季節の足音~64代秋合宿 後発隊~

日常・感想

紅葉が頬を赤らめて、キャンパスの銀杏が秋の深まりを教えてくれるこの季節、先日まで早稲田祭で盛り上がっていたであろう早稲田キャンパスには祭りの後の静けさが広がっておりますが、私の中では筋肉痛と、明日のゼミの面接に対する不安の念が広がっております。
 
さて、このブログでは秋合宿後発隊、正式名称「後発隊」の行程をお伝えしていきたいと思います。
いつもは文章表現を重視している私ですが、折角良い写真がたくさん有るので、写真で皆さんに情報をお届けしたいと思います。

 

10月31日 秩父紳士と『あの花』

高田馬場駅集合。新人のH間が来れなくなってしまったこともあり、5人という少し寂しい人数。ありがたい差し入れを受け取り、西武新宿線に乗り込む。私が西武新宿線に乗り込む時は大体拝島駅で乗り換えて奥多摩駅まで・・・というのが多かったのだが、今回は西武秩父駅まで行き、秩父鉄道で三峰口駅まで。西武秩父駅はU山さんや私を初め、ワンゲル内外問わず多くの支持者を保ち続けるアニメ『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』、通称『あの花』の舞台であり、駅前の商店街は『あの花』一色であった。カメラ係の内山さんは写真を撮りまくっていた。

秩父の人たちは暖かい人たちが多く、奥秩父を縦走することを伝えると「荒川の源流を見ておいで」とか「もう一回雪降ったよ」とか色々教えてくれた。ホームにやってきた電車に対して「これは逆方向だよ」とまで教えてくれた。英国紳士と並び立つであろう秩父紳士の存在を知る。やってきた電車に乗り、三峰口駅でステビ。ステビには慣れているはずなのに、あまり寝付けなかった。外は結構冷えるが、明日からの山はもっと寒いのだろう。


『あの花』は地域振興に大いに役立っているそうでした。
実技で行った千葉県鴨川市は『輪廻のラグランジェ』、箱根は『新世紀エヴァンゲリオン』が同様に広まっていますが、箱根は温泉とエヴァの街になっています。

 

11月1日 登れ!雲取山!!

今日から11月である。5時15分起床。車で太陽寺まで行き、行動開始!林道を歩いて登山口を探し、山道を歩き始める。新人F田の歌は人を感動させる力を持つ。歌いながら登って登って雲取山荘へ。途中、61代N田さんから頂いた野菜ジュースを飲み、頑張る。

林道は紅葉が綺麗でした。

天気が良くて気持ちの良い秋の山。

雲取山頂直下の雲取山荘にて。とても綺麗な小屋です。ここからはダブルポリタン…。

私にとってはワンゲルで4度目の雲取山。(63代秋合宿で2回登ったことにすると5度目)都内最高峰であり、私はこの山に登頂したときに天気の悪かった記憶があまり無い。文字通り山が雲を取り去ってくれているのかもしれない…と勝手に思っていた。

今合宿で踏破する日本百名山の一つ目、雲取山の山頂にて。

Y村さんからの差し入れのファンタを飲み、雲取山頂からの急な下りを降りる。スタスタ歩いてC1地点の狼平到着。設営を行うが1回で3分が切れない。(新人の夏合宿以来続いていた私の連続成功記録はここで途絶えた。)2回目で何とか出来たものの、明日からは1発で終わらせたい。
装備係の私は速攻で団配を振る。事前に全ての日の団体装備の総重量を計算しておいたので、時間短縮になる。

テント設営。こら!ちゃんと腰を入れなさい!

食当ではF田が相変わらず泣きそうな顔で立膝と戦っている。足が攣ったりして大変そうだった。皆、その痛みを乗り越えているので頑張って欲しい。メニューはキムチ鍋。説明書通りの分量の筈なのに異常に辛くてハマる。差し入れの株は美味しいのだが・・・。隊内唯一の女子部員であるLのA木さんが一番最初に食べ終わった。他の男子部員は1.5~2倍の時間をかけて何とか食べきる。Y村さんは口内炎と戦っていた。

この日の夕食、キムチーズ鍋。チーズを入れたのは良かったが、米の量も多くて食べきるのが大変だった。
全体ミーティングをして就寝。明日は私にとって初めてのニサシ(2時起床・3時食当完了・4時出発)である。

 

11月2日 無限トラバース!!

新人F田の起床の声は控えめすぎて1発では聞こえなかった…気がする。急いでシュラフから出て食当口へ向かう。昨年の秋合宿で「食当見は寒い」と先輩が言っていたのがよく分かった。無茶苦茶寒い。フライの下からくる隙間風に耐えながら朝を迎える。

食事を終えたら撤収。F田のパッキングがとてつもなく遅く、(山荘祭で練習したように)本気の一喝。周りに人が居なくて良かった・・・いや、よく無い。

朝のパッキング指導。パッキングをする新人と、既にパッキングを終え、指示をしている2年生。

次回から絶対間に合わせるように念を押して出発。ここからのルートは3回目になる無限トラバース。6月の確認合宿でも歩いたルートで、当時のことをY村さんと思い出しながらひたすら進む。F田の読図は夏合宿からかなり成長しており、調子が良い。周りの地形も見えている。もう少し早く答えてもらいたいのだが・・・。

空は快晴だが寒さはかなりのもの。行動中は暖かくなって汗ばむが、休憩時にはその汗が冷たい風と相重なって壮絶な寒さを感じさせる。飛龍山、大常木山(おおつなき山)、竜喰山(りゅうばみ山)とトラバースしていく。

飛龍山手前からの朝焼け。秋晴れの空に映える太陽。

冠雪の富士山。来月の雪訓でお世話になります!

トラバースのゴールである将監峠にて。ポカポカしているように見えるが、風が強くてとても寒い。

唐松尾山に登頂。去年は同期のH谷川がコーラを振って一興を見せてくれたところである。

ここからサクサク進んでこの日の幕場である笠取小屋に向かう。下りが結構急なので慎重に…。踏み跡らしきものがあってルートファインディングが難しい。


途中、荒川・多摩川・富士川の分流点に寄る。唯一下ったことのない富士川にもボートワンダリングとかで行ってみたいものだ。


笠取小屋でのテント設営。この日もミスが起こり、1回では終えられなかった…。ポールが曲がっていて伸ばしにくそうな新人F田。

この日の夕食、ゴマ鍋もかなりハマることになった。普段はもっと食べやすいはずなのだが・・・頑張って食べる。因みにこの日の夕食でも立膝しながらF田は足を攣っていた。
全体ミーティングを行ってパッキング指導。F田は上級生から色々なアドバイスを貰って頑張っていた。「まぁ、いっか」と口癖のように言うたびに私が注意して、最後まで気を引き締めて考えさせる。
パッキングを終えたら就寝。明日もまたニサシである。

 

11月3日 登って下って…

昨日パッキングに遅れたという理由で強引に起床係に任命されたF田の声が響く。外に出ると星が綺麗であったが、同時に放射冷却でとても寒かった。
食当を終えて撤収。今日は無事に間に合った。明日以降もこの調子で行きたい。
防寒対策をしっかりした上で出発。途中、野生の鹿がいたり、雹が降ったりもした。

水晶山のピークにて。ザックの上にうっすら雪が…。寒いのでさっさと移動開始。

朝日の昇る日本三大峠、雁坂峠。風通しが良く、壮絶な寒さを感じさせる。

あまりの寒さに凍ってしまったハイドレーションのチューブ。

雁坂嶺にて。ザックの上にはまだ雪が残っている。

山の雪化粧の始まり。何とも美しい時間である。


地形図にも載っていない山梨百名山の一つ、東破風山。昨年の秋合宿では「(地形図に乗っている)破不山だ!」と思っていた為に泣かされた。

こちらが本物の破不山。西破風山とも呼ばれる。東から西は意外と遠い…。

甲武信小屋への登り。最後の上りがこの日、一番キツかった(新人の感想より)

甲武信小屋への最後の道は日陰のせいか雪が残る。慎重に慎重に…

この日の夕食はカレー(甘口)。食べやすい食事は久しぶりだった。


この日は小屋にもテント場にもたくさんの人が訪れていました。テントがデカイので、早めに到着できて良かった。

明日はいよいよ11時間行動の勝負の日。リミットを切れるように頑張ろうと気合を入れる。パパリコで起床係がY村さんとなり、就寝。明日も当然ニサシである。

 

11月4日 百名山2つ踏破せよ!

食当・撤収をスムーズに終え、テントサイトの上で体操。凍結の心配もあることからトップをY村さんにやってもらい出発。20分ほどで甲武信ヶ岳山頂に到着する。


風が強くて寒かった甲武信ヶ岳山頂。2つ目の日本百名山です。この写真、3人に見えて実は4人写ってます。

途中、F田のエレキが点かなくなったりするアクシデントもあったものの、寒いながらもサクサクと進んでいく。

朝焼けと富士山。絵になる一枚。現在の部室のパソコンのデスクトップになっています。

太陽が昇ると気温も上がって暖かくなる。体も動くのでどんどん進む。

国師ヶ岳山頂にて。重いザックを背負ったまま座らされるのは新人の宿命。

空身でピストンした北奥千丈岳。奥秩父最高峰はここです。


北奥千丈岳山頂からの大パノラマ① 奥の白い山々は南アルプス。「いつもお世話になっております。早稲田大学ワンダーフォーゲル部の者です。」


北奥千丈岳山頂からの大パノラマ② これから向かう日本百名山の3つ目、金峰山を望む。遠いなぁ…。

北奥千丈岳山頂からの大パノラマ③ 八ヶ岳連峰を望む。

大弛小屋までの下りは急な階段が続く。足に疲労が溜まる下りである。

大弛小屋すぐ近くの大弛峠までは車で来れるので、ここから金峰山や国師ヶ岳に登る人も多い。

朝日岳までの長い登りを終え、ここからいよいよ日本百名山の金峰山を目指す。

金峰山山頂直下。休日で行楽日和・登山日和ということで、多くの人が訪れていた。

金峰山頂付近から瑞牆山を望む。標高は金峰山の方が高いので低く見えるが、明日はあそこで式典をやる。

岩場を乗り越えて到着した金峰山頂。今合宿3つ目の日本百名山である。

金峰山頂より富士山を望む。大分大きく見えるようになってきた。

金峰山の下り。左手の斜面が絶壁なので慎重に歩く。岩場は歩きにくいので注意する。

金峰山近くの岩。こういう立派な岩が幾つか点在していた。

この日の幕場である大日小屋近くの大日岩。とてつもなく大きな岩である。


無事に大日小屋到着。行動時間は11時間20分。長い一日お疲れ様~と言いたいところではあるが、天気図の時間も迫っているのですぐに設営。この日、やっと一発で終えることが出来た。


この日はいよいよ最終夜。ビールにジューズにプラティパス(水)と思い思いの飲み物でトークに花を咲かせる。

明日はサシゴ(3時起床 4時食当完了 5時出発)なので、最終夜もそこそこに就寝。

 

11月5日 瑞牆山ピストン そして下界へ…

3時起床。食当・設営をテキパキとこなし出発。最初はルートが分からなくなってしまう。反省。

やっと見つけたルート。最終日もサクサク進む。

瑞牆山へのピストン。倒木なども多い登りが続く。

時にはこんな所を歩く。矢印や赤テープが多くて逆に迷う。

瑞牆山頂は今合宿初めてガスっていた。今までは本当に運が良かった。


38代OBの皆様からの頂き物。先日、卒業25年目を迎えられた皆様のホームカミングデーで体育各部OBOGの集まりの記念品。ただの布ではなく、速乾性のバスタオル。
「『早稲田魂』男なら背中で語れ!」ということで背中に掲げる新人F田。


裏面はこんな感じになっています。臙脂に白字で書かれている「WWW」が「WWV」に見えるのはワンゲル関係者だけだろうか。

山頂での集合写真。臙脂の旗がいい感じです。


富士見平小屋に張っておいたテント(中にピストンでは不要な個装が入っている)を撤収して全装に切り替え。山道はここからの下りで終わりです。

林道の風景。紅葉が真っ赤に色付いています。

もうすっかり秋ですね。目映いばかりの金色です。

5日間に渡る合宿も遂にゴール!!登ってきた山に思いを馳せる。

バスで増富温泉へ。下山後の風呂と食事は極楽です。


韮崎駅にて。これから電車で東京に帰る。デカくて重くて臭いザックが迷惑になるのは自明の理。スミマセン…。

さて、総数60枚の写真と共に今秋合宿を振り返ってきましたが、皆様、お楽しみ頂けたでしょうか?
今回の合宿は天気の良い日が続き、様々な場面で美しい景色に出会うことが出来ました。とても寒かったですが。

林道では紅葉化粧をした木々が美しく映え、遠くに見える山々は冬の訪れを感じさせてくれました。冬はもうすぐそこまで歩み寄ってきているのでしょう。

私個人としては自分にとって「まだまだだな」と思う部分も見られました。自分の弱点をしっかり潰した上で積雪期に臨みたいと思います。
さて、今週の土日は御嶽渓谷でレースラフティングの大会「御嶽カップ」が行われます。2日間のレースで個人として、そしてチームとして成長できるように頑張ってきたいと思います。
それでは、御嶽カップの報告をこのブログでする前に先発隊のブログや新人達の感想が発表されるのを祈って筆を置かせていただきます。

2年 F永

追伸
早稲田キャンパスの銀杏はまだ緑です…。

 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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コメント

    • よこ
    • 2012.11.08 8:18pm

    お疲れ様。ブログ頑張るね!しっかりと合宿を遂行出来たのは努力の成果だと思います。

    御岳カップは僕も出るのでよろしくね。

    リーダーの使命はチームが最高の結果を出すことだと思います。頑張れ。

    • OIKE@62
    • 2012.11.09 11:02am

    合宿お疲れ様。
    計画完遂できたようで何より。

    ブログでこれだけの文章が出れば、記録書く時大助かりですね。
    LのA木さん(笑)

    積雪期に向けて精進していってください。

      • aoki
      • 2012.11.10 11:49pm

      >よこさん
      今頃は御岳カップですね。よこさんも頑張ってください。
      結果についてはまたF永が書いてくれることでしょう。

      >OIKE@62さん
      ありがとうございます。来週のFWで全員秋合宿を終え、いよいよ積雪期に入っていきます。
      私はこれから秋の記録を書かなければなりません、頑張ります。

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