錬成合宿報告 新人比呂増彦

Posted on 6月 30, 2014 in ブログ, 合宿記録

こんにちは。
新人の比呂です。

無事先発隊として錬成合宿を終えることができました。

まず、出発の際に見送りに来て頂いたOBの皆様、今回の合宿を一から準備して頂き合宿中も丁寧な指導をしてくださった先輩方、そしてサポート役として帯同してくださったH下さんにこの場を借りて感謝の意を示したいとおもいます。
本当にありがとうございました。
 
さてここからは、自分の視点から見た錬成合宿の詳細を報告していきたいとおもいます。

OG・OBの方々、そして新人の原に見送られて出発

OG・OBの方々、そして新人の原に見送られて出発

 
詳細な報告をしようとしたところとても長くなってしまったため、まとめをはじめに書いておこうと思います。

今回の錬成では、普段の生活では得られないかけがえのないもの得られた気がします。
下の文では新人F島を散々に言っていますが、彼の自由奔放な性格に自分や他の者も(多少?イライラしていたかな。)かなり癒されていました。他の新人や先輩にも助けられました。設営や食当で皆に頼りにされていたK、自慢の洋楽を他の登山客がいようとも歌い続ける、Y岡。下界では陽気だが、いざ山に登るとなんでもそつなくこなし、新人の目標となっていたN嶋先輩。誰にでも優しく接し、決して弱音を吐かず、新人に熱狂的なファンが多い仏様H下先輩。そして無尽蔵の体力を活かし、新人がばてたときは叱咤激励し、場が沈黙すると、すかさず「歌え。」と命令し、場の雰囲気を盛り上げるS木主将。今回の錬成はこの7人がいることで、つらい時でも最後までやってこられたのかなと思います。
 
 
6/18
とうとう来てしまった錬成合宿出発日。しかし自分含め新人誰一人準備を終えていない・・・。一日中走り回り何とか出発前ミーティングの10分前に準備が終わる。こんなので錬成大丈夫かと不安になる。そして部室から集合場所の新宿西口へ。ザックを背負い新歓以来の重さにビビる。

集合場所に到着すると多くのOBの方々がいらっしゃってくださった。これから錬成なのだと実感が湧き、いざ出発。出発地である小淵沢に到着し、バス停から就寝場所の道の駅へ約30分歩き、到着後就寝。
 
 
6/19
4時に起床。今日から本格的な錬成が始まる。起床してすぐに感じたことが先輩方のパッキングの早さと正確さである。自分がシュラフで苦戦しているときに隣のS木主将はすべて終わり悠遊と朝ごはんを食べている。自分の実力不足を痛感し道の駅を出発した。まずは下界を含めた観音平の行程平坦な道のりであり、あっという間に1枚目の地形図が終了した。

錬成初の山として編笠山を登頂する。ここで新人Kが錬成前から痛めていた股関節の痛みが再発し始めていたので、早期の対策として団配の食袋を自分が、2Lの水を新人のY岡に振られた。ここまで歌を歌いながら楽しんでいた自分とY岡の口数がここから激減する。そこから一気に山頂まで登頂。山頂に到着後、山座同定を新人は習う。その後感動する間も無く、すぐ下りが始まる。岩山を初めて下る自分は皆のテンポの良い下山に戸惑う。何故転ぶ恐怖が無いのか不思議で仕方がない。この錬成において岩山の下山が自分の課題であった。

無事下山後、青年小屋で水を汲む。ここから初日の最大の山場である権現岳の登頂が始まる。自分の想像を超えた急峻な山が目の前に立ちはだかる。登るというよりよじ登るという感じであった。頂上だと思った山頂がただのピークで、また急峻な山が現れるという繰り返しが何度も続き、肉体的にも精神的にも削られた。この時新人のF島は「だまピークだ」と文句をたれていた。ここで一言加えると、この新人F島は今後このブログで何度も出てくるだろう。彼の破天荒の行動や性格がこの隊を深くイラツカせ、かつ和ませてくれた。

そして権現岳が終わりキレット小屋に到着した。到着後すぐさま、設営が始まるが疲れで足が動かず、四回目でやっと成功する。そして食当。ここで新人F島が名言を残す。彼の食当ペアであるY岡が「足を組み替えたい」といった時、彼はなんと「ちょっと待って。」といった。おそらく長いワンゲルの歴史で、食当のペアの頼みを拒んだのは彼だけだろう。その後も二人の息は合わず、F島が少しだが水をこぼす等、順調とは言いがたい食当であった。そして米量が多いことも相まって、おもいっきり焦がした。洗い茶の際、コメコにはコーヒーが出来上がっていた。何とかできたのがキムチ鍋。N島先輩は味付けを気にしない方らしく豪快にキムチ鍋の素を2本ぶち込んでいた。味はノーコメントとしておく。ここで新人F島が「食欲が全くない。」と言い出す。因みに彼は下界では大食漢である。結局彼は殆ど焦げた米を食すことなく、他の者達が代わりに食した。彼には申し訳無さそうな様子はない。

無事食当後、上級生がミーティングする中、新人同士で今後の展開に恐怖していた。その後TPが始まる。ここで地獄が待っていた。飲み物の材料にショウガがあるのだが、N嶋先輩がS木主将にショウガの瓶を渡してしまう。これが間違えだった。S木主将は躊躇無くショウガをチタコにぶちまけた。なぜためらわないのか理解できない。そこでできた物を恐る恐る飲むと喉に激痛が走った。人間が飲むものではなかった。何とか飲み終わり、就寝。やっと休めると思ったが暑くて眠れない。とにかく暑い。次の日新人に聞いてみると、皆暑くて眠れなかったようだ。これはとにかく慣れるしかないようだ。
 
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6/20
3時半起床。恐怖の2日目が始まる。2日目は行動時間こそ短いが自分が苦手な鎖場が多く気を引き締めていきたい。何とか食当も終え片付けのパッキングも終えるが二分オーバー。原因は協力して片付けが出来なかったから。自分のパッキングだけが終わればいいという訳ではない。次からは気をつけたい。

そして出発。錬成中最も標高の高い赤岳頂上まで一気に進んだ。自分を除いた新人3人は皆楽しそうに鎖場を登っていく。想像以上の高さに恐怖する自分は「こいつらは猿の直系だ」と思い込みながら、皆に食らいつく。その後赤岳登頂後も同じような岩場の登り、下りが続き横岳も登頂する。そこからは硫黄岳の安定した道が続き無事登頂後硫黄岳頂上でタッパー飯。タダでさえこげ臭いご飯が冷めて美味しいわけがない。ラー油でかきこむ。食事中N嶋先輩の観天望気講座が始まり、十種雲景の復習をせねばと感じる。食後和やかな雰囲気で硫黄岳を下山。この時地獄が始まるとは思っていなかった。

根石岳へ緩やかな登りが続き歩きのペースが速くなる。この時自分の前を歩いていたH島のペースが落ちる。やはり皆きつそうだ。根石岳山荘に到着後、予定通り水を汲む。ここで隊を2つに分ける。先発隊としてH下先輩、新人Y岡、F島が行く。その後残りのメンバーが汲んだ水を持ち、後発する。ここでS木主将が「走って先発隊を追いぬくぞ。」と言い始めた。始め聞いた時自分は理解出来なかった。

「走る?」「水が増えたのに?」「目の前には急な山があるのに?」

きっと冗談に違いないと思った。しかしトップのN嶋先輩が走り出した。辛い。死ぬほど辛い。しかしS木主将が絶妙なタイミングで発破をかけてくる。

「まだまだ行けるでしょ。」「ほら頑張れ!」

こんなこと言われたら誰だって頑張ってしまう。暫くするとF島達の背中が見えてくる。そうするとS木主将のギアがまた上がる。この時自分は大学入学後初めて目に涙が浮かぶ。F島達を追い抜き後の下りもS木主将ペースは落ちない。ある程度進んだ後少し休憩をとった。そこでまたS木主将の口から衝撃の言葉を聞く。

「よし。一回F島達の所まで戻ろう。」

俺がこんな頑張って下ったのは何だったのだろう。しかし考える間もなく、N嶋先輩が出発する。この人達はバケモンだと痛感する。五分程度登っているとF島達が見えてきた。彼の悠々と下る姿を見た時は控えめに言ってイラツイた。全員が合流しその足でC2キャンプ場の黒百合ヒュッテに到着した。

到着後早速設営。今回は時間ギリギリで一発クリア。C2の食当は自分と新人Kのペアであった。食当はKが上手にリードしてくれた為何とか出来た。しかしこの日完成した料理は今回の錬成で最強の敵となった。その名はすき焼きである。もちろん肉はサラミである。例の如くN嶋先輩は分量を気にしないらしくすき焼きの素を2本ぶち込む。味見をしてみると、濃ゆい。凄まじく濃ゆい。そこで水を大量に継ぎ足す。そして出来たのが莫大な量のやや濃ゆいすき焼きもどきである。配食が終わりいざ食べようとした時、新人F島からまた「食欲がない」という言葉が出る。ここからはF島に深い恨みを持つY岡に語って貰う。

『説明しよう!F島はマズそうな食事を前にした時、自分の体調をコントロールし、食べることを回避できるのである!もうなんなのであろうか。食の錬成と言うが、確実に意味が違う。すき焼き?いいえ、ただの甘醤油汁です。誰とは言わないがこのメニューを考えた者は一生新人に根に持たれることであろう。』

以上、Y岡の言葉であった。他の者に戦慄が走る。この莫大な量のすき焼きもどきを六人で食すことができるのだろうかと。結局F島を除く六人が一人当たり3杯程度飲みきった。食後新人は皆トイレに駆け込んだ。

何とか飲みきりミーティングも無事終了後、S木主将が動き出す。フルーツポンチを作ってくださったのだ。今日一日地獄の大魔王に思えた主将がその時は神に思えた。すき焼きのダメージが大きかったのもあるだろうが、きっとあの味は忘れないだろう。フルポンを美味しく頂いた後、無事就寝。明日は今日より更に長期となるから頑張りたい。
 

硫黄岳山頂にて

硫黄岳山頂にて


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3時起床無事時間通りにパッキングが皆終わる。少しはこの錬成で成長できているのだろうか。早速出発。中山と丸山を数回駆け上る。三日目となると、緩い山ではあったが、みんな慣れてきたようで、軽快である。丸山下山後麦草峠に到着。一瞬だけコンクリートを踏みしめる。ついにここまで来たかと感慨にふける。

しかし三日目はここからが本番である。大石峠で休憩後、傾斜がきつい茶臼山と縞枯山を休憩なしで一気に登る。縞枯山頂でやっと休憩。さすがに皆疲れている。ここでH下さんからOBの差し入れとして、ゲル状の食べ物をもらう。何とも言えない味ではあったが体力は回復する。

休憩後縞枯山を下山し、また雨池山を一気に登り北横岳も登る。北横岳登頂後新人F島が「全然横じゃないじゃん。縦岳じゃん。」と文句をたれるが、この言葉を残して、彼は三日目絶命する。実際横岳は山頂到着後西へと伸びるのだが、ここでF島の体力は尽きたようで彼のペースがかなり遅くなる。横岳の西端に到着し休憩をとると、彼はへとへとのようであった。

横岳の山頂では偶然早稲田ワンゲルの39代のOBさんと出会う。大先輩からおにぎりの差し入れを頂き、久しぶりの白米を堪能する。F島の体力も回復したようで最後のとかるか幕営地である双子池ヒュッテへと出発する。地形図を見ると平坦でなだらかのように見えたが、実際に通って見ると、岩場が永遠と続き、またF島のペースが極端に落ちる。しかし最後の力を振り絞り、何とか到着する。ここで雨が降って来る。予報では三日目は一日中雨であり、自称晴れ男のF島のがんばりにお天道様も微笑んでくれたのでしょうか。最後の設営もなんとか成功し、最後の食当が始まる。

そこで問題が発生する。水の汲み場が一キロ近くあったのだ。そこで自分は池の手前の水が入り込む場所で水を組んでいたのだが、S木主将はちまちました作業にイライラしたらしく、流れ場の草を抜き出した。確かに水の勢いは増したが、一瞬にして泥水になった。これが飲めるわけがない。ちなみS木主将は豪快に笑っていた。結局湖の微妙に汚い水を使う事になった。

三日目の食当係は初日のペアであるF島とY岡であった。彼らは二回目の食当であり、きっとスムーズにいくだろうと思っていたが、それが間違いであった。F島のことをなめていた。彼は三日目でバテていたのもあったのだろうが、かなりイライラしていたようで、色々と間違いを犯した。一番すごかったのはチタコの蓋を彼が片手でバン!と締めたことだ。これには食当見のN嶋先輩絶句していた。そんなこともあったが、何とか成功しカレーが出来上がった。このカレーは今までの食事で一番美味しかった。きっとF島は今までのように「食べない。」と言うだろうと思っていたのだが、彼は難なくカレーは食べるのである。もうなんなのだろうか。彼の都合の良い胃袋を見てみたい。

無事食事も終わり、最後の宴が始まる。新人や先輩の一言があったのだが、結局F島に対する文句に収束するのである。その文句に対しF島は全て見に覚えがないようだ。彼の強靭なメンタルは見習うべきである。そして10時になり就寝。
 
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6/22
3時半起床。最終日だけあって、皆の動きは軽快である。無事食当も終わり最後の蓼科山へ向かい出発する。
最初の双子山は難なくクリアする。ここであることに気づく。今まで静かだったF島がやたらうるさい。
「やあ!」とか「うお!」等やたら叫びながら、軽快にすすんでいく。昨日までのバテようが、うそみたいに彼は元気である。きっと最終日までとっておいたのだろう。歌を振られていても昨日まではいやいや歌っていたが、最終日になると「キルミーベイベー!!」とシャウトしていた。ちなみにF島が気持ちよく歌っている時、Y岡は気持ち悪くなっていたらしい。そんなこともあり皆満身創痍の中、蓼科山を登頂する。前夜自分は感動するのだろうかと思っていたのだが、実際登ってみると泣きそうになった。ついに自分もワンゲルの一員になれたかなと思ったりした。

感動もつかの間、寒いため速攻で下山する。下山後もF島は元気なようで残酷な天使のテーゼをシャウトし「すっきりした。」と喜んでいた。他の者は沈黙である。最後の山、八子ヶ岳。地形図では簡単な山のように見えたが、甘かった。本当のラスボスはこの山だった。八子ヶ岳到着後いきなり傾斜のきつい坂を一気に登る。気持ちが緩んでいた自分にとってかなりきつかった。坂をこえとうとう到着だと確信する。しかし違った。S木主将から「走れ。」の一言が。まさかと思ったが先頭のN島先輩は走り出す。ここがほんとに最後の踏ん張り所と思い、皆懸命に走る。
 
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そしてとうとうホントに到着する。皆から遅れてY岡も最後まで走って到着。
フィナーレのスイカ割り(N島先輩の嬉しそうな顔は忘れません。)も無事成功し、最後は白樺湖まで下山。
白樺湖にたどり着き温泉で癒され、打ち上げをし、無事解散。
 
 
長文失礼しました。  文 新人 比呂増彦
 

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