倉林道と伝えたのに、運転手さんが勘違いして土樽駅の先まで行ってしまったので、やや時間をロス。戻って仙ノ倉林道に入り、車止めゲートに到着すると、すでに10台程度の車が止まっている。さすが紅葉ピーク時の連休。タクシーを降りてすぐに行動開始したので、おそらく我々が本日最初の入山パーティーだろう。

しばし林道を歩いて終点に到着すると、左に小さなつり橋があるので渡り、ここからさらに登山道を進む。そして車止めゲートから約一時間で、入渓地点に到着。右手には仙ノ倉谷越しに、日白山が間近に迫る。本日は晴れの予報だったが、いまいち雲が取れず、やや暗めの天気。紅葉は晴れてこそ映えるので、やや口惜しいが、今後の天気回復に期待して出発する。

 

ダイコンオロシ沢出合しばしのゴーロ帯を経て西ゼンへ

 



イイ沢出合付近からが西ゼン本番!
第一スラブ帯付近まで展望が開ける

 

 大根下し沢に入渓すると、早くも西ゼン上部のスラブ帯辺りまで見ることができる。一時間弱ゴーロ帯を歩き、イイ沢出合付近で右に曲がると、眼前に第一スラブ帯下部までの展望が一気に広がる。ここからがいよいよ西ゼンの遡行、気合を入れ直して行動開始。

東ゼン出合辺りから25mナメ滝や、20mナメ滝が続き、西ゼンらしいスラブの歩きを楽しめる。スラブは一度滑るとなかなか止まらないので、安全を期して巻きがちになるが、不用意に巻き過ぎると上部でいやらしいトラバースをするハメになったり最悪戻れなくなるので、慎重にルートを判断して場合によってはスラブの中央をガンガン進むことも重要となる。

ただし、場合によってはワンスリップ時のダメージがかなりでかいで、足裏にしっかり荷重をかけてフリクションを効かし、且つスピーディーに行動することが求められる。

今回唯一沢登り初体験の新人安倍が、初心者とは思えない身軽さで登っているのが印象的。遠心力ダッシュなども活用し、ナメ滝の緊張感を楽しみながらサクサクと登って行く。

 

西ゼンと言えばスラブ水流中央突破に挑戦する新人安倍

 

超スラヴィー♪遠心力ダッシュ!!

 

 6mチムニー滝は、滝手前の左壁から巻く。そしていよいよ、第一スラブ帯に突入。目の前に、紅葉に染まる岩峰の下、広大なスラブ帯が姿を表す。ルートは左右どちらも取れそうだが、我々は右側の乾いた部分を進んで行く。難易度的にはそれほどでも無いが、スリップしたら遙か下まで落ちて致命傷を負う可能性が高いという恐怖心が加わると、体が硬直してなかなか本来の力が出せない。歩くか岩に掴まるか微妙な傾斜であり、垂直に走る細かなクラックを頼りに慎重に登って行く。スラブ帯上部では早めに左にトラバースしないと、前述した通り進退極まってしまうので、的確なルート取りが求められる。

倉本さんと鈴木は早めにトラバースに成功したが、残りのメンツは左に詰め切れずにスラブ上部まで来てしまったので、やや微妙なトラバースをして合流。なかなか緊張感のあるスラブ登りであった。2段15m滝の手前で一本を取り、一息付く。

 

6mチムニー滝今回は左側から巻く


第一スラブ帯入口の滝左壁を登ると・・・

 

眼前に広がる大スラブ帯!!水流右側の乾いた部分を登る

 

上まで登り過ぎず、早めにトラバース第一スラブ帯を登り切り、安堵の表情

 

 滝を右の巻き道からクリアし、草付きを左へトラバースすると、すぐに第二スラブ帯に突入。こちらも中々の迫力で、斜度も第一スラブ帯よりあるが、逆に手でホールドを掴みやすくなるので、難易度的には簡単。ルートとしては、水流右側や水流中央もあるが、我々が進んだ水流左側は、スラブ帯上部でしっかりしたルートが出来ており、かなり安全に登ることができる。倉本さんは水流中部を突破してきたので上部で合流。

第二スラブ帯の最後の小滝は左側から登るが、ここで恵一朗が足を滑らしてまさかの滑落。一瞬心臓が止まるかと思ったが、なんとかすぐ下の傾斜が緩いところで止まる。もし勢いが強ければ、第二スラブ帯を一気に落ちて行ったと思うのでかなり焦ったが、なんとか一安心。深呼吸をさせて、しっかり第二スラブ帯を登り切る。

 



2段15m滝を右側から巻くと・・・

 

そのまま第二スラブ帯に突入!今度は水流左側から登る

 

スラブ帯中央で、新人集合写真上から見る第二スラブ帯

 

中央突破中のKコーチ上部は左から容易に登れる

 

 スラブ帯を抜ければ、西ゼンは一気に源頭の様相を呈す。水流沿いに右側へ詰めて行くと笹藪となるが、微妙に踏跡があるのでそのまま進む。しかし開けたところで、踏跡が消えたので、左側へ藪を漕ぎながら進むが、この判断が失敗だった。後はひたすら笹藪、ブッシュとの死闘。少し高度を上げると、さっきの開けた部分の右側にルートの様な開けた部分が見えたので、そこがおそらく詰めのルートだったのだろう。そのまま藪を上まで詰めるのは大変そうなので、頑張って右側へ笹藪を漕いでトラバース。なんとか開けた部分に合流したので、一本を取る。西ゼン源頭は笹藪が広がり、見ている分には気持ちよいが、藪漕ぎに慣れていない新人はややぐったりしている。


ここからは、少しガレた開けた部分を繋いで登って行けば、すぐに登山道に合流。池塘が点在しており、秘境の趣がある。ここから数分登山道を歩けば、平標山に到着。山頂は紅葉目当ての登山客で溢れかえっており、かなり賑やか。沢中で濡れて寒いので、お湯を沸かしてコーヒーとカップラーメンを作ろうとする…が、ガスの火力が弱くて全然火が湧かない。新人があまりにも寒さをアピールしていたので、横で昼食を取っていた御夫婦が見るに見かねて、お湯を沸かすのを手伝ってくれた。しかも、所持品のインスタント味噌汁×3まで差し入れしてくださり、感謝感謝の一言である。今までは山頂付近はガスっていたのだが、お湯を沸かしている間に晴れ間が広がり、近くには仙ノ倉岳や苗場山、遠くには奥秩父・富士山・八ヶ岳・浅間山・頸城山塊などの展望が広がる。差し入れも頂き、天気も回復し、心も体も温まった山頂であった。

 

第二スラブ帯終了後の小滝ここからは源頭の趣

 

藪漕ぎ苦戦中・・・池塘のある登山道に到着!

 

気持ちの良い稜線笹藪ストレート♪

 

池塘≒秘境の象徴平標山頂!!

 

仙ノ倉岳へ続く登山道山頂はハイカー大集合

 

 12時頃に、平標登山口のバスの時間に合わせて下山開始。あり得ないぐらい整備された登山道を下山する。平元新道辺りの紅葉が素晴らしい。約一時間半でバス停に到着し、山行終了。三国峠越えのチェリダーがやたら多い。

その後はバスで越後湯沢駅に向い、駅内のぽんしゅ館にある風呂で汗を流す(800円)。15時を逃すと17:55まで上り電車がないので、駅前の精進料理屋で打ち上げ。その後、電車に乗り、水上駅で笹穴沢へ行くメンバーと帰京組で別れ、解散。

 

顕著な苗場の稜線を見ながら歩く整備され過ぎの登山道

 

山肌は紅葉真っ盛り紅の発色が眩しい

 

松手山辺りから平標山越後湯沢駅前の精進料理屋で打ち上げ

 

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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