こんにちは!新人をやってます佐藤です。夏合宿を終えてほっと一息つきながら、実家で慌ただしくブログを書いています。大峰の山や沢を歩いたのがもう1ヶ月近くも前だというのが未だ信じられないでいます。人生山在り谷在りとは言いますが、今回の沢隊の1ラウンドもまたそんな感じでした。その様子をご紹介します。
~C0~
もしかしたら1ラウンドで最もきつかったとも目される、C0でありました。近鉄大和上市からバスで2時間ほどいった池郷の集落から林道を歩くこと3時間(!)、ようやく池鄕のゴルジュに入る地点に到着。予定では林道近くに泊する予定であったがもう少し先まで進むことに(なかなかに激しい入渓の始まりはここだった、、、)。はじめはするすると川の方へ降りていき、順調だなと感じていたが、GPSによれば全然進んでいないとのこと。そのうち斜面は厳しく、湿度や気温も上がりハアハア言いながら、ピンクのテープを探す時間が続く。夕暮れ近くなったときにやっと池鄕の入渓点に到着!魚を釣るなどしてその後はゆっくり過ごしました。ライトを消したときに広がる星の煌めきには圧倒されました、、、。
~C1~
本日が夏合宿沢隊の本始動の日でありましたが、案外遡行時間は短くあっという間の日でした。遡行自体は昨日のアプローチに比すれば何と言うこともなく楽しみながら進みます。蛙のなんと多いこと!まるでここを歩く人間の指南役であるかのようにバラバラとあらわれては消えていきます。かつての西行も又蛙を旅の友人としたのかしら。泰然自若とした蛙たち。昼間には着いたためゆっくりと休む先輩方。暇になると川で水浴び。昨日とは打って変わった穏やかな広河原の光景。夜食べたバジルソーセージの直火焼きのおいしかったこと、、、!
~C2~
この日は池鄕をつめ上がってから前鬼宿坊までの行程。朝の食当が終わった後準備に手間取り、反省する。池鄕は(今思うと)比較的易しく歩きやすかった様に感じる。けれども、C2の時点で少し私の遅れが出始め修正しようとする。なかなか体力的にきついのではと思い始めたり、、、。それにしても池鄕の水の綺麗さには圧倒される。とにかく青い。手つかずの自然とはこのようであるかと感じる。次第に川は狭まりつめ上がりに入る。足場はもろく、心なしか太陽の照り方がきついように感じる。飴玉が美味い。岩のゴロゴロしたような所は腰を引きつけて上っていく。しばしば鹿の糞らしきものがあり、彼らの健脚ぶりに舌を巻く。野いちごが美味い。なにゆえか棘だらけの植物が繁茂するものの何とかつめ上がりを終える。地蔵岳の近く、ここから山道かと思うとほっとする。先輩の指に棘が刺さって一騒ぎ。沢の装備を解除してゆうゆう上る。大日岳方面と前鬼宿坊とこれまで来た道の三叉にでて一休み。大日岳の修験道に少しだけ挑戦するも余りに危険で断念する。修験者の意志とは登攀力とは凄まじいものだと感歎する。三叉に戻り,約850段の階段を下り、鬱蒼とした林の中を抜けるともうそこは前鬼の宿坊であった。一夜だけお世話になります。ここは1300年も昔、前鬼と後鬼の子供である五鬼のうち五鬼助というものがつくった宿坊とのこと。他の4つの鬼の宿坊は明治以降次々と閉鎖されたようだ。
~C3~
1ラウンドのハイライトととも言うべき前鬼川に乗り込む日がやって来た。私が沢隊を志望した理由の沢である。非情に青く岩の大きい沢だと聞いていた。入渓までは近くすぐに遡行を開始する。始め驚いたのはその岩の大きさ。噂よりも大きかったように思う。というより岩のスケール感が悉く打ち破られる感じ。全ての岩が自分の身の丈ほどではないかと感じる。大きな滝と淵にあたり高巻く。するとそこに広がるのは川幅いっぱいのナメ地形!今まで見た中でもダントツに長くそして広かった。次々と行く手を阻む岩が現れ始める。水量も多い。なんというか自分が川を遊ぶと言うより、川に遊ばれる感じ。しばしばどうやってこれ上るんだろうという岩に出くわす。歩き続けて数時間。青い、深く青い沢を遡行し続けて垢離取場に着く。個人的にはここが一番楽しかった。所々足のつかない地点もあるが、清い泉の中で泳ぐのは気持ちよかった。ここの地名も又納得できる。疲れた身には染み渡る適度な水温。ずっと泳いでいたかった、,,.この日は前鬼の沢の中で幕する。この後、体の冷え切った私はちょっと体調を崩す。眠れないのが体に来ていた。それにしても険しく、碧い沢である。
~C4~
この日は予定では前鬼川をつめ上がり、あわよくば弥山小屋まで進む日であった。ただ私が前鬼をつめ上がった後、体調を崩してしまい、予定を変更する。また水も尽きてしまった。先輩方が釈迦ヶ岳を越え水を汲みに行く、,,!明日はハ経ヶ岳に上らず釈迦ヶ岳を経由した後C2で泊まった前鬼へ降りそこから前鬼口まで出ることとなった。これには計画を作成された先輩方に残念なことをしてしまったと感じている。結局この日は孔雀岳周辺で幕営した。明朝に女性のような鹿の鳴き声がしたことを覚えている。霧は白く沢隊を覆っていた。
~ゴールへ~
次の日の朝起きると米コが見事にひっくり返っている!できるだけかき集め少ない水で何とかやりくりする。今日の朝も御飯は美味しい。沢の装備を着けないこの日は下山に集中する。稜線に沿って緩やかなアップダウンを繰り返し釈迦ヶ岳に到着する。トンボが多く舞う中に一柱すっくと立つ如来の像。穏やかな顔。先輩は調査や昨日の水汲みを含め4度目の登頂。見慣れているよう。そこから歩けば一昨日見た大日岳や三叉へ。そして前鬼の宿坊。1ラウンドはもうそろそろで終わりである。
~番外編~
前鬼の宿坊から国道169号線までは約10キロほど歩きました。途中不動七重の滝というのを遠くから拝め水量とその荒々しさに驚きました。沢の終点はあそこであるか、、、と。到着した時に飲んだカルピスは美味しかった。ここがかの下界であるなあと。そこから温泉までの6キロを歩いたのはご愛敬。足ってすごいなあ。
最後までわざわざ読んで頂きありがとうございました。夏合宿全体を通してまだまだ自らの体力的・精神的弱さを痛感したところです。また夏合宿を成功に導いて下さった先輩方・OB,OGの方々に感謝します。ありがとうございました。
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