筑波山MTBワンダリング報告書
日時:2004年11月27日
メンバー:L廣光(2年) 春田(2年)
地形図:真壁(1:50000)、ツーリングマップル関東甲信越
主旨:関東の名山〔筑波山〕をMTBで走る
~ オフロード練習part2 & 自転車走り収め ~
11/27
8:40 JR土浦駅=〔関東鉄道バス〕=筑波駅 9:35発-10:00登り口-11:30ユースホステル跡-12:05御幸ヶ原
-12:20男体山-12:35御幸ヶ原-14:50りんりんロード入り口-15:30筑波駅-17:00土浦駅
集合場所はJR土浦駅。本来ならもうちょっと早い時間に出たかったのだが、Lの諸事情によりちょうど学生が登校する時間頃になってしまった。ほんと申し訳ない。ここから関東鉄道バスに乗り込み一時間弱で筑波駅へ。駅といっても廃線になった筑波鉄道の跡地で、プラットホームが良い感じの休憩所になっている。この跡地の岩瀬駅~土浦駅の間の約40km程の道は「筑波りんりんロード」という名の自転車専用道路になっており、帰りはこの道を行くつもりである。素早く輪行を解除して、早速筑波山へ向かって自転車を漕ぎ出した。
しばらくは平坦な道を走ったのだが、北へ向かっているため強い向かい風に煽られる。この日はちょうど典型的な西高東低の形だったので北西の風が強かったのだが、同時に太平洋側は天気が良いはずで、その通り快晴であったので気持ちが良かった。いよいよ登りが始まると、なかなか文化的な香りの漂う道で、紅葉もきれいだし筑波みかんもちょうど収穫の時期を向かえている。さっそく売っているみかんを購入しレーションに加える。味は甘さ控えめで、さっぱりした風味だ。本日ワンゲルでの自転車活動二回目の春田は登りでかなり苦戦しているので、ペースを調整してゆっくり筑波山を目指していくことにする。途中で「男の川」という川を見つけて名前のストレートさに苦笑するが、筑波山は男体山と女体山があり、それぞれから流れる男と女の川が合流して男女川になるという看板の説明を見て納得する。そういえば百人一首で、『つくばねの峰より落つる男女川、恋ぞつもりて淵となりぬる』というのがあった。春田の話によると、実は「稲穂」のおやじさんも筑波山は戦時中逃げ込んだりした思い出の山なんだそうだ。
しばらくして地図上でのユースホステル跡地に到着する。といっても何も残っておらず、ただの駐車場である。ここからは筑波山頂上まで遊歩道になっているのだが、MTB乗り入れ禁止という看板を見つけてしまいしばし戸惑う。しかし元々押して歩いていくつもりだったので、それなら問題はないはずだと解釈して進むことにする。ときどき現れる階段では自転車を持ち上げて運び、それがだんだん辛くくなって来た頃にようやく御幸ヶ原に到着した。
ここ御幸ヶ原はロープウェイとケーブルカーの降り口になっており、子供から老人までとにかく人で溢れかえっている。百名山である筑波山は双耳峰で、ここを中心にしてちょうど東西に女体山、男体山と位置しており、まずは男体山に登ることにする。さすが関東の名山だけあって、関東平野が一望できる素晴らしい展望である。霞ヶ浦や太平洋がはっきり見え、富士山や日光、那須も見えるそうだが、高気圧の霞のせいであまりはっきりとは見えない。反対側の女体山も同様に一大パノラマが広がっており、筑波山神社の祠などもあって雰囲気はとても良いが、人が多すぎるのがやや難点。しかし『人々が朝夕敬い、その頂上に祠を奉るような山はおのずと名山の資格を持っている』というのにもあるように、なにか惹かれるものがある山だというのは確かに感じることができた。
ここからの下りでいよいよオフロードがはじまる。はじめはタイトターンで苦戦したがだんだん走りやすい道になり、自分の中での山岳サイクリングのイメージである「林の中をスラローム」もできたし、「ふかふかの落ち葉の中を掻き分けながら進む」というのもできた。走っているときに気付いたのだが、これらは山スキーのイメージと大いに重なるところがあり、やっぱり自分はこういうのが好きなんだなと思った。
快適な下りを満喫したあとは、不意にキャンプ場に出た。と、ここで春田の自転車のチェーンが尋常じゃない絡まり方をしてしまう。それを直すのにかなり手間取ってしまい、これまでのペースも考慮して予定通りのルートを行くのは到底無理だろうと判断する。とりあえずは湯袋峠までは行くが、それから先は正直きついだろう。そんなこんなで再出発。ここから先の道は「せせらぎ通り」という名称があり、その名の通り静かな登山道の中に瀬が流れていて、とても心地のいいところである。裏筑波の持つ意外な面に感動しながら、自転車に乗ったり押したりして進んでいく。ここでの練習も含め、今回はかなりスキルアップできたと思う。そんな満足感を得ながら、半時間ほどで湯袋峠下の林道に出た。
ここからは正直これ以上行ける状況ではなかった。時間が無いのもあるのだが、それ以上にLのMTBの状態が悪く、普段まったく意識しないギアのネジなどが緩んだりしていて、タイヤの調子が悪すぎる。できる範囲で応急処置を施して、ここから一直線に西側へ林道を下ってしまうことにした。途中で捨てられたらしき可愛い子犬などに心苦しくなりながら、あっという間に先述のりんりんロードに到着した。この道はほんとに走りやすく、道幅はやや狭いが人がいないので話しながら並走することができる。また時々遊びで道が蛇行したり、波打ったりしているのも楽しい。両脇には桜の木が植えられており、春になると「紫の筑波」との兼ね合いが素晴らしいのであろう。二人で適当な話を交わしながら、まったりとした一時をすごす。そしてだんだん日も暮れて東から赤い満月が昇り始めるころ、ようやく土浦に到着しこのワンダリングは終了となった。
(hiromitsu)
コメント