9月16日
この日は朝早くから電車とバスに乗って松本から上高地へ向かう。新島々駅ではたくさんの登山客がいた。上高地に着いたらすでに送ってある食糧等を郵便局で受け取る。軽量化していたはずなのに重いのはなぜだろう。天気がよく河童橋で写真を撮ったりしながら岳沢に伸びる登山道に進む。トップは青木に頼んだ。
登りは非常に良い天気で暑かった。途中ドイツ人の登山者に会ったりしながら岳沢小屋に2時間ほどで到着。この日はあとは昼ごはんのラーメンを食べたりしながらのんびりと過ごすことにした。
みんなで沢の上部の雪渓のそばに行ったりして、紅葉の季節にも来たいなど話しながら時間が過ぎていく。
しかし翌日の天気が良くないという話を聞いていたので信じたくないと思いつつ小屋の天気予報の情報を得る。降水確率は低くなかった。
夜は前のワンダリングで余ったお菓子等を食べて少しでも軽くしようとする。トイレのために外に出るともう雨が降っていて翌日の天気に不安が残る。
9月17日
朝まで雨が降り続いていた。時々強くなる雨の音を聞きながら、その音の弱くなるまで待機して、タイミングを見て撤収を試みる。
この日のトップは吉村。雨が降り続いているし重太郎新道はなかなかに急で、前を行く青木が時々滑るのをひやひやしながら見ていた。しかしペースは速くコースタイムでは3時間以上かかるところを2時間と少しで行ってしまう。
前穂高にはカラミでピストンをする。頂上はガスっていて展望はなく動いていないと寒いので早々に引き揚げる。前を行く佐久間さんと吉村がまるでマリオのように声を上げながら軽い足取りで下っていく。
続く奥穂高への吊尾根では稜線上でコンディションは悪化した。横から雨交じりの風が吹きつけさらに寒い。それでも去年よりはまだましかな~と思いながら、しかし岩場は思ったより怖いぞと様々な思いを抱きながら進んでいく。
奥穂高についても天候は良くならず祠の前で写真を撮ったらさっさと小屋に向かう。しかしこの小屋に続くほぼ垂直な梯子が、かじかんだ手では一番怖かった。
小屋にはたくさんの人がいて、幕営許可をとったらストーブの前で暖をとるも落ち着かないので少ししたら設営する。
本当はこの日のうちに北穂高まで行ってしまい次の日のリミットに余裕を持たせるために前の日に岳沢小屋まで行ったのだが、この天気ではかえって危ないのでこの日も昼前に行動終了。残りの時間をテントの中で佐久間さんが持ってきてくれたコーヒーを飲んだり吉村からもらった数独をしたりしながら過ごす。
小屋の天気予報では次の日以降の天気は悪くないとのこと。しかし夜から雨はやんだものの風が強くなる。就寝後もテントが揺れるほどの風が吹き、心配事は尽きないままだった。
9月18日
朝もやはり風が強い。
朝ごはんを食べた後も吹き続けていてせっかく早く起きたのだがまたしても待機をすることにした。しかし外では日の出を見る人がたくさんいて、せっかくなので外で日の出を見ることにした。しかし寒い。
アサヒはとてもきれいでこの後も晴れそうなので、太陽が出きったくらいで撤収開始。涸沢岳に向かう。この日は自分がトップを行く。
涸沢岳に着くころには青空も広がっていて、この日の天気は期待できると思った。
北穂高に進むが涸沢岳下りのすぐからもう鎖が出てくる。足場は岩に打ち込まれた杭。そこからはずっと鎖が続き一時も油断の出来ない状態だった。
太陽の当たる東側は暑く、日影の西側は寒い、な感じで進んでいく。
ここを歩きながら昨日に通ってなくてよかったと思う。
しかし前に進むほどに岩が乾いていくのが分かっていくため、そのことには安心した。
それにしても北穂高岳に向かう途中で何度かルートミスをしてしまったのは恥ずかしい。
北穂に着いたら念のために持ってきたハーネスをつける。ここからいよいよ大キレットに入る。北穂からの下りは鎖はないものの急でした。そして小石が多く別の怖さがあった。
上から見ると先にある鎖場にたくさんの人が取りついているのが見えた。そして実際多くの人とすれ違った。しかし皆譲り合っていて、こちらが通したら次はこっちが進むといった感じで思ったより全然滞ることが無かった。正直3連休にかぶっていたのですれ違いにかかる時間も多いかもしれないと思っていたが杞憂に済んだ。そしてこのコースを通る人の年齢層の幅に驚いた。
Aコルで1本とったがそんなこともあって想像より早く着いた。何回か怖いところもあったが北穂までが練習期間みたいなところもあった気がする。そこから長谷川ピークまではすぐで、そこからは今までに比べると楽な道が続いた。とはいってもときどき梯子が来るが。
南岳のリミットを1時間も余裕で切って、ここからは槍まで普通と言ってよい登山道が伸びる。その最難関を過ぎて今までの疲れがきたのか自分でも情け無くなるほど登りでのペースが落ちてしまった。この日から膝にも痛みが出ていて体はごまかせないもんだと思った。
13時すぎに槍ヶ岳山荘につき、槍にピストンに向かう。さすがにここでは渋滞がおきていた。
この日最後の梯子を登り槍の穂先へ。そこからは全周の景色が見えました。
最終夜をして就寝。しかしなぜか有難い言葉を同期から要求されることに。全く考えていなかったので完全な不意打ちを食らう。
9月19日
この日の朝は問題なし。時間に余裕もあるのでゆっくり朝日を見てから撤収、出発。この連続ワンダリングで何度北アルプスから日の出を見れたのだろうか。
裏銀座のコースを望みながら槍平小屋に向かうコースに入る。いつかこちらの方にもいって見たい。
ここからは特に問題なく林道に入り新穂高温泉に。
途中の沢で汲んだ水はそれまで稜線上で自由に飲めなかっただけにとても美味かった。
天気はあまりずっと良いとは言えなかったものの、重要なところではしっかり晴れてくれて本当によかった。途中何度か撤退もあり得ると思っていたのだがそうならずに済み、綺麗な景色を見ながら行程もひやひやしながらも楽しむことができた。行動力があるメンバーのおかげで出発が遅れたにも関わらず余裕で毎日終わることができた。今回来てくれて本当に感謝しています。
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