67代錬成合宿 甲斐駒仙丈隊 2016/6/7-11

登山・縦走

こんにちは。新人の植原です。
6/6~6/11にかけて南アルプスを舞台に行われた、67代錬成合宿甲斐駒仙丈隊について報告します。
今回の参加メンバーは、N嶋さん、F島さん、I川さん、K濱さん、S野、M田、そして私でした。私たち新人にとっては初めての錬成合宿で、様々な試練を乗り越えた反面、それぞれにとって大きく成長した側面もあったのではないかと思います。

●6/6 高田馬場駅―韮崎駅―竹宇駒ヶ岳神社 C0

18:20に部室に集合し、最終確認を行った後、高田馬場駅へ移動。監督、OB、ほかの隊のメンバーのみなさんが駆けつけて下さり、士気が上がります。差し入れも数多く頂きました。しかし、同期のU田からもらったピクルスはなぜか不評でした。もうしばらくは下界とは無縁なんだ…と考えるとなんだか切なくなりますね。(笑)さようなら、早稲田。さようなら、下界。
高田馬場からは電車を乗り継ぎ、韮崎駅へ。そこからタクシーで竹宇駒ヶ岳神社に移動しました。その日は駐車場にて就寝。

●6/7 C0-刀利天狗―七丈第一小屋 C1

この日は朝6時起床。ワンゲルの朝は「起床――!!!」で始まると、この時初めて知りました。そんなことに驚きを隠す余裕もなく、朝食をとり、撤収。部室では持ち上がった30kgのザックがなかなか持ち上がらないことに不安を抱きつつ出発です。いざ行かん!この時はまだ、錬成の「れ」の字も知りませんでした。



出発してすぐに、急登が襲い掛かって来ます。正直、出だしからしんどいと思いました。そして、しばらく進むと私は隊から遅れてしまい、団配解除になってしまいました。同期のS野やM田はスイスイ登っていきます。この時荷物を持ってくれた同期には、感謝してもし尽くせません。そこからは隊についていけましたが、途中で恐れていたダッシュが・・・。重いザックを背負ってダッシュをすると、走り終わった後死にそうになりました。

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すると、今まで行ったことないような危険箇所が現れます。少しでも気を抜いたら死んでしまうという恐怖に背筋が凍りました。

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そんなこんなで、刀利天狗に到着。上級生の余裕そうな感じと、すでに死んでいる私たち新人。合宿中、上級生との差を感じる場面が多々ありました。

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垂直にかかっている梯子だって乗り越えます。ちょっとでも後ろに重心をかけたら落ちてしまう。

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途中、隊についていけたので団配を再び回収すると、一気に足が重くなりました。どうして、先輩方や同期はあんなに軽々とのぼっていけるのだろう?隊から大幅に遅れ、壊れた酸素ボンベのような呼吸をしながら、やっとの思いで七丈第一小屋に到着しました。

●6/8 C1-甲斐駒ケ岳-長衛小屋 C2

2日目の今日は、甲斐駒ケ岳に登ります。朝の撤収ではパッキングについてもう一度考え直す必要があると感じました。行程中、人生初の雲海を見て驚いていると、N嶋さんは「別に普通だよ。」とおっしゃっていました。

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この行程は岩場、鎖場が多くて大変でした。まだ慣れない私は、全身の力を使って登りました。最近買ったジャージに穴が開いてしまいましたが、つべこべいってはいられません。
岩場を登り終えたM田。いい笑顔!

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その後も岩場は続きます。I川さんとS野。ファイト!実はS野は合宿中どうもお腹の調子が悪かったようです。

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そして、甲斐駒ケ岳に到着。差し入れのマンゴーゼリーのおいしかったこと。

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その後、長衛小屋を目指して下ります。ちなみにこの写真、私のお気に入りです。LINEのカバー画像にしています。(笑)なかなかいい写真だと思いませんか?

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さて、幕営地までは平坦、というところでまたもダッシュ。ケガをしたM田を除く新人のS野と私vs.K濱さんで、30秒差ついた方が罰ゲームのスクワットです。M田早く良くなってくれ!残念ながら私たちは負けてしまいましたが、S野曰く「この頑張りを皆に見てほしい」とのこと。F島さんにも一緒にやって頂きました。

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その日の夜ご飯はキムチ鍋。同期が全部食べられなさそうなので、代わりに私が食べました。こういうところでしか恩返しができない。そして就寝。もちろん爆睡。

●6/9 C2-小仙丈ヶ岳-仙丈ヶ岳-小仙丈ヶ岳-長衛小屋 C3

この日は仙丈ヶ岳ピストン。いつもよりザックが軽い…と見せかけて、ダッシュが待っていました。藪沢大滝ノ頭から小仙丈ヶ岳までダッシュ!この時は本当に死ぬかと思いました。山頂でのお汁粉を心の支えに頑張りました。

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あっ!こんなところにライチョウが!実はライチョウの分布南限は南アルプスだったんですね!ご存知ですか?

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その後は難なく下山(とはいっても、やはり下りは膝に来る)し、明日の2時起床に備え、早めに就寝。

●6/10 C3-栗沢山-アサヨ峰-早川尾根小屋-赤薙沢ノ頭-鳳凰小屋 C4

今日は錬成合宿最大の山場。行動予定時間は10時間半だが、去年は12時間かかったという。2時起床。学科の友人に話したところ、「それって寝る時間じゃないの?」とのこと。ワンゲルに入ると必然的に朝型になりますね。
4時、いよいよ鳳凰小屋に向けて出発。パッキングもだいぶ素早くできるようになり、少しは成長したのかな、と感じます。

読図中の一枚。合宿中、N嶋さんに手取り足取り教えて頂いたおかげで、だいぶ読図できるようになったと思います。まだ完璧ではありませんが…。

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そして、厳しい岩場を超え、偽ピークに何度も騙されつつ、アサヨ峰到着。雲一つない、快晴ですね。

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しかし、前半戦の最後、早川尾根小屋へは12:00までに着かないと予備日を使うことになってしまいます。何とかギリギリで、早川尾根小屋に到着しました。

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この時、少しでも休みたくて、F島さんに「タッパー飯食べたいです。」という謎の主張をしたのを今でも覚えています。

さて、ここからが後半戦。ここからの高低差が結構激しい。特に、高嶺までのあの岩場を一気に登るのは本当にきつかった。でも、先輩や同期の応援もあり、乗り越えました。ここでの差し入れは、なんと午後ティー!!疲れた体に染みわたります。500mLを新人で回し飲みすると、1分足らずで飲み切りました。(笑)ちなみに、後日下界で午後ティーを飲んだところただの甘い飲み物にしか感じなかったのは当然なのかもしれません。
そして、高嶺を出発。いよいよ鳳凰小屋まであと1本!!

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それにしても、南アルプスの景色は雄大で目の保養になると思います。普段は“工場”とよばれる理工キャンパスにいるので、こういう自然の風景にいちいち感動してしまう。

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賽の河原まで来たところで、式典をやることになりました。式典では全員で肩を組んで校歌を歌います。
♪都の西北 早稲田の森に~

山なのに、砂浜みたいな光景が広がっています。眼下に広がる久々の下界に、歓声を上げました。
♪進取の精神 学の独立~

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オベリスクも綺麗!
♪集まり散じて 人は変われど 仰ぐは同じき 理想の光~

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式典後はスイカ割りです。頭でスイカ割りました。(笑)寒かったけど、あのスイカの味は忘れられない。

その後、ようやく鳳凰小屋に到着。なんと14時間行動でした。

その夜は最終夜ということで、差し入れがこれでもかというほど出てきました。先輩方は一体、ザックのどこに入れていたのか、そう思ってしまいます。私もそれくらいの体力をつけたいと感じました。

周りに就寝中の方がいらっしゃったため大騒ぎはしませんでしたが、各人の感想が聞けて、私も刺激を受けました。でも、最終夜ならではのぶっちゃけトークの時はかなり盛り上がりました。

●6/11 C4-青木鉱泉

いよいよ最終日、下山日!今日も快晴です。まさに紺碧の空。今回の合宿は雨の予報を覆し、終始晴れておりました。時期を考えてもかなり珍しい。

途中、滝も見つつ…

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ひたすら下山します。下るだけですが膝の痛みが限界なので、油断せず、慎重に。

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そして、ついに青木鉱泉に到着!!!喜びを隠せません。
靴下を脱ぐと靴擦れやら指の内出血やらが大変なことになっていましたが、無事に下山できてなによりです。

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と、ここで青木鉱泉は使えないとのこと。そのかわり、白山温泉に行きました。実はこの温泉、ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智さんが経営しているんだとか。生命医科学科の自分としては気になるところ。久々のお風呂はやはり気持ちいい。私とS野は風呂上りにアイスも食べました。
その後、韮崎駅近くで食事をしました。久々に下界を感じ、大満足。その後、解散となりました。

今回の錬成合宿、けがをした部員もいましたが、隊全員で乗り越えられたことを喜びたいと思います。私自身としては反省点が多かったものの、錬成合宿は授業を切ってまで参加するものなので、少しでも自分の糧になるものを得ることができたと思います。つらいことだらけでしたが、この合宿はおそらく一生の思い出となるでしょう。

余談ながら、この隊の新人(S野、M田、私)は夏合宿でも一緒のようです。皆で力を合わせて頑張っていきたいです。

長文、失礼致しました。

植原俊太郎

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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