至仏山スキー山行報告書
日時:2006年5月6-7日
メンバー:L廣光 SL春田 鳴海
地形図:至仏山〔1:25000〕
5/6
沼田=鳩待峠10:57-悪沢岳北東11:55-至仏山12:48-ムジナ沢滑降-山ノ鼻13:55-至仏山16:35-ワル沢滑降-鳩待峠17:40
5/7
鳩待峠=沼田
GWと言ったら山スキー。本来ならば上級生のL養も兼ねて,3日以上で良い場所でも行きたいところだが,諸々の事情で断念し,一泊二日のお手軽至仏山ワンダリングへ。結果的に快晴だったメインの3~5日には行かず,わざわざ天気の崩れ初めの時期に行くことになり微妙な感じではあったが,一日で800mの滑降を2本滑れて,なかなかに満足の行く山行になった。
<5月6日>
8:00沼田駅集合,L以外はステビ。集合時間ぎりぎりまで寝ていて,女子高生に白い目で見られていたようだ。早速バスに乗り込み戸倉へ,さらにマイクロバスで鳩待峠へ向かう。峠手前の道路には,駐車料金を取られまいと自動車がずらりと列を成していた。
当初はこの日は山ノ鼻にベースを張り,ムジナ沢から至仏をピストン,翌日鳩待峠に戻って至仏山に登り,ワル沢滑降の予定だったが,翌日が雨の予報だったので,強行軍で一日でムジナ沢・ワル沢滑降に切り替える。鳩待峠では下山してきたおじさんに絡まれ,出発したのは11時前。逆算すると,かなりぎりぎりなので,リミット設定して,スピード上げ気味でシール歩行開始する。午前中は天気もよく,日差しもGWならではの暑さ。右手には至仏山とワル沢が広がり,ルートがしっかりと確認できる。計画上は尾根上を進むことになっているが,尾根の右斜面には,ラッセル跡のトレースが延々と続き,そこを進んで楽々と進む。一応読図練習も兼ねていたのだが,何の意味も無い。一時間程歩けば,視界も広がり一目瞭然の燧ケ岳に,日光白根・皇海山の姿。上空にはくっきりと高積雲が浮かび,これからの天気の変化を告げている。
子至仏山付近では,突然の中高年登山者ラッシュに出会う。20人程のパーティが少なくとも2パーティーほどすれ違った。山スキーよりも普通の登山者が多く,いまいち盛り上がりに欠ける。やはり山スキーは,一般人が近づけないような所を選んだほうが気分が良い。ワル沢では,何人かの人が滑り降りていた。トラバースでショートカットしたおかげか,至仏山まで3時間のコースタイムのところを,わずか2時間で到着。山頂は,数十人近くの登山者で大混雑している。東斜面は今まで常に見えていたものの,北や西の展望は山頂で初めて開け、上信越の秀峰がずらりと視界に飛び込んでくる。谷川・マッキー・越後三山・平ヶ岳,さらに上州武尊や会津駒・燧と枚挙に暇が無い。尾瀬ヶ原をバックに写真撮影に勤しんだ後,いよいよムジナ沢滑降の準備開始。
滑り出しは雪があるものの,すぐに岩場が出現したのでツボ足で回避し,ようやく本番の滑降開始。雪質はここ数日のドピーカンで緩みきっており,重すぎもせず良い感じ。実技授業で行った思い出深い尾瀬を眺めながら,他人を気にせずウェーデルンでぶっ飛ばすのは最高以外の何ものでもない。ただ久しぶりの滑降なので,800mの後半ではいいかげん足が痛くなった。最後は右側の尾根上を進み,尾瀬ヶ原へ。どうせ引き返すなら行く必要は無かったのだが,なんとなく意地で山ノ鼻まで進み,一本を取る。
キャンプ場で水を補給し,いよいよ至仏の登り返し。下から見るとかなりの斜度があり,手ごわそうだ。最初は比較的歩きやすい樹林帯だったが,森林限界を超えると,単調できつい登りが始まる。シール歩行だと,微妙に切らなければならず,シートラを使うか判断に迷う斜度である。ハイマツの下からは雪解け水の流れる音が,はっきりと聞こえてくる。なかなか近づかない山頂を恨めしく眺めながら2時間ほどで,露出した木道の登山道へ。そしてコースタイムをややオーバーして,再び至仏の頂上へ立った。時間が時間なだけに,登山者は一人もいない。ガスも若干出始めて焦りを感じたので,すぐにワル沢滑降に移ることにする。
ワル沢滑降では,夕方は斜面が固くなるかもと危惧していたが,全くそんなことはなく快適に滑ることができた。消えつつある数多ものトレースの上を,思い思いに刻んでいく。それにしても沢が広い。そして滑りやすい!時間があれば,もう少しゆとりを持って楽しみたいと思えるような斜面だった。後半の樹林帯を抜け,川上川出会いに出ると,最後は鳩待峠まで20分程の登り返しが待っている。所々では,水芭蕉の咲き始めが顔を出し,初夏の息吹を感じる。最後の急登に意外に苦しめながら,ようやく鳩待峠着。兼用靴もスキー板も,いつのまにか泥だらけになってしまった…。
この日のバスの最終便はすでに行ってしまったので,ほんとは良くないが,鳩待峠でテントを張ることにする。夜になると,ガスで視界が全く利かなくなり,なかなか不気味な雰囲気だった。各自それぞれ持ってきたお酒を交わしながら,話題は今後のワンゲルについてに自然と移行していく。この夜は結構熱く語った気がする。現状の不満や,今後の活動のあり方…,まぁこの手の話は挙げればキリが無い。少なくとも自分たちは活動レベルでの妥協も甘んじながら,いかに下級生にしっかり育ってもらって,ワンゲルで良い活動をしようかと試行錯誤してきたつもりだったが,それが効果があったかというと正直上手く言ってるとは思えない。その分,今期の新人には大きな期待を掛けざるを得ないし,来年のGWは是非とも彼らと山スキー山行に行ければと思う。
<5月7日>
翌日は予想通りの雨。前日無理して強行突破した甲斐があるというものだ。始発のバスに乗り込み沼田へ。途中の老神温泉では蛇のお祭だそうで,巨大な蛇が横たわっていて驚いた。沼田に着いてからは,久しぶりに山彦へトンカツを食べに寄る。『山響』を読むと,法政ワンゲルさんとニアミスだったようだ。今春は結構ワンゲルも来ていたようだが,それより早稲田のスキーサークルの勢いの方が凄いのが印象的だった。ワンゲルも負けないようにもっと頑張らねば。
《バス代》
沼田~戸倉 2100円×2(往復)
戸倉~鳩待峠 900円×2(往復)
(hiromitsu)
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