御正体山鋸刃ヤブワンダリング報告書
日時:2003年2月1-2日
メンバー:L森田哲(48代) 大庭(2年) 武井(1年)
地形図:御正体山、都留 1/25000
道志山塊の最高峰御正体山の北西に、文台山、尾崎山を経て桂川まで伸びている道のなさそうな尾根が地図で目立って仕方ないので、久々にヤブを求めて入山してみた。
2月1日(土) 都留市駅ステビ
東桂駅でステビして、朝タクシーで登山口へ向かおうと富○タクシーに問い合わせると、今日は都留市まで来てそこにいるタクシーに聞いてくれとのこと。そこにいる運転手に朝4時半に出て欲しいと頼むも早すぎると渋られ結局5時に出ることになる。荷物積むときトランク閉めようとしたらそんなことしたら壊れちゃうよってぶつぶつ言うし、あきらかに嫌がっている。朝東桂駅をタクシーで通過したのだがその時点で1500円を越えていた。なんかやな感じである。
2月2日(日)
池の平540-林道終点あたり640/650-Co1300上人堂跡手前802/812-Co1530峰宮跡手前920/930-御正体山1050/1105-1328ピーク1241/1251-ハガケ山1422/1432-文台山の肩1630/1640-細野1740-谷村町のラーメン屋1900ごろ
というわけでタクシーで鹿留川を池の平まで上がる。林道終点までいけたらよかったが雪がべったりでそれ以上は入れない。1週間前の南岸低気圧はこのあたりにも大量の雪を降らせたようである。林道の雪は足首程度。林道終点までが結構長い。登山道に入ると、尾根は南斜面なので雪は少ない。鹿留分岐あたりからまた雪が多くなり、峰宮跡からは時おり膝上のラッセルがある。山頂までコースタイム2時間半のところ5時間以上かかってしまう。道志の山といえどもさすがに南岸通過後は侮ってはいかんようである。山頂は渋い広葉樹に囲まれた静かなところであるが、祠がほとんど埋まるくらいの積雪がある。道志川からのトレースはあるようである。
山頂から鹿留分岐まで戻り、北西への尾根に入る。切り開きでも道でもないのだが尾根付近はなぜか大雑把に刈り払われており、ごくたまにテープもある。踏みあとは積雪のためあるのかどうか分からない。少なくともここ1週間はここに入った人はいないようだ。1328までは大きく下る。刈り払いのようなものもこのあたりまで。二つばかり小さな登下降を繰り返すとコルから10メートルほどの岩場の攀じりがある。潅木につかまりながら這い上がり、シュリンゲを出して待つ。ぱっと見ちょっとびびるが潅木のおかげで問題なく登れる。さらに登下降を経てハガケ山へ。1時間で地図上で2センチちょっとしか進まない。この時点で日没までに安全な場所まで到達できるか大いに不安になる。ルートは笹薮はあるものの濃いわけではなく、尾根も顕著である。しかし小ピークが多く登下降は概して急で、そのためピークからの下りはじめでルート選定に極めて慎重になってしまう。雪は深いところで膝くらい。
先を急ぐ。ハガケ山からのくだりが急であるが特に問題はない。肩に1211の標高点のあるピーク付近より笹が濃くなってくる。笹の薄いところは雪が深い。やがて激しいアップダウンがなくなりゆるゆるといくつかピークを越え、(確か)1225を越えると笹ヤブもなくなり、雪のたっぷりあるナイスな広葉樹の尾根となる。まるで東北の山のようである。一登りで文台山の肩に着く。ピークはすぐそこなのだがもう日没まで時間の争いなので下山を決める。ここから北西へ伸びている尾根はプレートがありハイキングコースとして手が入っている。一気に886手前のコルまで下り、そこからたいへんによく手入れされた植林帯をざくざく下って、ランプ点灯直前に林道に出る。
細野からは今日歩いてきた尾根がすべて見える。上にいるときは何の感慨もなかった御正体山が一際大きい。続く尾根は鋸刃といわれるくらいで細かいギザギザしたポコがたくさんある。ここまで出すでに12時間歩いているが、予想通りバスがなかったのでさらに1時間半近く歩いて都留の町まで帰る。久々に体も頭も駆使した山行となった。
ここは初心者のみの入山は全く不可である。常に地形図で現在地が確認できることが条件であろう。ヤブに突入というレベルのヤブはそんなにたくさんはないが、アップダウンが急なため時間はかかる。尾崎山を越えて東桂まで行く行程は、日照時間が長く、落葉後で尾根の見通しが聞き、ラッセルで時間をそんなにかけずに御正体山まで入れるようなときでないと厳しいと思われる。ちなみに文台山まででもおなかいっぱいである。大庭、武井には読図のよい経験になった(んだったらとりあえずLとしては喜ばしい。)
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