75代年間方針『成長』

 

奥多摩 鷹ノ巣谷 2001/5/20

沢登り

山域:奥多摩、鷹ノ巣谷

期間:2001年5月19日(土)~20日(日)

メンバー:L栃谷 SL宮崎 倉本 伊藤 辻

 1830過ぎ、奥多摩駅に到着。やたら寒く、半袖短パンの出で立ちをちょっと悔やむ。改札で倉本と合流。宮崎と伊藤・辻は一つ前の白丸駅から無人の改札を抜けて歩いてきたらしい。成り行きで怪しいおじさんの車で東日原まで入ることに。挙動不審のこのおじさん、「これから大宮まで帰るのにガソリン代なくなっちゃってさあ」とか言ってたが、華麗なハンドル捌きを見るとどうやらこの付近で定期的に白タクをやっているようだ。1900過ぎ、東日原着。五人分で2000円を渡すと、満足げに走り去っていった。

 エレキをつけ、バス停から10分ぐらいメインストリート(?)を登っていくと、左に「鷹ノ巣山登山口」のしょぼい看板がある。この看板沿いに河原の方へ下りていき、巳ノ戸橋を渡ってすぐ左に河原へ下りる。ここの河原はそこそこ広く、幕場適地である。ツェルトを三張り張って早速焚き火。メシは手抜きでコンビニ弁当だが、Lは100円均一でインスタントの味噌汁を買ってきたので、これでけっこう幸せ気分。宮崎のビール、倉本のつまみと差し入れも出てきて、通り雨も過ぎ星空の下、しばし至福のときを過ごす。2230就寝。

 20日。430起床、メシを食い沢装をつけ、不要なものを一まとめにして枝をかぶせる。535出発。オーダーは宮崎、辻、倉本、伊藤、栃谷。入渓点は幕場のすぐ脇、この沢はアプローチが楽でよい。新人二人が一緒だが、結構いいペースである。最初の方の小滝は問題なし、10m地蔵の滝はスタンスが少ないが3段で傾斜もありまったく問題ない。堰堤を越え、ゴーロ歩きの次は核心のゴルジュ帯・・・のはずが、なんだかやたらに倒木や浮石が多く沢が荒れている。このへんは前はもうちょっと楽しめたはずなのだが、残念。20m大滝に期待が高まる。

 と思ったら伊藤(以下林太郎)が肩で息をしている。ここまで結構いいペースで登ってきたが、一人20キロの体重ハンデをしょっての遡行が予想以上にきついようだ。小滝でズリ落ちたので、一本とって体を休め、20mにとりつく。

 この滝はかなりの迫力あり。一見危なそうだが傾斜が緩く、カンテ状のしっかりしたスタンスがついているので容易に登れる。念の為、残置ハーケンと木の根からランニングビレイをとってトップ宮崎が登り、落ち口上の倒木を視点に確保してもらって

登った。特に問題なく全員直登でき、皆満足顔。

 20m大滝を越えると沢は支流を分ける。1本目の支流、水ノ戸沢に入る。手前の日当りのいい場所で一本。小滝とガレが続くが大したことはなく、快調に進む。ツメの沢を一本間違えた?ようだが、尾根一本ならたいしたことないだろうと、そのまま尾根に上がり稜線を目指すことにする。笹ヤブが出てくるがこの時は全然まばらで、遡行ガイドの「結構辛いヤブ漕ぎ」なる記述を見てビビッていた一同は「何だ全然余裕じゃん」と高をくくり、次の一本で稜線に出る気満満で一本。しかし真のヤブはここからであった。背丈ほどの笹が体を入れる隙間も無いほどの密度でびっしりと茂っており、腕と体で笹に体当たりするような感じで、強引にヤブを払っていかなければならない。傾斜もけっこうきつく、「あと後少しで稜線パワー」を出していた林太郎は特に消耗が激しいようで、時折立ち止まっては肩で息をしている。それにしても直上コースは腕や足に笹がドスドス刺さって痛いことこの上ない。踏み跡沿いに尾根をトラバースし、ヤブの切れた沢沿いの斜面で一本。まだ比較的平気そうな辻を尻目に「暑くてたまらんですわ」という林太郎に体温調整をさせ、「ほらもうあの稜線だから」とすでに5回目ぐらいの台詞で励まし、最後の一本。トップを倉本に代わってもらいガンガン飛ばす。

 と、倉本の歓声が聞こえた。稜線に出たようだが、こっからではそれらしきものは全然見えもしない。コールをかけるとすぐそばから帰ってきて、なんでもいいからこっちに向かってこいというので、「いてまえ林太郎~」と最後の力を振り絞って突破させる。と、いきなり視界が開け、稜線上の眺めのよい登山道の脇に飛び出した。新人の健闘を称え勝手に盛り上がる我々の姿は、平和なハイキングコースにおいてかなり浮いており周囲の登山者からかなり白い眼で見られていたような気がする。すぐ上に山頂が見えるのでとっとと上がって一本取ろうと登り出すが、林太郎はここまでですでに精根尽き果てたようで、いくら声をかけてもカメさんペースであった。

 1225、山頂着。あのハマリが無ければコースタイムぐらいだったのだが・・・。ともあれそこらじゅうに腰掛けお弁当を食べたりスケッチをしたりしている中高年に混じって我々も腰を下ろし、青空の下レーションを食べしばし寛いだのであった。

 帰りは稲村岩尾根というのを下るのだが、方角も傾斜もたいしてかわらない、展望全く無い坂道で、これを3時間も下るとさすがにちょっと疲れる。すれちがう登りの中高年の方々もだいぶもてあまし気味で、中には真剣に撤退を検討している家族連れもいて非常に気の毒なことだ。

 1530、河原C0着。デポ品を回収しパッキング。辻と倉本はひと泳ぎしようと試みるがあまりの水の冷たさに断念。それでも倉本は根性で1回だけ頭まで川に浸かりブルブル震えていた。車道に上がり、バス停まで軽く歩く。そばの売店でめいめいビールやアイスを買い、車座になって乾杯。辻「沢登り、きつかったけど面白いですね」林太郎「・・・マジ死ぬかと思いました」最後まで対照的な感想の新人二人であった。
 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

関連記事

最近の活動

コメント

この記事へのコメントはありません。

アーカイブ
TOP