黒姫山 山スキーワンダリング報告書
日時:2005年2月11日
メンバー:L廣光(2年) 春田(2年)
地形図:信濃柏原〔1:25000〕
主旨:積雪期の行動経験を積む
<2月10日>
根子岳と四阿山を二日かけてそれぞれ登った二月合宿が終了し、上田駅にて解散。その後は長野駅へと移動してステビ。去年のプレ春合宿後に長野駅で夜を過ごした時も感じたことだが、ここの夜はものすごく寒い。明日の行動も結構ハードなものになりそうだなどと考えながら、凍えるような思いでシュラフにもぐりこむ。
<2月11日>
6:40頃起床。各自朝ごはんを食べて7:48妙高高原行きの列車に乗り込む。黒姫駅から黒姫スノーパークへはバスが出ており、あっという間にスキー場へと到着。天気は残念ながらガスっていて雪が降っているが、行けないことはない感じ。去年もあった巨大なキティが相変わらずそびえ立っている。ピストン装備をザックにつめいざ出発というときに、春田がなにやら苦戦中。様子を窺うと、どうやら片方のストックが短いまま固まって伸びないらしい。いくら頑張っても伸びる様子がないので、仕方なくそのまま出発することにした。
リフトを二本乗り継いで一番上まで行くと、そこには今は使われていないゲレンデから始まる黒姫山山スキーのコースの始まりがある。登山ポストに計画書を提出して10:00ジャストに出発。なかなか急な斜面が続く。雪が結構積もっていてラッセルが大変そうであったが、今日は祝日ということもありラッキーなことにトレースがある。雪崩の危険性がある斜面なので弱層テストをしてみると、上部に新雪が30センチほど積もっており、その下部は氷の層で硬くなっていて、なかなか掘ることができない。今までにない結果だったので若干戸惑ったが、トレースを辿りながらも安全な斜面を通って登って行けば大丈夫そうなので、そのまま行くことにする。40分程で今は使われていない第六リフト上着。去年登った時より1.5~2倍の速さで登って来ている。まあ全装備しょってラッセルしていた去年と比べ、軽い荷物でトレースを辿っているのだからこんなものだろう。
ここから樹林帯を進んでいくことになる。にわかに天気も回復してきた。というか下のほうに比べ上部のほうが天候がいいのである。相変わらずまともに歩けばラッセルな雪質であるがトレースを行くだけなので、さくさくと標高を上げていく。若干このワンダリングの意義が頭をよぎったが、目の前に続くトレースを外して進む気にはなれない。しかし登り自体800mアップという比較的大変なものだし、前二日も行動していることを考えると、なかなかの行動量だと思う。
そんなこんなで二本弱で外輪到着。予想通り大きな雪庇がオーバーハングしている。安全な場所を通って黒姫山頂手前のポコまで登る。上空は晴れているのだが、下のほうは完全に雲の中であり、なんだか不思議な景色が広がっている。先方にはトレースを作ってくれた三人パーティーがヘルメットを被って滑降準備中。また後ろからも三人パーティーが登ってきて、結構にぎやかな感じである。休憩もほどほどにいざ滑降開始。地形図を見れば分かるとおり、黒姫山の東斜面は標高差800mに渡って急斜面が広がっており、なかなかスリル満点である。しかも雪質はふかふかのパウダー。これはある程度腕がないとまともに滑れない斜面ではあるが、中級以上の山スキーヤーにとってはこれ以上はないだろう極上の斜面である。メンバーも二人だけなので、どんどん飛ばしていき、ひたすらに純白のパウダーにトレースを刻んでいく。おそらく滑りだけで言えば、今まで体験した中で一番楽しい斜面だったと思う。
そんなかんじであっという間にスキー場に到着。ここでようやく春田のストックも治ったようだ。素早く準備してバスを待つが、残念ながら10分前に行ってしまっていた。地図を良くみると、ここから山小屋まで意外と近いので、タクシーを呼んで苗名の湯まで行く。明日はスキー祭の一貫で三田原山に登るそうなので、内心参加させてもらう気満々である。連続四日で四つの山で山スキー。贅沢だなあと思いながら重いザックを背負って山小屋へと向かって行った。
(hiromitsu)
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