後発隊ロープワーク組サイド
土曜日の夜に部室を出発する。
同期の大きめの車だが7人と人数が多いので後ろは窮屈そうだ。
運転手は多いので交代要員には困らないが、富士山は結構近いので二人で済んだ。
先発隊からの情報があったが、馬返しの駐車場は車がとても多かった。
道端に止めている車もあり、場所があるか心配だったが中に入ってみるとちょうど良いスペースがあり、そこに止める。
少し奥の平になっているところにテントを張り、そこで5人が寝て、自分とY村は車の中で寝る。
人のいなくなった車内は寒い。
朝はとても冷えて、地面はカチカチに凍っていた。
朝にカップ麺を食べようかと思っていたが、テルモスで沸かす水の量とコッヘルのキャパを考えると不可能なので断念する。
すでに5合目付近にいる先発隊と無線で定時交信をしながら登る。
良く晴れているので登り始めると非常に暑い。
途中から雪が付いていたがアイゼンが必要なほどではなかった。
すでにいくつか他パーティーのテントが張られているのを横目に、上を目指す。
ほぼ予定通りのところに先発隊のテントが張られていて、ここでアイゼンを装着することにする。
しかしここで新人のピッケルの紐が短く方からかけられないことが判明。
付きの2年を叱り、シュリンゲをつないで延長する。
テントは何時でも避難できるようにそのまま拠点として残し、先発隊が歩行練習をしている7合目を目指す。
登山道から外れた斜面には色とりどりのヤッケを着たパーティーがザイルを使って訓練をしていた。
下の車の多さで分かってはいたが、冬の富士山とはいえ結構多くの人が登っていた。
その多くは自分たちと同じように訓練目的であるようだった。
実際とても天気が良く、正直そのまま頂上に行ってしまいたいくらいの晴天だった。
新人の時との天気のギャップが大きい。
先発隊との合流後は、予定通りザイル組と歩行練習組に分かれる。
こちらは3年3人と2年が一人で練習をする。
この日のメニューは登りと下り、トラバースのザイルの張り方練習。
すでに2年は沢である程度やっているので、その応用として教えている。
自分は登ったり下ったりしながら動作の確認をする。
暑い日に運動量が多いと、シリセードが冷たくて気持ちいい。
行く前に調べてみたが、確保に使っているピッケルの刺さり具合が浅いと足で踏むのが難しかった。
次回までに何とか解決を見つけたい。
3人分の練習を2年中心に回していたが、思いのほか時間がかかった。
途中3年の練習を減らし、何とか合流時間前までに一通り練習する。
合流後は歩行組が実際にザイルの通過をやってみる。
しかし沢隊以外はシュリンゲを使う機会が少ないので、プルージックの効果を認識せずいきなり走り出す奴がいた。
結ばせなおしたが、新人も一人一人の通過を待っていると結構時間がかかる。
全体的にロープワークのスピードを上げないといけない。
最後にトラバースの通過をして、この日の練習はおしまい。
あとは下山して帰るだけである。
あとから知ったがこの日笹子トンネルの事故があり、終了報告の電話をしたときには各コーチから帰り道を心配していただいた。
次回は5月を予定していて、錬成合宿に向けて新人を連れていくつもりだ。
どんな新人が入ってくるか楽しみだ。
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