75代年間方針『成長』

 

63代夏合宿 最終縦走ラウンド 2012/8/20-23

登山・縦走

夏合宿縦走記録

8月20日
昨日の晩は飲みすぎたせいか、今日の朝の目覚めはあまりよくない。今晩には剣山塊の入山口である光石へと向かう。今日は最後の休養日であるが、この日は多くの部員が休養日後半の、手持ち無沙汰な雰囲気にのまれていたようだ。図書館や本屋で長い時間をつぶした部員も少なくないだろう。夕方に再集合すると、天気図を描く2年生を除いてスーパーへ買い出しに。縦走ラウンドの食袋を作成する。買い出しに少しミスがあったが、その場で買い足して問題なく終了。しかし、時間的に押してしまったので、食事は各自ということになってしまった。時間をもう少し有効に使えればよかった。高知駅から土佐山田へ、そこからバスで大栃へ、そして、タクシーで光石へと向かう。この日の晩は、テントを建てて就寝。シュラポンするものも半分くらいいるようだ。

8月21日
未明に雨が降り、シュラポンしていたメンバーがテントに駆け込んでくる。今日はシュラポンしなくて正解だったようだ。光石から今日目指す白髪山避難小屋まではコースタイムで6時間ほど。沢ラウンドよりはスムーズにいくだろうと計算していた。人数こそ多いものの、C2の予定のため装備も多くなく、メンバーの行動力は十分である。今日のトップは福永。錬成合宿にほとんど参加できなかったために、今日は頑張ってほしい。登山口から、比較的しっかりした道が続く。しかし、2本先からは渡渉の連続に。通常であれば橋が架かっていてしかるべきような場所にも、橋はなく靴を脱いで渡渉を繰り返す。また、トップの福永も、慣れないトップのためか体調がすぐれない。佐々木に交代して様子を見る。すると、今度は長谷川がダウン。福永よりも体調は悪そうである。熱を測ると38度あり、行程はまだ半分くらいあるがここで行動を終える。福永と私で、前方でテントが張れそうなところを探しに行く。沢を渡渉した後に、高くて平らな場所を発見。少し狭いが、テント3張りはギリギリ行けるだろう。長谷川には、最後の一頑張りをしてもらう。3年生は、竹内をはじめとして長谷川の面倒をよく見ている。テント割は、長谷川の風の蔓延を防ぐため、長谷川はゴアライトで寝てもらい、私は買ったばかりのハンモックで寝ることに。標高が高くなければ、快適に眠れるはずだ。長谷川は体調が回復せず、夕食も受け付けない。とりあえず、レーションのゼリーを食べさせて様子を見る。明日には回復してくれるだろうか。

8月22日
今日は、丸石避難小屋を目標にする。手前にも白髪避難小屋があり、長谷川の様子を見ながら進むのにはちょうど良いだろう。起床後、長谷川の熱を測ると、相変わらず37度台で微熱がある。風邪というよりも、疲労からくるものかもしれない。他の隊員は大きな問題はなさそうだ。目標を白髪避難小屋にして、長谷川の様子を見ながら8時まで停滞とする。テントではパパリコが始まる。福永は気合十分だが、私とてパパリコでは負ける気がしない。結局、8時までの2時間ほどをパパリコに費やした。長谷川の様子は、まだ回復はしないが熱は下がってきた。ここに停滞してもこのまま下山するだけになってしまうので、出発とする。長谷川が動けないようであれば下山するしかない。今日のトップは佐々木で。昨日は体調が悪かった福永も、今日は良く歌っている。やはり、合宿で歌とパパリコでは福永の右に出る者はいない。新人も、頑張って歌っている。最初は歌うのを拒んでいた奥平も、上級生によって半ば強制的に歌わされている。そして、佐々木によって福永の物まねをさせられている。佐々木はふざける時はとことんふざけるが、何だかんだで色々と考えている、人科のホープである。私が卒部すると、人科が佐々木だけになってしまうので、次の新歓では必ず所沢生を入部させて欲しい。幕場の白髪避難小屋は一部屋の板の間で、はっきり言って綺麗な山小屋ではない。ただ、小屋の前はこれでもかという草地で、ここでテント泊はためらわれるため、小屋泊とする。しかし、新人の設営練習は新歓合宿の時からの課題だったので、それはきっちりとこなしてもらう。福永や佐々木に指導を受けながら、新人3人で設営をするが、なかなか目標の3分を切ることが出来ない。いつまでたっても終わる気配がないので、適当なところで切り上げさせる。2年生の指導も含めて、改善の余地は大きい。水汲みは橋下と私でいく。登山道から10分弱沢の方へと降りていく。沢の近くにはアザミが多く、難儀である。また、トリカブトが多く咲いている。あまり気持ちのいい水場ではないかもしれない。就寝前に、渡部と私でもう一度水を汲みに行ったが、水場から帰る時に踏み跡から外れてしまい、さまようことに。シカ柵沿いに登山道に出られたので良かったが、真っ暗な中で水を汲みに行ってはいけないと反省した。

8月23日
長谷川はほぼ問題なく回復した。今日は西島キャンプ場まで問題なく行けそうだ。やはり、最後は全員体調も万全で臨みたい。縦走ルートが続く行程は、風を強く受ける。風と雨のコンビネーションは気持ちの良いものではない。このあたりは、笹原の中に薄い林が混じるといった様子で、風をもろに受ける。気温が低い日にこの風は想像以上にきつい。次郎岌を越えると樹林が増えてくる。途中に名水と名高い水場があり、幕場には水場がないのでここで汲んでいく。西島キャンプ場はリフト乗り場のわきに開放されている幕営指定地で、水場がないとの情報だったが、しっかりと水道があった。利用者は我々だけだったので広々と使うことが出来た。昨日は設営練習が散々だったので、今日は一回で終えられるように新人2年に念を入れる。しかし、今日も何回やってもうまくいかない。場所が狭いのは分かるが、3人で十分できるはずなので、確実にやってほしい。この課題は64代へと引き継ぐことになってしまった。食当も山でやるのは今回が最後なので、2年生もシミュレーションに余念がない。こちらは、無事においしい料理を食べることができた。最終夜はテントごとで。他にお客さんもいないので、テントをまたいで会話。次第に脱落者が増えて、生存者は一つのテントに固まる。その後はあまり覚えていない・・・。

8月24日
いよいよ、夏合宿の活動は今日で終わり。まだ、アルコールが体内に残る中、食当を済ませ、出発する。まずは朝一で剣山山頂へ。山頂近くは風が強く、朝で気温が低いこともあり、昨日よりも寒い。山頂でも雲で展望はなく、式典を早々に終わらせる。周りを見ても、ここに長居したそうな人はいなそうだ。剣山山頂ヒュッテのおじさんに話しかけられ、シカ避けの柵にシカの角が絡まり、抜けなくなっているとのこと。シカ避けの柵には、立派な角を持ったシカがいた。なるほど、ネット状の柵だと絡まってしまうという問題があるのだ。我々は剣山を後にすると、一ノ森まで縦走。一ノ森ヒュッテには「追分から花畑まで通行止」との看板があり、少し戸惑うが我々のルートには関係がないとのこと。ここからの下山は、森の中の気持ちの良いルートである。風も強くないため、余裕も生まれ話が盛り上がる。途中で、ルーファイのことで3年が軽い口論に。人数が多くても、それぞれのポジションでどうするべきなのかを考えて欲しい。神社まで2本。山の中とは思えないような立派な神社である。ここまで林道はひかれているが、管理している人は苦労も多いだろう。ここでタクシーを呼び、タクシーが入れるコリトリを目指す。福永におすすめのラノベをきいたが、いまだに読んでいない。コリトリで装備を干していると、タクシーが到着。途中の温泉で下してもらう。温泉にゆっくりと浸かり、休憩。食事をしてから徳島へと向かう。徳島では、ネットカフェがワンゲル部員によって占拠されるという事態が発生。徳島のみなさまには申し訳ないことをした。

8月25日
午前中は徳島でフリータイム。新人も休養日の感覚が分かってきたようで、図書館や本屋で多数目撃される。昼過ぎに集合して、三本松駅へと向かう。電車の中では4年生で今後の流れを確認。こうやって3人でミーティングするのも残り少ないと思うと、時間があればミーティングをしていたこれまでが懐かしく思える。同期の渡部と由梨には、本当に感謝感謝だ。三本松駅からは、買い出しをしてとらまる公園キャンプ場へと向かう。小ぢんまりとして明るい、気持ちの良いキャンプ場だ。自転車もしっかりと保管されており、ボートも無事到着しているようだ。夕方になるにつれ、OB・OGの方々がキャンプ場に到着される。遠路はるばる四国まで来られるかたも、逆に四国在住の方も多くのOB・OGの方々に集まって頂きありがたい。集結式は吉村に仕切ってもらう。新人の感想は3人ともそれぞれに夏合宿を楽しめたようで、4年生としては、これが一番の成功の証明なのではないかと思う。4年生の言葉では、言いたいことが整理できず、かなり長く話していたように思うが、兎にも角にも、感謝の一言に尽きる。支えてくれたたくさんの人に感謝である。その後、4年生3人で酒を酌み交わしたが、同期がバカみたいに酒を入れてくるのでその後の記憶はおぼろげである。その点は感謝していない。

8月26日
昨日はいつの間にか眠っていた。寝たのが早かったからだろう。どちらかといえば早かったと思う。ただ、まだ酒が回っていたのか、この時の記憶もおぼろげである。朝食、記念撮影をした。学年写真では、なぜか組体操をした。その後は吉野川ワンダリングへと向かう監督に駅まで送っていただき、石川さんとは高松駅まで一緒に向かった。最後の合宿である、夏合宿はこうやって後から記録を書くと、実にあっという間に終わっていったと思う。楽しいことは一瞬で通り過ぎて行ってしまうのだ。この1年間、長いような短いような、ただ、思い返すと数えきれないほどの思い出であふれている。忘れられない思い出は多いが、忘れてしまいそうな思い出も記録にとどめて残していきたい。
 

Waseda Wander Vogel

Waseda Wander Vogel

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の公式HPです。

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